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  愛知商工新聞
第178(2009年4月10日発行)
発行:愛知県商工団体連合会
〒456−0018 名古屋市熱田区新尾頭1丁目4番3号
Tel:(052)679-6911/Fax:(052)679-6912
目次
中小業者支援〜経済回復の要
中小業者、市民のくらしを守ろう〜愛婦協副議長 斎藤 みちよ
重税反対統一行動
なくせ貧困集会
税金の差押えを解除〜昭和瑞穂民商
住民の生活守る行政を〜中村区役所と交渉
「融資を受けて商売を続けよう〜春日井民商 「緊急融資」学習会
「仕事激減対策、生活困窮打開緊急相談室」を設置しました
好きです商売〜三和溶接(車いす製造) 村上 悟志さん(34歳)
Dr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第97回

中小業者支援〜経済回復の要

愛知は、日本一製造業者が多い県です。昨年の経済危機で、大企業は相次いで減産を行い、大量のリストラと中小業者への仕事を減らしています。

中小零細の製造業者は、売上の半減〜9割減が続出しています。また、飲食業などはサラリーマンなどのお客の激減で経営は困難を極めています。

大企業は、それまで史上最大の利益をあげていました。それは、安い労働力である派遣社員を酷使し、中小業者には低単価と短納期を押しつけた結果でした。不況になれば真っ先に一番弱い中小業者と労働者を切り捨てる事は社会的道理に反します。国や自治体は大企業に社会的責任を果たさせるべきです。憲法で保証された「健康で文化的な最低限の生活」を保証することは国と自治体の任務です。


中小業者支援〜経済回復の要

昨年10月に緊急保証制度が出来ました。私たちの運動が実り指定業者が増え、借入要件も緩和されました。しかし、売上の激減や将来への展望が見えないことから、申し込んでも断られる事例が多数あります。中小業者は様々な技術で地域経済に貢献してきました。不況で将来が見えないときだからこそてきた中小業者を支援し、地域経済を支え、市民本位の本当の経済対策が出来ます。


国会へデモ行進署名届ける

国保料(税)は毎年値上げをしています。名古屋市国保も2008年に一人平均7000円を値上げし、2009年も5000円の負担増を押しつけようとしています。一般財源からの繰入金を減らし、保険料の未納分まで、加入者に負担させています。所得が250万の中小業者は、所得が同じサラリーマンと比べて約2倍の負担をしています。(グラフ1)

売上が激減している中小業者に更なる負担を求めています。家族の健康を考えるのは誰でも同じ。しかし、高すぎる保険料が払えない市民が2割の現状が続いています。国保料の負担は、毎年増えています。


激増する資格証明書発行

また、保険料が払えない市民から「保険証」を取り上げ、「資格証明書」を発行しています。名古屋市は2005年から資格証明書の発行が急増(グラフ2)資格証明書は窓口で医療費を全額負担します。これでは医者にかかれません。

その他にも、後期高齢者医療保険制度導入による負担増、公立保育園の廃園や民営化など、名古屋市政は福祉を次々に切り捨てています。


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中小業者、市民のくらしを守ろう

愛婦協副議長 斎藤 みちよ

重税反対統一行動で、民商婦人部は、署名と要求カードを持って、対話活動を行いました。年に一度しか会えない人や久しぶりに顔を見る人もいました。「商売どう、仕事はどうですか?」「その後、元気で変わりない?」の声をかけると、いろんな思いが伝わってきました。

市民が困窮でも大企業支援

「家族3人とバイト1人で年中無休でやっているが、消費税を必死になって払っている。これ以上、税率が上げられたら商売はやれない」(カラオケ業)。「65才の母が2年前から頭の中に腫瘍が出来て、病名がわからなく保険が効かず月10万も払っている。どうしたら良いか困っている」(美容)わずかな時間で税務署の横で申告書の提出の順番を待つ間も、芋こじのような中で話をしましたが、誰もが仕事やくらし、家族の健康などの不安を抱えていて、困難がみちている事を実感しました。

