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  愛知商工新聞
第175(2009年1月10日発行)
発行:愛知県商工団体連合会
〒456−0018 名古屋市熱田区新尾頭1丁目4番3号
Tel:(052)679-6911/Fax:(052)679-6912
目次
新春対談〜中小業者は地域と共同体〜まちに活気を豊かな文化〜
名古屋市交渉〜問答無用に差し押さえ〜公的融資の役割をはたせ〜
名古屋市長選挙に立候補〜推薦決議をあげる
無保険の子供を作るな〜全世帯に正規の保険証を
融資獲得運動学習会〜滞納あっても相談にのります
売上激減対策会議を開催〜第2弾 売上激減対策会議「建設関連」〜
好きです商売〜ベル着装教室とおしゃれさろんベル(鈴木 和子さん)
Dr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第93回

新春対談


加藤 三重子愛婦協会長(以下加藤)
今日はいろいろお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。中小業者はますます厳しい経営状況にあります。婦人部の会議でも飲食店にお客様が来ない。食べていけずパートを掛け持ちして生活しているなど、ギリギリの生活実態が出されます。そんな中で太田さんが名古屋市長への立候補を決意され、多くの女性が大変元気をもらいました。愛婦協では「まちのお米屋さんを市長に」を合い言葉に中小業者が元気なまちにと張り切っています。

太田 義郎会長(以下太田)
今日も近所の会員さんの鉄工所を訪ねたら、今まで忙しく仕事をしていたのに「急に仕事を切られた。この先どうなるかわからない」と言って、工場の中は静まりかえっていました。まちの中小業者の仕事が減れば、近所の喫茶店や飲み屋さんのお客も減り、小売店も売上が上がらない。まち全体に活気がなくなってきます。

中小業者は地域と共同体


加藤
プロフィールを拝見するといくつもの大学で、家族や地域経済の勉強をされていますね。

太田
はい。中小業者は、地域のまちと共同体だと思います。まちが元気にならなければそこで営業する中小業者も元気にならないと思います。高齢者や子供達が元気にまちに出てくることがその地域を活性化します。昔は商店や商店街がその役割を果たしていました。そして、その一番の要は家族団らんだと思います。最近では核家族化が進み、一人暮らしが増えました。家族の生活形態がバラバラになると、食生活も不規則になり、みんなで食事や買い物をするためにまちに出ることも減ってしまいます。まちの元気がなくなり、それを支えていた中小業者も元気がなくなっているのが現状ではないでしょうか。

まちに活気を豊かな文化


加藤
太田さんが市長になられたら、どんなまちにしたいとお考えですか。

太田
地域のコミュニティーを充実させたいと考えています。また、芸術や文化を豊かにしたい。大きな箱ものを一つつくるのではなくて、小さくて市民が気軽に集える場所を増やして、サークル活動などを活発に行えるようにしたい。また、演劇やコンサートなどを催し、市民が良い文化に触れる機会を増やしていきたいです。
また、福祉・教育では老人ホームを増やし、病院や保育園を営利目的の民営化ではなく、自治体の責任で増やしていく。名古屋市政の窓口である区役所や保健所の分室をつくって、歩いて行ける場所で相談や手続きできるようにしたいです。

中小業者の仕事がふえる


加藤
そうなれば人がまちに出て活気き、中小業者の仕事が増えますね。

太田
そうです。地域に根ざした施設なら中小業者にできる仕事が増えます。大きなビルやダム建設、空港などでは、中小業者に仕事はきません。その他でも学校など、既存施設の改修工事など市民生活に密着した事業提案をしていきたいと考えています。

加藤
私たちの生活に直接関わる福祉や医療について聞かせてください。

太田
国保の資格証明書の発行問題は最たるもので、医者にかかれない人が増えています。市立の病院を民営化する議論もありますが私は反対です。誰もが安心して医者に掛かれるようにし、健康な生活を保障する事は自治体の大きな役目だと思います。また、妊婦が病院をたらい回しにされる事例が全国で発生していますが、妊娠してから出産まで14回の健診をすべてを無料にすべきだと考えています。少子化な時代ですから、子育てや教育の予算を充実させたいと考えています。

