http://www2.gol.com/users/fwis8941/
  愛知商工新聞
第167(2008年5月10日発行)
発行:愛知県商工団体連合会
〒456−0018 名古屋市熱田区新尾頭1丁目4番3号
Tel:(052)679-6911/Fax:(052)679-6912
目次
ターニングポイント〜コインランドリー店を開業 三浦さん
消費税反対ロングラン宣伝
消費税増税は許さない〜赤字でも身銭を切って納税〜消費税目的の税務調査
庶民に増税〜大企業・大資産家には減税
南民商のゼロの日宣伝行動〜福祉のためは真っ赤なウソ
愛商連のあゆみ
ビジネススクール開校〜元気に楽しく語り合う。
大成功・大盛況!1500名が集まったさくらまつり
税務署、不当な差押えを謝罪
新城市でも小規模契約が実現
歌うことがわたしの人生〜メンバーズ志摩 田中 しげ子さん
Dr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第86回

コインランドリー店を開業

三浦さん
コインランドリー
三浦さん

私がコインランドリー店を開業し3年が経ちました。開業するとき、3年間何があっても頑張ってみようと決めていました。コインランドリーの利用客として五年、「利用していてあったら良いなぁ」、「もっとこうなれば良いのに」と思うことを実践してきました。

「そろそろ次の事を考えないといけない」と思っていたときに、洗濯代行サービス業が東京などの首都圏で始まっていると聞きました。日常の普段着をバッグ一杯につめて回収、洗濯をし乾燥させ、たたんで家まで届けるというサービスです。面白そうだと思いながらも「東京だから成り立つ商売かな」と考え、「名古屋でやったら需要はあるのか?名古屋流に工夫できないものか。」と考え、面白そうだと思い、東京まで視察に行ってきました。

目の前に東京都庁がそびえ建ち駐車場もない店舗でしたが、回収して帰ってくる車からは次々と洗濯物のバックがおろされ、七台の洗濯機はフル回転していました。家事に携わっている私は、日常の普段着にお金を払って洗濯してもらうことには抵抗を覚えたのですが、生活スタイルや考え方は人それぞれだと改めて思いました。

視察から帰ってきて、名古屋でこの仕事を始めるにはどうしたらいいかを考えました。利用料を払っても頼んで良かったと思ってくれるサービス、なにより綺麗に仕上げる技術を習得する事が大切だと考えていた時、「数年前に婦人部の集まりで、クリーニング店の奥さんが、林クリーニング店でクリーニング師の勉強をして免許を取得した事を嬉しそうに話していたこと」を思い出しました。しかし、私はクリーニング業者ではないし、ましてやコインランドリーはクリーニング店と競合することもあるので、ためらいがありました。しかし、民商の仲間と言うことで信頼し、林さんに事情を話すと快く引き受けてくれました。そして、3ヶ月の間毎週一回、アイロン掛けの実技練習の為に場所と時間を空けて指導してくれまた。

業務用のアイロンは、4.5キロもあって重く、温度や霧吹きも自分で調節し、家庭用とは全く勝手が違いました。試験は、吹きつけ、アイロンがけ、たたみ仕上げまでを七分以内に行う作業です。全てが手順よくきっちりときるように特訓が始まりました。見たことも触ったこともない私に教えるのですから、さぞや大変なことだったと思います。立ち入ることのない作業場や各種の特殊機械、繊維の性質や扱い方も教えていただきました。従業員の方のアイロンがけの手際の良さや早さと綺麗な仕上げはすばらしく、見ていて気持ちよく、初心者の私には感動的でした。自分の仕事だけでも大変なのに、競合するかもしれない相手に開放的に仕事を見せて、丁寧に指導していただき、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。

アイロンの特訓をする一方で、筆記試験の為の勉強も始めたのですが、読んでいても頭になかなか入らない。「言葉がまるで外国語、これではヤバイ」と機会を仕入れたメーカーの20代の女性に受験を、一緒に勉強することにしました。特に試験前には仕事と家事が終わった夜九時頃から一二時までファミレスで勉強し合いました。親子ほどの年の差も忘れ、教えあい、励まし合うことができて助かりました。