こんなに市民が苦しんでいるのに、「あの名古屋駅前の巨大ビルは、一体何なのか。」と怒りを覚える。私たちの身を削るおもいで払った税金が、あのビルに何十億円も使われている。その一方で、保育園を民営化し、学校等の耐震・改修工事は不十分、住宅への住宅耐震工事の助成金も中止しました。


市民の暮らし守る市政に

高すぎる国保料は更に値上げされ、大変な負担になっている。国保料が払えない人には、問答無用に短期保険証や資格証明書を発行している。払えない人ほど生活に困り、早朝や夜中のアルバイトなどで心身ともに健康を害している人が多い。「大企業を援助するのではなく、困っている市民を救う市政に変えなくては」と強く思います。


福祉日本一の名古屋を再び

地方自治体の役目は、市民が安心して暮らせるまちをつくることです。地域経済が活性化し、教育や福祉や医療が充実してこそ、そこに住む市民は豊かな生活を送ることが出来ます。国や大企業ではなく、市民の声が届く市政にしたい。かつての福祉日本一をほこった名古屋をとり戻したい。みなさんで一緒に変えましょう。


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重税反対統一行動

今年で40回目を迎える3.13重罪反対全国統一行動が県内26カ所で集会やデモ行われ、総勢四300名が参加しました。この間の控除の縮小による増税や社会保障の負担増などで国民的な怒りが増している中、民商だけでなく、労働組合や年金者組合、新婦人など地域の民主団体の参加が増えています。

3・13重税反対愛知県実行委員会と名古屋国税局交渉

重税反対統一行動

3.13重税反対全国統一行動愛知県実行委員会の懇談会は、13日に愛知県産業貿易館で開かれ、八団体から19人が参加しました。太田よしろう名古屋市長候補もあいさつしました。懇談では、「高齢者には高年者控除の廃止や後期高齢者医療制度導入など相次ぐ負担増で、タダでさえ少ない年金から保険料や税金が差し引かれ生活していけない。」「民商と労働組合で港区の中小企業を訪問した。大企業は人権無視の人減らしをしているが、中小業者は仕事激減の中でも必死に雇用を守っていることがよくわかった」などの発言がありました。

その後は小雨の中、中区集会の参加者と一緒に、三の丸地域をデモ行進し、中税務署まで元気良く行進しました。その後、愛知県実行委員会として愛商連、愛労連、年金者組合、名古屋市職労、愛商連の代表が名古屋国税局と交渉を行いました。


雨中で300名が行動海部津島地区集会

海部津島地区集会は、あいにくの雨のなかでしたが、会館に300名が集まり熱気ある集会になりました。冒頭で戸田津島民商会長は「本当に業者にとって厳しい時代になりました。荷物が所狭しと積んであった会員さんの工場でも、今は閑散としている。そんな話があちこちで聞かれる。こんな時代だから駄目だと下を向いていても何も変わらない。お互いに元気を出して頑張りましょう。」とあいさつしました。納税猶予の裁判を担当している弁護士は納税猶予裁判の意義を訴え「なんとしても裁判に勝利して期待に応えたい」と発言しました。


悪政の怒り拍手喝采

民商婦人部と新日本婦人の会が「白波五人女」

その後、民商婦人部と新日本婦人の会が「白波五人女」を演じ、消費税増税・米軍の基地移転費用の国民への押しつけ、年金や後期高齢者医療制度の改悪、金権腐敗政治、政党助成金などの悪政をバッサバッサ切り捨て、怒りを爆発させると会場は大ウケで、大きな拍手と喝采であふれました。


消費税増税とんでもない

鬼頭税対部長は「所得税がゼロなのに消費税を何十万円も払わないと行けない人がたくさんいる。消費税をなくさないと商売がやっていけない事は明確です。それなのに、消費税を上げると言っている。こんな政治は許せません。こんなおかしな税金ですから、払えないことが恥ずかしいことではありません。黙っていても良いことはありません。みなさん一緒に闘いましょう。」と訴えました。