市民の本位の環境施策


加藤
中小業者は、事業ゴミ収集が有料化され、年間の負担は相当なものです。環境問題について、どうお考えですか。

太田
ゴミ問題は深刻だと思います。今の流れでは一般家庭ゴミも有料化になりかねない。環境問題は地球規模の問題でもありますが、市民や中小業者、農業、専門家などの意見をよく聞いてみんなが納得できる対策をたてたいと考えます。また、大型マンションやビル建設が進む中、まちの緑化率を高めたいと思います。公園や散歩道、河川の浄化などまちづくりとあわせて環境をよくする施策を充実させたいと思います。

人にやさしいまちづくり


加藤
最後に女性の立場からの要望ですが、男女共同参画をすすめてほしいと思います。

太田
業者の立場では所得税法五六条を廃止してほしいという長年の運動があります。男女平等、差別のない社会というのは憲法に保障されています。人権の問題だと思います。女性や高齢者、子供、障害者など弱い立場の人達をないがしろにする社会ではいけないと思います。私は、誰もが人間としての幸せな生活を保障される市政を実現したい。温かい心の通う行政にしたいと思います。

加藤
いろいろな分野のお話をお聞かせいただき、本日は大変ありがとうございました。

太田
こちらこそありがとうございました。

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名古屋市交渉

12月12日に名古屋市交渉が行われ、名古屋市内のすべての民商から65名が参加しました。日本共産党名古屋市議団も全員が同席しました。

太田会長は「中小業者は厳しい経営状況の中、みんなで力をあわせて乗り越えようと必死で頑張っている。今日は営業や生活のあらゆる要求をきいて、実行してほしう。」と挨拶をしました。


問答無用に差し押さえ

名古屋市交渉

交渉は、59項目の要望への回答をもとに地方税、金融、社会保障、地域政策について現状の告発と質問を行いました。

地方税について、板平副会長は、「今の名古屋市は、日本国憲法を遵守しているとは思えない。税金が払いたくても払うお金がない。そうした現状をどう見ているのか。減免制度を知らせていないのではないか。」と指摘しました。中村民商のコンピューター関係の会員は、「区役所に納付相談に行った時、二人の職員が減免制度はないと偽りの回答をしました。三人目で減免制度はあると言ったが何ら説明はなかった。毎月分納で納めていたが、担当者が変り、突然、連絡もなしに取引先調査をした。抗議に行くと、年内に収まるよう月々の金額を引き上げよと言われました。」と発言しました。これに対し、財政局の課長は、「担当者が変わって対応が変わることはない。打ち切って処分することはない。」と言いましたが、会員は「担当者は『相談する必要はない、差し押さえします。』と一方的に言われた」と追求すると、課長はあいまいな返答を繰り返し、参加者から「あまりにひどい。すぐに指導し改めよ。」と怒りの声が次々とあがり「年内に事実を確認します」と回答させました。


公的融資の役割をはたせ

名古屋市交渉

融資制度については、「市の職員は、制度融資や緊急保証の認定について親身な相談にのるべき。」「保証協会が保証しても、金融機関が融資を拒否する事例が増えている。緊急融資や制度融資の主旨を金融機関にも徹底してほしい。」「愛知県の他の自治体がやっているように保証料の補助や利子補給をやるべき」など次々に不当事例と要望が出されました。


全世帯に正規の保険証を

国保の問題について、天白民商の会員が「税務調査で増額した保険料の為に、毎月分割納付しているが滞納扱いで一ヶ月の短期保険証を交付されている。徴収員が毎月来るが、徴収に来るまでは無保険。税金や国保料のために働いている。毎月真面目に払っているのだから正規の保険証を出してほしい。」と訴えると、参加者から拍手がおこりました。しかし職員は、毎月約束通り支払っている市民にも滞納があれば短期保険証を交付する考えを改めませんでした。

参加者は、「どの問題についても、職員の対応はひどすぎる。中小業者の現状を全く理解していない。」「自治体本来の住民の安全と生活を守るという本文を忘れている。」と感想を話していました。


名古屋市長選挙に立候補

名古屋市長選挙に立候補

太田義郎愛商連会長は、「名古屋の市政をなんとしても変革して、革新市政を復活させる先頭に立ちたい」と11月29日に来春の名古屋市長選挙に立候補することを表明しました。