3ヶ月の特訓と勉強ののおかげで二人とも合格通知をもらう事ができました。3ヶ月がムダにならなくて良かったと安堵したのと、一人では決して出来なかったことで、林さんや店の従業員さん、一緒に受験してくれた方に感謝の気持ちで一杯です。勉強したことで、コインランドリーのお客様にも今まで以上に気配りをする事が出来るようになりました。また、合格が大きな励みになり、洗濯代行サービスを始める決意が出来ました。

これまでも民商の仲間には、夫婦の商売の税務調査や決算、融資と多くの力を貸してもらいましたが、今回は、直接仕事の技術指導で、会員さんに大変お世話になりました。あらめて「民商」という組織の人のつながりの大きさと仲間のやさしさを感じました。

このページトップへ

消費税増税は許さない

全県一斉9の日宣伝

政府は2009年度に基礎年金への国庫負担を2分の1に引き上げることを理由に、「消費税は社会保障の財源にふさわしい」などと、消費税増税の議論を始めようとしています。

しかし、中小業者や国民全体の所得は下がり続けているうえ、増税が庶民に重くのしかかってきています。消費税は所得の低い人ほど負担割合が高く、逆進性をもつ不公平な税制です。消費税の増税は、貧困と経済格差をさらに広げ、景気を後退させ日本経済をいっそうの危機に陥れることは必至です。

政府は消費税導入時も「社会保障のため」を口実にしていましたが、社会保障は改悪の連続です。しかも、導入以来、国民が納めた消費税収のほとんどが法人3税の減収に匹敵し、その穴埋めにされたことは、まぎれもない事実です。

いま必要なことは、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税、不要不急の大型開発や5兆円にものぼる軍事費、米軍再編費用への支出などを徹底的に見直しムダ使いをなくす事です。そうすれば、社会保障の財源を生み出し、財政再建をすすめていくこともできます。


赤字でも身銭を切って納税

千種民商会員 クリーニング業

私がこの仕事について52年。技術を磨くことでお客様の信頼を獲得し、今も妻と後継者の息子と三人で営業をしています。

クリーニング業界も、厳しい経営環境の中で売上は増えず、原油高騰の影響で経費はあがり、この2年は所得税は出ていません。だけど、本当に悔しいことに消費税だけは20万円以上納めています。しかし、お客様からはもらえないのが現実です。それなのになぜ業者が肩代わりして、税務署から手数料ももらわずに、赤字の所得で身銭を切って払わなければならないのか。絶対、納得できません!


消費税目的の税務調査

トヨタ関係の部品をつくっている鉄工所ですが、免税点が1000万円に下がってから消費税の納税が重くのしかかり、毎月生活費を切り詰めて預金して納付してます。

単価は毎年下がる一方の中、昨年、何十年部の税務調査になりました。税務署の目的は消費税の釣り上げでした。簡易課税で申告していますが、「材料仕入がないなら、製造業ではなく、その他の業種になる。」といきなり切り出しました。しかし、税務署の勘違いで、私は材料は自分で仕入れていて、それを伝えると税務署は急にトーンが下がりました。

消費税は、儲けがほとんどなくても売上が上がるだけで納税額は増え、ややこしい帳面を要求されるます。まさに業者を苦しめる悪税です。

このページトップへ

消費税反対ロングラン宣伝

ロングラン宣伝

愛商連が加盟する消費税廃止各界連絡会は、消費税が施行された日にちなみ毎年行っている「消費税反対ロングラン宣伝」を3月31日に栄の三越前で、昼の12時から午後4時30分まで行いました。この行動には、めいきん生協や愛労連、新婦人、年金者組合など11団体88名が参加しました。ぬいぐるみやそろいのハッピを着て、風船、「消費税増税No」のシールやチラシを配り、とても華やかな宣伝を行いました。たくさんの街ゆく人は足をとめて、署名やシール投票に協力してくれました。


太田愛商連会長もマイクを握り、「若い皆さんは、消費税がなかった時代のことは知らない。しかし、消費税がなかった時は、医療費の本人負担は無く、社会保障は今よりずっと充実していました。私達が払った消費税は、大企業の法人税減税の穴埋めに使われたのです。消費税増税ではなく、大企業に税金を負担させるべきです。」と訴えました。


庶民に増税〜大企業・大資産家には減税

【庶民への大増税】

  • 定率減税の半減・廃止......... 3兆3734億円
  • 配偶者特別控除の廃止.........   7344億円
  • 高齢者への増税...............   4790億円
  • 消費税の免税点の引き下げ等...   6300億円
  • 合計.........................約5兆2000億円