本降りの雨の中でしたが、集会の後は津島税務署までデモ行進を行い、税務署前では決議文を読み上げて「消費税増税はやめろ」「税金は福祉や教育に使え」と元気よくシュプレヒコールを行い、集団申告をしました。


今年も納税猶予の集団申請

津島民商では、ここ数年払いたくても払えない税金の「納税の猶予」の集団申請を行いました。3月17日に対策会議を開催し、相談者10名が参加しました。今年初めて申請する建設業者は「売上が激減し、所得税がゼロになった。しかし、消費税は今年初めての申告で、申告書を作成したらビックリしました。とても一度では払えない。猶予を認めてほしい」、最近入会した会員は「これまで何度も税務署から督促を受け、『払えなければ差押えする』と言われるだけで、『納税の猶予』の話は聞いたことがない。認めてもらえるように頑張る」と話しています。


今年も納税猶予の集団申請

津島民商では、ここ数年払いたくても払えない税金の「納税の猶予」の集団申請を行いました。3月17日に対策会議を開催し、相談者10名が参加しました。今年初めて申請する建設業者は「売上が激減し、所得税がゼロになった。しかし、消費税は今年初めての申告で、申告書を作成したらビックリしました。とても一度では払えない。猶予を認めてほしい」、最近入会した会員は「これまで何度も税務署から督促を受け、『払えなければ差押えする』と言われるだけで、『納税の猶予』の話は聞いたことがない。認めてもらえるように頑張る」と話しています。



「増税は許せない」と600名でデモと集会

尾北・小牧・春日井地区集会

尾北・小牧・春日井地区集会には、民商会員や年金者組合、新婦人、生健会など600名が集まりました。集合場所である名鉄小牧駅に、尾北や春日井からはバスを連ねて集まりました。あいにくの雨模様でしたが、傘をさしてデモ行進と集会を行いました。


プラカードで要求訴える

参加者は「消費税増税反対」や「国保を引き下げよ」などのプラカードやのぼり旗、横断幕をもって、シュプレヒコールを行いながら元気にデモ行進を行いました。集会では、近田小牧民商会長が今年40回目を迎える統一行動の意義については報告し、「消費税増税反対、中小業者・国民の声が反映させる政治を実現させるためにともに奮闘する」という決議文を全員で確認しました。税務署では集会決議文を読み上げ、年金者組合が「消費税の引き下げを求める請願書」を提出しました。


宣伝行動で共感と激励名古屋南部地区集会

熱田税務所管内(熱田区、南区、緑区)の民商と民主団体が集まり、名古屋南部地区集会が行われました。


強引な徴収改善もとめる

集会に先立ち午前中には、代表団15名が熱田民商と交渉しました。交渉では、「国会で先日付小切手を強要しないと言っているが、納税者に対して強引な徴収が行われている。小切手を切っていて、売上の激減で相談に行ったが相手にされなかった。」と抗議すると「あらためて実情をよく聞いて相談にのります。」と徴収課長は回答しました。他にも、税務調査において、録音や録画することを認めること、退職署員の顧問先への斡旋をやめることなどを強く要望しました。


納税者は誰もが不満

税務署交渉と同じ時間に、イオン熱田で行われている「確定申告相談会場」まえで、申告相談に訪れている納税者と税務署員にむけて宣伝行動を行いました。消費税増税や人権無視の徴収などを訴えると、申告を終えて出てきた納税者から「そのとおりだ」「がんばれ」と応援のかけ声が掛かりました。

午後からの集会には、300名が集まり、午前中に行った情勢や税務署交渉の報告などが行われました。集会の後のデモ行進では、傘をさしながら税務署までデモ行進を行いました。



なくせ貧困集会

なくせ貧困集会

3月15日に名古屋市中区栄で、愛商連や愛労連など4団体の主催で「なくせ貧困、生活危機突破!名古屋市長選挙勝利で政治の転換を」と題して集会を開催、民商・愛商連から150名、全体で1500名が参加しました。