愛商連は12月1日に臨時常任理事会を開催し 太田さんの「米穀店経営46年、市民のくらしの目線で市政を見続けてきました。松原市政は大型開発、ムダな投資ばかりで、市民の生活(子育て・医療・国保・介護)をいじめています。「日本一の福祉」とうたわれた本山市政12年「もう一度名古屋に」の思いでいっぱいです。お年寄り、子どもやお母さん、中小業者が元気な町を実現したいと思います。」との決意を受け、「太田会長を推薦し、愛商連上げて奮闘する」ことを全会一致で決議しました。

また、12月2日に名古屋革新市政の会は臨時総会を開き「太田義郎愛商連会長」を名古屋市長選挙候補として推薦し奮闘することを決定しました。


推薦決議をあげる

これを受けて各民商は、常任理事会や支部役員会、共済・婦人部で推薦決議をあげています。市長選挙の話になると「中小業者の窮状を救う大きな光だ。がんばろう」、「中区錦の居酒屋が年末にかけて40件も店を閉めるといっている。太田さんに市長になってもらって、今の状況を変えたい。」と話しています。



無保険の子供を作るな

国民健康保険料(税)の滞納で保険証を取り上げられている子どもが全国33000人、愛知県内で12市町178世帯279人の子どもが、資格証明書(窓口で全額負担)発行になっています。その中でも名古屋市が突出して100世帯151人の子どもに発行していることが明らかになりました。

そこで、愛商連が団体加盟する「名古屋の国保と高齢者医療をよくする市民の会」「愛知県社会保障推進協議会」は、11月26日に、「(1)国保の資格証明書の発行はおこなわず、加入者すべてに正規の保険証を発行して下さい。(2)なかでも、中学生以下の子どもにたいしては、直ちに正規の保険証を交付して下さい。」との要望書を持って十六行政区の区長に申し入れ行動をおこない、市内各民商からも多数が参加しました。


全世帯に正規の保険証を

申し入れで明らかになったことは、国の通知に基づき11月18日対象者に「特別相談案内」を送り対応していることでした。しかし、その後の対応は、役所の窓口に相談に来て、保険料の支払いの約束をした方に、1ヶ月の短期保険証を発行するという冷たいものです。

参加者からは「郵便だけでなく、電話や訪問などで親身な対応をするべきだ」「払いたくても払えなくて困っている市民が、通知が来たからと区役所に来れない。無条件で保険証を発行するべきだ。」「1ヶ月の保険証は短すぎる。子供には正規の保険証を交付すべき」など多くの要望がでました。

全国的には、国は、世帯単位で保険証を交付するよう指導していますが、自治体の独自の救済策が広がり、都道府県庁所在地と政令市の四四市のうち13市が無保険解消を図り、横浜市、千葉市など7市が一律交付へむけて検討しています。国の通知の範囲にとどまっているのは、名古屋市など六市のみとなっています。

申し入れでは、区ごとに考え方の違いも明らかになっています。引き続き憲法25条に基づき、すべての子どもが医療を受けられるよう正規の保険証の発行をするよう取り組みをすすめていきましょう。


融資獲得運動学習会

融資獲得運動学習会

愛商連は、12月5日(金)に「融資獲得運動学習会」を開催し、10民商、16名が参加しました。

久野愛商連金融対策部長のあいさつのあと、米国金融危機に端を発した金融不安のもと、中小業者の厳しい経営実態での10月31日から始まった「緊急保証制度」を融資獲得運動の方向で学習しました。

学習の中で、「借りても返せない」「借りたいけど断られる」という会員も多いが、この不況は、中小業者や一個人が悪いわけではなく、国の政策的な誤りの結果です。資金が必要な人、みんなが申込み、仲間の知恵と力で融資獲得運動をすすめよう。今回の緊急融資の業種拡大も要件緩和も民商・全商連の運動の成果です。困難な事案は班・支部を基礎に話し合って突破しよう」と、11月に行った県保証協会、金融機関との懇談の成果を含めた話をしました。

参加者からは、「例年より融資の相談が多い。みんなが困難を抱えている。認定を取って、申し込みたい。」「会外からの相談は、銀行に行ったら、断られた人が多く。大量宣伝もしたい。」「税金の滞納のある人が申し込んだら断られた。粘り強く交渉したい。」「指定業種が増えたが、会員が指定業種に入っていなくて困った。今の状況は全業種を対象にするべきだ」などの発言がありました。