【大企業・大資産家への減税】

大企業の利益は増加
  • 減価償却制度の見直し........   7361億円
  • 研究開発税..................   5880億円
  • IT投資減税................   5550億円
  • 連結納税制度の創設..........   7980億円
  • 欠損金繰越期間の延長........   1270億円
  • 証券優遇税制................  1兆    円
  • 土地取引関係の減税..........   3653億円
  • 相続税・贈与税の減税........   1230億円
  • 合計........................約4兆3000億円

小泉内閣以降01年〜07年の増減税額。


◇「経常利益」「税負担」は、財務省「法人企業統計調査」(全産業・規模10億円以上)(当期末)より
◇「税負担」は、「法人税、住民税及び事業税」と「租税公課」の合計
◇「法人税率」は、財務省ホームページより

南民商のゼロの日宣伝行動


福祉のためは真っ赤なウソ

南民商のゼロの日宣伝行動

南民商は、去年の9月から「0」のつく日に「消費税反対0の日宣伝」を続けています。消費税施行20年を目前にした3月30日にも、役員・事務局11人でバロー前、元塩・食彩館前、新瑞ユニー前の3ヶ所で行いました。

三ヶ所では、横断幕とノボリを立て、チラシと消費税をやめさせる会がつくった「消費税の増税は許しません」の風船を配り、署名を呼びかけました。宣伝力ー等にも民商のポスターを貼って移動中も宣伝しました。

風船は子どもたちに大人気で、小さな子を連れて買い物にきていた若い夫婦は「少子化で大変っていうけど、今の生活が大変です。物価はあがるけど給料は増えない」と不安そうで、署名をしてくれました。年金生活の方は「高齢化社会のためと言って、年寄りに負担させるなんて、納得いかん。」と、激怒していました。

この日の行動で六四名の署名が集まりました。行動に参加した役員は、「署名してくれる人が多かった」「みんな怒っとった」などの感想が出ました。最後に「『ゼロの日宣伝』を続け、『消費税増税をさせない世論を大きく広げていきましょう』とまとめて行動を終えました。


愛商連のあゆみ


愛商連発足から3年目の1952年は、民商の存亡を問われる年であった。

納税者の陳情に100名の武装警官

民商つぶしの東税務署事件

1952年7月2日、民商全員加入を決めていた御成通発展会と民商会員50名は、東税務署長に対して、「これまでの課税の誤りを認め、減額申請を認めよ!」と陳情した。それに対し署側は、事前に警察と共謀して100名の武装警官で取り囲み、役員・事務局四名を逮捕した。そして、8月25日、2ヶ月前の昭和税務署と答申県勢事務所陳情で脅迫したとして、役員一名と事務局員四名を逮捕した。一斉に会員を警察と検察に呼び出し民商からの脱退を強要した。


潰れなかった民商

150名の介意が、警察と検察庁から呼び出され「逮捕されたいか」と脅された東北支部では、一時的に50名ほどの会員が会から離れたが、新谷が釈放されるとまもなく民商へ戻り、12月頃には改正は増税に転じ、2倍の店舗で会員が増えた。


一審判決〜税務署のいきすぎ厳しく指摘

この事件に対して、1958年12月に7年の裁判闘争を経て判決がでた。

無実は勝ち取れなかったが、判決内容は「徴税方法は、形式的画一主義に流れ、納税者の実情を無視するいきすぎがあった」と税務当局の欠陥を厳しく指摘した。


判決で全会員滞納棚上げ

民商発足当時からの課題であった「不当課税による滞納との闘い」は勝利した。

この勝利は、会員の確信となり、会員拡大につながった。そして、自家労賃闘争、さらなる会員倍加運動となって、今日の愛商連運動の基礎を築いたのである。

  • 課税の大半が滞納
  • 1951年分課税予算...164億円
  • 納税額................. 59億円 35.9%
  • 滞納額.................105億円 64.1%

このページトップへ

ビジネススクール開校〜元気に楽しく語り合う。

ビジネススクール

4月20日 ビジネススクールinAICHI の第一回目の講義を労働会館で開き41名が参加しました。午前中は、「自分の商売を見つめいるキャッチコピーづくり」と題して芳野俊郎佛教大学教授が講義を行いました。地域ビジネスの視点、中小企業白書、自分の「最適ビジネス」の判断基準、ビジネスプランニング6W2Hなど、経営戦略に必要な考え方を話しました。