たたかいで政治を転換

愛労連羽根議長は「私達の運動で、政治が変わる歴史的転換期を迎えている。派遣切りされた人が労働組合を結成して大企業とたたかい、保育園の民営化反対の運動や後期高齢者医療制度廃止をめざす運動が大きく広がっている。」とあいさつしました。

その後、派遣切りとたたかう青年ユニオンや愛知派遣村の実行委員長が、「反貧困、生活危機突破で一緒に闘おう」と決意表明しました。


大型公共事業より市民の福祉と生活

太田よしろう名古屋市長選挙予定候補者(愛商連会長)は、青年と自転車に乗って元気に登場し、「中村区役所には連日、住居と職をもとめて100人もの人が相談に来ている。職員も市民ボランティアも必死に対応している。こんな時なのに、名古屋市政は、名古屋城本丸御殿建設など不要不急の4大プロジェクトに1000億円を使う一方で、国保料の値上げ、保育園の民営化など福祉や教育の予算を削っている。政治を転換すれば、市民の福祉や教育、生活は良くなる。みなさん、名古屋を変え、愛知を変え、日本を変えよう」と訴えました。参加者は「なくせ貧困」の札を高く掲げ、訴えに元気よく応えていました。

集会の後はデモ行進を行い、「消費税をあげるな」「大企業は派遣切りをやめろ」と休日の買い物を楽しむ人に訴えました。


税金の差押えを解除

昭和瑞穂民商

税金の差押えを解除

昭和税務署に売掛金が差し押さえされた派遣業の業者が、昭和瑞穂民商に来所しました。話を聞いてみると「滞納額は382万円、毎月10万円の分納の約束をしていたが、期日までに払えなかったので売掛金92万円の差押え通知がきた。」との事でした。「売掛金のほとんどが人件費です。従業員の生活もあるので、なんとしても取り戻したい。」と話します。期日が迫っていたため、一度差押えをされたものの解除は難しい状況でしたが、「座して死を待つわけにはいかない」と翌日に税務署へ行き交渉しました。初めは解除を渋っていた税務署でしたが、必死に訴えること2時間、出てきたAさんは満面の笑顔で「ありがとうございました。解除できました。」と言いました。Aさんの「なんとしても取り戻したい。解除してくれるまでここを動かない。」と、民商の組織と運動で勝ち取った勝利でした。


住民の生活守る行政を

中村区役所と交渉

2月13日に中村区内の民主団体・民商と共産党で中村区役所と交渉を行いました。


全国に注目中村区の対応

参加者は「マスコミを通じて全国に中村区が紹介されている『派遣切り・解雇に伴う、生活保護や就労援助について』の現状と今後の対策について質問しました。

当局は「毎日、100人前後の皆さんが見えている。今晩寝るところもないということで、宿泊施設の紹介・斡旋をしながら生活保護申請の手続きをし、給付決定も法的には14日以内となっているが、数日で決定がでるように職員全員で頑張っています。中には休日出勤や残業が150時間を越える職員もいます」と説明しました。


対応の変化を実感できる

さらに参加者は「宿泊施設の食事が粗末なので改善を要望し、中村区役所に集中しているので、市・県でも対応してほしい」と要望すると、「職員の増員も含め、本庁へ要望しています。食事についても検討します」と回答しました。参加者からは「今年の初めの頃の対応は冷たいものでしたが、炊き出しなど区民のみなさんの活動の影響か対応が変わってきている」と感想がだされました。


人権無視の徴収するな

愛商連太田会長は、「納付の相談に区役所に来ているのに、職員は商売や暮らし(やむなく滞納している。)がどうなろうと関係ない、税金を払ってもらうのが仕事」と言っている。「この対応をどう思うか」と指摘しました。納税課長は「区民のみなさんの立場にたった対応・相談ができるよに指導します」と回答しました。