12月4日、尾張ブロック四民商(一宮、稲沢、津島、尾北)は、愛知県信用保証協会の職員を講師に「融資制度説明会」を開催し、会員・役員・事務局二五名が参加しました。

県保証協会総合相談室長市川氏は、10月31日から始まった緊急保証制度などについて説明し、「渋滞からあったセーフティーネット保証から、対象業種が大幅に拡大し、売上(または利益率)の減少要件も緩和されました。また返済は最長10年になり、既往債務の借換もできるので、返済額が同じで追加融資が申し込めます。また、7年以内なら県の制度融資が活用できるので利息は1.5〜1.7%です。」と話しました。


滞納あっても相談にのります

その後の質疑応答で、参加者が「税金の滞納がある業者は申込みできますか?」と訪ねると、「滞納者は原則保証できません。」と応えましたが、「消費税や源泉所得税は、要件に入っていない。」との声に「税務署は滞納者に容赦なく売掛金などを差押えしている。そうなると事業が継続できなくなるので、信用不安という点から難しい。」と税務署の無法な徴収が金融にも及んでいることが明らかになりました。その後の討論の中で、「納税すれば運転資金を不足するような場合には、納税を前提に申込や審査をする事はできるので、相談してください。」と回答しました。

借換についても「責任共有制度対象外の保証付き融資は借り換えできます。今の現状では、毎月の返済を減らすことが資金繰りでは一番大切だと思うので、新たな融資とあわせて返済計画も相談下さい。」と話しました。

さらに「認定手続きも徐々に簡素化されてきて、発行までの日数が短縮しています。また、業種についても今後も拡大していくと聞いています。」とはなしました。


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売上激減対策会議を開催


中川民商では、金属やその他の製造加工や建設業の仕事が、お盆過ぎから激減をしている話が、あちこちでだされるようになってきました。

11月14日に金属加工の対策会議を行い17人が参加しました。会長から対策会議を計画した経過報告をしました。次に、自己紹介と仕事の状況を報告してもらいました。「5月から金型の仕事がなく、部品加工の仕事をやっている。時間三〇〇〇円を二〇〇〇円にしないと仕事が取れない。11月からの仕事がない。くず鉄は、10分の1に値下げになった。従業員の給料は借りて払っている。会員さんの紹介で仕事をもらい助かっています。」「9月から仕事の量が3分の1に減り、支払いに困ったので、リース会社と交渉して支払い条件の変更を考えている。1人で頑張るだけではダメな状況ではないか。民商の運動に期待しています。」「仕事が減っているが、従業員がいるし、借り入れもあるのでやめるわけにも行かない。先行きが不安です。」「10月から仕事が減り、年内はあるが、来年の仕事がない。」「どんな仕事でもやるようにしている。一度断ると仕事が来なくなる」「独立して7年目、仕事が減っているが、今が頑張り時だと思っている。」などの発言がありました。Aさんは、「1000分の1の精度の仕事があるがどうやって精度を出すか。検査器具を親会社と同じにしないと誤差が出るし、通常の設備では無狸なのではないか。そんな精度が本当に必要なのかとおもうが、来た仕事は何でもやろうと思うと無理があるので、ネットワークが必要だと思うがつくれないだろうか。」との提案もされました。早速、参加者に、事業所紹介力ード(屋号・氏名・住所、機械・設備、主な仕事)を記入してもらい、参加者に配ることにしました。

この会議を機会に、今後集まって話し合ってはどうだろうという提案に、来年の1月に話し合いの揚を設けることになりました。会議終了後も、仕事の情報交換が積極的にされていました。


第2弾 売上激減対策会議「建設関連」

中川民商は、11月19日(水)午後七時30分から民商事務所で建設関連の「売上激減対策会議」を行い7人が参加し、意見交流をしました。建築塗装業の中村さんは、開業間もないころ、「下請けの仕事だけでは先が見えない」と思い、営業にカを入れ、「売上の8割が元請の仕事になりました」「お客の要望には、どんなことでも応じる姿勢で信頼を得てきました。」「自分ではできない仕事でも民商には様々な業者がいて、ネットワークを作っていて、お客さんからの要望を何でも聞いて相談できる」「紹介した業者からは、仕事が増えた」と喜んでもらえ、「中村さんに相談したら、と紹介もされている。」と仕事確保と信頼の相乗効果が生き生きと語られました。 電気工事業の中村さんは工事現揚の架設工事業、新たな取引き先を確保するにはどうするか今後検討することになりました。パーティション工事の井上さんは、仕事先を確保していきたいと「今後は営業もできるように努力していきたい」と感想が出されました。最後に名刺交換を行い、今後も、交流していこうと話し合いました。