午後は六つのグループに分かれてワークショップ、普段の民商の分散会などとは違い、先生が設問をだし、自分の答えを紙に書いて発表し、全員でまとめます。今回は酒店の成功例を読み合わせ、ポイントは何かを話し合いました。どの班でも活発な意見が飛び交い、最後のグループの発表でも積極的に代表になるなど、みんなが主人公、全員参加で楽しく意見を交流しました。


仲間と楽しくワークショップ

参加者は、「異業種が集まり、いろんな意見が聞けてよかった。」「「講義や考え方は大変役に立った。」「自分の商売を見つめ直し、頑張りたい。」「仲間との話し合いで得たことは大きい。」「スクールが終わるまでには自分も成長したい」「もっと話し合いの時間がほしかった。」「楽しくワークショップが出来て良かった」などとみんなが前向きな感想を話していました。

実行委員会では、一回目の成功を受け、参加した人が知り合いを誘い、二回目から参加する人を募ろうと話し合いました。


大成功・大盛況!1500名が集まったさくらまつり

水道みち・仲田公園さくらまつり

千種民商が、交流の場として取り組んだ「水道みち・仲田公園さくらまつり」は4月6日、桜吹雪が舞う青空の下で行われました。実行委員会をつくって3ヶ月、地域の交流の場として、多くの市民に参加してもらおうと区役所や町内会などに呼びかけ、フリーペーパーや新聞折込、宣伝カーの運行などで広く宣伝しました。当日10時に開幕太鼓が鳴り響くと、誘われるように多くの人が集まり、1日で1500名を超える方が来場しました。


大盛況!1500名集う

満開の桜の下、歩道には40店以上が出店し、行き交う人達は足を止め、思い思いに買い物を楽しんでいました。公園内に出店した産直野菜にも多くの人が集まり、次々と新鮮な野菜を買い求めました。食べ物コーナーも大盛況で「売る物が足りないよ」と嬉しい悲鳴。健康コーナーや額縁の実演、切り絵工作など多彩な出店にも人だかりが出来ました。

参加者からは「良かったよ。楽しかった」「来年もやってよ」と声が掛かり、実行委員会も大感激です。後日、実行委員会は、出店した地元商店に商工新聞を持って訪問し、一人の読者とビジネススクールへの参加を増やしました。

このページトップへ

税務署、不当な差押えを謝罪


津島民商は、3月25日に津島税務署に対して、不当な徴税について抗議と交渉を行いました。

以前の税務署交渉で「税金を払えないときは、納税者の実情に即して適切な対応をとる。早めに操舵してください。」と回答したのについて「今も変わっていない」事を確認した上で、「納税猶予の申請を許可せず、かつ分納で必死に払っている業者に対して、差押えが相次いでいるのはおかしいではないか」と講義しました。総務課長は「みなさんだけでなく、最近差押えに対する講義が多数よせられている」と発言し、津島税務署で異常な差押え処分が多発していることを認めました。「一千万を少し超える売上で、20万、30万の消費税が払えるわけがない。それでも必死に努力しているのが業者の実情だ」と訴えると総務課長は、「法律云々より人間の信頼関係が土台に無ければならない。悪質で誠意のない納税者ならともかく、努力している納税者にたしていきなり差し押さえるのはおかしいという指摘を受け止め、署内に伝えます。」と回答しました。

翌日、徴収部門の統括官から「分納で残高があと一回(約2万円)の方に対して、取引先の財産調査を行ったことについて謝罪します。」と電話がありました。これまでは「法律にのっとった行動で問題はない。」と開き直っていましたが、抗議行動と交渉の大きな成果です。

 

国保改善運動全国交流会に参加して

中川民商事務局長 中島 章

国保改善運動全国交流会に参加して

4月19、20日、京都市内で「国保改善運動全国交流会」が開かれました。後期高齢者医療制度への怒りが沸騰する新たな事態に対応した運動の強化が強調されました。特に、後期高齢者医療制度に「便乗して」国保料を引き上げようとする自治体があり、後期高齢者医療制度の廃止を国保料値上げ問題や払える保険料引き下げることとセットで運動することが強調されました。