物件等受注希望者登録で集団申請

稲沢民商では、11月20日に稲沢市の「物件等受注希望者登録制度」に集団申請を行いました。商工新聞読者をふくむ三名の参加者全員が、申請書と取扱品目、住民税の納税証明書などを提出し申請しました。「現在百二十名が登録しています。今年四月から全紙入札制度となりましたが、出来ない方もみえるので広報にも『電子申請できない方はご相談下さい』と掲載しました。」と話していました。

参加者は、「商工新聞のチラシをみて今日参加した。同業組合のよりあいでチラシを見せたが、みんな知らないと言っていた。」と話していました。服部会長は「われわれが要求してつくった制度です。この不況で仕事が少なくなる中、この制度を多くの会員・読者が活用できるようにしていきたい。」と話していました。



好きです商売


ベル着装教室と
おしゃれさろんベル
鈴木 和子さん
名古屋市緑区六田1丁目256
Tel 052-621-8667
鈴木 和子さん

誰もが日本の文化に親しみを

今月の好きです商売は、緑区で着装教室と美容室を開いている鈴木和子さん(みどり豊明民商会員)を紹介します。

お店の屋号は、「ベル着装教室とおしゃれさろんベル」といいます。

鈴木さんの年代は、集団就職の始まりでした。小さいときから人の頭を触るのが好きで中学卒業のとき、一流の美容師になろうと美容院に勤め始めました。結婚して娘が生まれ、「子供がいて、一人前に仕事ができない従業員と言われたくない」と思い、「一生懸命に働きました。」先生の代わりに花嫁作りに行くこともしばしばでした。独立開業のとき、ご主人に反対されましたが、娘を背中に負ぶって頑張る姿を見ていたご主人は、「根負けした。協力するよ」と言ってくれたそうです。「開業は誰でもできる。ずーと続けるのがむつかしい。自分の好きな仕事がやれること、願ったことがやれ、今も続けられることが嬉しい」と話します。


ハンディを乗り越える

芸能活動を続けてきた田中さんは、29歳の時に中区錦でスナックを開業しました。その後一年ちょっとで今の店へ移動しました。「錦のお店は、人やお金の動きが大きくて今から考えると怖いくらいです。従業員やお客様との人間関係や資金繰りなどで毎日が苦労の連続でした。ここに来て、自分らしい店に出来きたと思います。歌と人の暖かさを感じてもらえればと思います。お店には歌が上手なお客様がたくさん集まります。プロも顔負けするようなお客様が何人もお店に来ます。

昼間は、文化センターなどのカラオケ教室で講師をやりながら芸能活動を続けている田中さん、10年前に「幸川 マキ」という芸名でCDデビューをしました。「地元の先生に作詞・作曲していただきました。ずっと歌を続けてきた事が形になって大変嬉しいです。」五年前に2枚目のCDを出して、2曲のオリジナル曲を中心に芸能活動を続けています。日本歌手協会の会員であり、最近では、アメリカまで演歌を伝えるため公演旅行に行ったり、4月20日には、尾張温泉で千昌夫さんと共演したりと活動の範囲も広がっています。


人のつながりをいかして

「着物は日本の文化」と話す鈴木さんは、「どんなハンディのある人でも着物を着せてあげたい」と「ヘルパー2級、視覚障害者移動介護ガイドヘルパー、精神障害者ホームヘルパー、認知症疑似体験インストラクター、ハートフル美容師認定証」などの資格を取得して、「安心して着付けができるように技術を身につけました。ハンディのある娘に晴れ着を着せて写真を撮りたい」との依頼に、写真屋さんに行って、素早く着付け、記念写真を取ったら、あまりの速さに親御さんもビックリしたそうです。20年間、先生について「指導者のしかたを見てきて、今の指導に生かしています。「教室に来ていただく生徒さんは、大切なお金を払って来ていただいている。ひとつのことができるようにしてあげたい。楽しくないと覚えられない。だから、最初に叱って、注意して最後にひとつほめることにしています。一生懸命に教えて、卒業のとき一緒に泣こうよね。」と「今の子は、畳を知らない。足袋を見たこともない。裁縫道具もない。そんな生徒を教えていて、苦労の多い生徒ほどかわいい。生徒の成長が何よりも嬉しい。今の仕事をやっていてよかったと思うときです。」と話します。「これからは、娘に仕事を引継いで行ってもらいたい。でも、押し付けはしたくない」と今後の夢を話してくれました。

 

シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第94回

世界経済不況の中で営業と暮らしを前に進めるために―コルマールの地から―

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。世界経済が大変動の中、私はフランスの地方都市コルマール(Colmar)から、冷静に外(海外)からなか(日本経済)を見たいと思っています。去年の年末、街はクリスマス市で大賑わいだったのですが、とりわけ、旅行者で多いのが高齢者の方々でした。高齢者が大事されていると実感でき、日本の「後期高齢者」医療制度とは、まったく違う世界が目の前にありました。「どちらが当たり前の世界なのか」と思います。

去年のビッグニュースは、太田会長の名古屋市長選挙立候補です。中小業者の営業と暮らしを前に進める絶好のチャンスがやってきました。名古屋市の中小企業予算は巨額であり、使い方を変えるだけで、中小・零細企業がいきいきできるのです。

世界経済不況の中、国・地方自治体が様々な政策を実践することで、「不況からの脱出」をはかろうとしています。国レベルで見ると、イギリスでは、消費税の引き下げを行っています。日本でも、大分県町で契約を打ち切られた派遣労働者を臨時職員として雇用するなど、様々な取り組みが行われています。愛知県、名古屋市でも、地方自治体としてやろうと思えばできるのです。地域経済を豊かにすることが、不況脱出の最も有効な方法です。今から、太田さんにどんどん注目発言してもらい、「中日新聞」をリードし、名古屋市民の共感を得ることが大切です。


循環型地域経済の構築が基本

自動車産業が主要な位置を占めていますが、この産業は典型的な移出型構造です。なか(愛知)で作ったものを外(国内外)に出していくからです。だから、今回のように、国外であるアメリカ経済が危機的になると、輸出不振、ドルが弱くなりすぐに円高で利益が激減、地域経済不況(自動車産業が主要な位置を占める)のトリプルパンチが即ストレートにでてきます。

いつまでも、この構造に振り回されるのか、それとも、徐々に新しい持続成長可能な経済構造への転換を図っていくのかが問われています。それには、「外からなか」への「おもてなし」構造を構築していく必要があります。このことを実践するために、重要なのが、持続的に成長できる環境対応型地域経済循環です。

コルマールのあるアルザスは、農業が盛んでワインが有名です。私の住んでいる所から少し行けば、アルザスワイン街道が170kmあり、その周りに延々と、広大なブドウ畑があります。車で走ると、日本のように減反政策などで放置された、農地は見かけられません。農地・農業を大事にしている地域だなと思います。

フランスではAOC(APPELLATION 原産地名 CONTROLEE)という原産地呼称統制があり、製品の品質と原産地がほんものであることが保証されているので、ここで収穫されたブドウがアルザスワインとなります。(ボルドーなどでは、それにシャトー元詰めなどが書かれています。)ボルドーやブルゴーニュでは、畑の名前がワインの名称となっていますが、ここでは、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリなどのブドウの品種がワインの名称となっています。スーパーに行けば、ワインの巨大なコーナーがあり、そこに、地元ワインが一番たくさん置かれ、一番多く飲まれています。

偽装食品問題で、食料自給率の向上・地域農業の再生が言われていますが、ここでは、地元のブドウ畑で収穫されたものでワインを生産し、地元の人がそれを飲む姿があり、まさに農業―製造業―小売業―消費者を結ぶ地域経済循環です。日本では11月第3木曜日が、「ボージョレ・ヌーヴォー」の発売を祝う日ですが、ここではそんな風景はありません。


大いに循環型政策を提案していこう

地域循環型は、共生型経済構造であり、自分だけではなく、相互に支えあう関係が目の見える範囲でできあがります。こうした経済構造は、競争、競争入札でもなく、アメリカ経済の危機にも影響されないのです。地元業者への官公需の発注、学校給食への納入、小規模工事・リフォームなど地方自治体が採用できる政策があります。学校給食を例にすると、地元農家、地元の八百屋、米屋などから食材を調達することで、一定の仕事量が確保でき、大規模ショッピングモールに苦戦しながらも八百屋の営業基盤ができます。先の見えない経済危機のなかで、中小業者の皆さん、自らの営業を進めるための政策をどんどん、だしていくことが、重要です。


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