また、資格証明書や短期保険証の発行が全国的に増えているが、収納率は横ばいです。加入世帯全員に正規の保険証を発行し、払える保険料にするために国の補助金を増やし、安心して医療を受けられる制度に改善する運動が提起されました。

 

愛青協花見

愛青協花見

愛青協は3月29日、鶴舞公園で花見を行い八名が参加しました。

肌寒い風が吹いていましたが、満開の桜の下で、商売の近況などを楽しく交流しました。

青年部の活動について「ビジネススクールに部員がたくさん参加して、青年部を元気にしたい。」「9月の全国業者青年交流会は、カンパも集めたくさんの人で参加しよう」など、多彩な意見がでました。


新城市でも小規模契約が実現

豊川民商が毎年要求していた「小規模契約希望者登録制度」が蒲郡・豊川市に続き新城市でも今年4月1日からスタートしました。

新城市の今回の制度は、平成15年10月から豊川民商が「小規模契約希望者登録制度」を創設するよう提案・要望をしてきたもので、名称も提案そのままで実現したものです、昨年10月の自治体交渉の時に担当部署は「電子入札」を強調し、『一昨年の市長回答と異なる回答だ』と詰め寄る場面もありました。すぐに実現できるとは思っていませんでしたが、やはり自治体への要望・交渉が大事だと認識しました。

制度の解説も蒲郡市で掲載された内容と類似しており、市民に対しては比較的親切・丁寧な文書になっています。民商では、新城の中小業者の多くが登録するよう運動していきます。

このページトップへ

歌うことがわたしの人生


メンバーズ志摩
田中 しげ子さん(47歳)
名古屋市中区栄4丁目20−15
美吉ビル3F
Tel 052-242-1168
田中 しげ子さん

歌いながら登下校

今月の好きです商売でご紹介するのは、演歌歌手として活動する一方、名古屋市中区でスナックカラオケ教室を営む田中 しげ子さん(47歳、中民商会員)です。

長崎県出身の田中さんは、小さい頃から歌を歌う事が大好きでした。「私の家は山の上の方にあって、小学校は毎日三キロの道のりを歩いて通っていました。毎日、友達と別れてから大きな声で歌いながら帰りました。歌うことが遊びでした。」と話します。

15歳で長崎から名古屋に来て、勤労学生として昼は繊維工場へ、夜は夜間高校へ通いました。「会社や地域で行事などがあると歌わせてもらいました。周りからも声がかっかるようになりました。たいへん嬉しかったです。」と話します。20歳をすぎて歌や司会の仕事が増えてきました。

24歳の頃、これまで独学で歌ってきた田中さんは、プロにレッスンを受けるために東京へ行き、修行の日々を過ごしました。「歌を通して、すばらしい人に出会いました。どんな仕事についても言えることですが、人間関係が一番大切ですね。」と言います。


歌の良さを伝えたくて

芸能活動を続けてきた田中さんは、29歳の時に中区錦でスナックを開業しました。その後一年ちょっとで今の店へ移動しました。「錦のお店は、人やお金の動きが大きくて今から考えると怖いくらいです。従業員やお客様との人間関係や資金繰りなどで毎日が苦労の連続でした。ここに来て、自分らしい店に出来きたと思います。歌と人の暖かさを感じてもらえればと思います。お店には歌が上手なお客様がたくさん集まります。プロも顔負けするようなお客様が何人もお店に来ます。

昼間は、文化センターなどのカラオケ教室で講師をやりながら芸能活動を続けている田中さん、10年前に「幸川 マキ」という芸名でCDデビューをしました。「地元の先生に作詞・作曲していただきました。ずっと歌を続けてきた事が形になって大変嬉しいです。」五年前に2枚目のCDを出して、2曲のオリジナル曲を中心に芸能活動を続けています。日本歌手協会の会員であり、最近では、アメリカまで演歌を伝えるため公演旅行に行ったり、4月20日には、尾張温泉で千昌夫さんと共演したりと活動の範囲も広がっています。


人のつながりをいかして

三つの仕事を忙しくこなす田中さんは、いろいろな所へ顔を出して人の輪を広げています。長崎県人会に行って歌を歌わせてもらったことがきっかけで県人会に入会し、今は役員もやっています。

民商は店を開業した時に入会しました。「税務調査を受けた時には大変心強かった」と話します。今は、婦人部長をやっています。「忙しいけど、多くの人と知り合いになれることは自分にとっても仕事にとってもプラスです。これからも人のつながりを広げていきたい」と話します。


 

シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第86回

ベトナムから愛知のものづくりを考える(1)

ベトナムから愛知のものづくりを考える

春休みに、ベトナム、フランスを調査しました。現在、日本ではベトナム人研修生問題があります。技能研修という目的から労働者扱いされず、多くのベトナム人が日本の「最低賃金」以下で働かされています。日本で、年収100万円以下で働いてもいいといえるベトナムはそんなに後進国なのでしょうか。そんな問題意識を持ちましたが、実際のベトナムは急速に経済発展していました。

ベトナムでは愛知から進出した中小企業の工場を中心に見学しました。労働集約的な工場から最先端の工場まであり、幅広いものづくりに驚かされました。ベトナムのものづくりの実態はどうなっているのか、「日本の中小業者はこれからどうものづくりを進めるのか」このことを考えたいと思います。


急速に経済発展するベトナム

ベトナムの人口は約8400万人で、年齢構成を見ると、ベトナム戦争の影響で、30歳未満の人口が6割となっています。日本の少子・高齢社会とは全く違います。公園だけでなく至る所で、若い男女のカップルが寄り添っていました。ベトナムは若いパワーがいっぱいで、これから成長する国だと実感できました。

北の首都ハノイ(314万人)では日本企業の自動車産業の集積ができつつあります。ベトナム最大の都市、南のホーチミン(旧サイゴン、589万人)では中小企業の進出が多くなっています。現在、ベトナムの日本企業の進出は、第二ブームで、世界各国のジェトロ(日本貿易振興協会)でも「ホーチミンへの訪問が一番多い」とのことでした。ベトナム戦争の関係もあり、アメリカはしばらくの間、ベトナムとの関係は冷え切っていましたが、1994年にアメリカが「対越経済制裁解除」を実施し、翌年にはアメリカと国交正常化を行いました。ベトナムの経済成長は90年代後半からはじまったと言ってもよいと思われます。2006年にアメリカの半導体大手インテルが10億米ドル、韓国鉄鋼メーカーのPOSCOが約11億ドルの投資、国別直接投資の多い国は、1位韓国、2位香港、3位が日本、約14億米ドルで日本の投資としては過去最高額です。


日本の和装産業を下支えするベトナム

ベトナムで着物の仕立てをするA社の第1、2工場を調査しました。「チャイナリスク」で中国からベトナムへ生産機能を大部分移管しています。ストライキ、人件費アップなど中国では、ものづくりが「しにくい」状況がでているようです。

全国から京都へ集められ、それから関西国際空港に運ばれ、ベトナムで反物から着物へ仕立てられるのです。ベトナム、中国で日本全体の「60〜70%が仕立てられているのでは」との回答、名古屋の呉服屋さんにこの話しをすると、「いやもっとあり、80%くらいでは」とのことでした。正確な数字はわかりませんが、成人式の振り袖姿のほとんどがベトナムで縫われていることだけは確かです。

第一工場では、針縫いは座っての労働でしたが、第二工場は、立ったままで仕事をしていました。普通着物の仕立ては一人でやるそうですが、すべてが分業化されていました。一人一人が、私は手の袖部分だけ、私は肩の部分だけなど、繰り返し同じ仕事をしているだけです。


日本―ベトナム一体型の経済構造か−空洞化を超えた先に−

東南アジア経済と日本をどう考えるか?です。日本人が着物を着るにはベトナム人の労働に頼らざるを得ない現実があります。この現実を素直に受け止める研究者は、中国・東アジア諸国と日本の分業構造は進化しており、日本と東南アジアを一体的に考えるというものです。

日本企業の海外進出による、国内産業の空洞化という一般的な批判だけでは理解が狭すぎます。空洞化というレベルを超えて、100%海外依存となり、ベトナム抜きで着物が語れなくなっているのです。中国餃子問題などで、日本農業の再生、食糧自給率の向上が言われていますが、食料だけでなく、様々なものが海外生産抜きには話ができない状況です。この現実を業者の皆さんはどう考えますか。


このページトップへ