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「融資を受けて商売を続けよう」

春日井民商 「緊急融資」学習会

春日井民商「緊急融資」学習会

春日井民商では、「緊急保証」制度の学習会を行いました。「昨年秋からの危機的な経済状況のなかで、緊急保証制度を活用するのに必要な春日井市の「認定」は、制度実施前の月四、5件から、月150件に激増している。「緊急保証」制度は「税金滞納や条件変更中でも門前払いしない」となっているが、残念ながらまだ「税金滞納中」で保証(融資)を受けることができない。しかし、全体としては利用しやすい制度になっている」と説明しました。参加者から「私のところでも借りられるのか」「銀行に『認定書』は誰でももらえるのだから認定されたら必ず融資がされるわけでないと言われた」「銀行にあなたはもう借りられない。ダメですと言われた」など、銀行の対応に不満の声も含めて活発な意見が出されました。


困難をともに乗り越えよう


後に事務局長が、「『仕事が3割になった』『いつも春頃からは、仕事が出てくるのに今年は全く見通しがない。』という声をあちらこちらから聞きます。当面、必要な資金は確保して商売を続ける努力をしましょう。周りの業者に「緊急保証」制度の利用の声をかけ、仲間を増やそう」と呼びかけました。




「仕事激減対策、生活困窮打開緊急相談室」を設置しました


中小業者の経営危機が増している中で、愛商連は「仕事激減対策、生活困窮打開緊急相談室」を設置しました。

参加者は、2年間の売上の推移や要望を記入し、「トヨタが6 割減産しているなかで、私たちの仕事は8割、9割減が続いている。このままでは従業員の給与も払えず、廃業せざるを得ない。」「親会社の意向をうけて新しく導入した機械が、仕事が無く稼働していない。経営の危機に直面している」「年金を借入なんとか経営を維持してきたがもう限界、このままではやめるにやめられない」など厳しい経営実態が率直に出されました。この声をもとに愛知県に対して、中小業者への緊急支援をまとめました。


愛知県へ支援を求める

さっそく、3月30日に愛知県交渉を行いました。参加者は「仕事が昨年の十分の一に激減し、今まで続けてきたがもう限界です。」「子供が四人いて、食べるものにも困る状況です。」「事業存続のために努力してきたが、今の状況は自分が頑張ればなんとかなる状況ではない」「愛知の中小業者がこれほど困っているのは、これまで国とトヨタを中心とする大企業本位の県政を続けてきた愛知の責任です。抜本的に変革することが重要です」など切実な声が次々と出されました。

そのなかで(1)中小業者の生活を守ること(2)事業を維持するための家賃や水道光熱費を補助すること(3)従業員を守ること、そのための中小業者が相談できる援の窓口を設置することを強く求めました。対応した職員は、「中小企業の厳しい実状はよくわかった。各部署に伝え、愛知県が何が出来るか要望をもとに検討したい」と回答するにとどまりました。


 

好きです商売


三和溶接(車いす製造)
村上 悟志さん(34歳)
名古屋市港区藤前4−1005
Tel 052-302-2008
村上 悟志さん

三者三様のチームワーク

今月の好きです商売は、車椅子の製作を行っている村上 悟志さん(34歳、津島民商会員)若い2名の従業員とともに頑張っています。地元佐屋町で生まれ育ち、中学生の時は野球にうちこみ、今でも地元草野球チームに所属しています。


ものづくりがおもしろい

お父さんは、村上さんが小学校の時に、製缶業を独立開業しました。中学生の頃から、日曜日や夏・冬休みには、父の工場へ行き仕事を手伝っていました。その頃から「『モノをつくる仕事は面白い』と感じ、自分も将来は同じ仕事に就きたいと思うようになりました。」と話します。

その決意どおり、学校を卒業後に同じ道を進みました。お父さんは「3年間は、修行してこい」と言われ、お父さんの取引先の会社に勤めました。自分の意志と夢をもっていたので、溶接の技術を素早く習得し、20歳になった時、お父さんと一緒に仕事を始めました。


これからは福祉の時代

それから2年ほど経ったとき、ある取引先と「親子で我が社にきてほしい」と要望がありました。そこで初めて車いす製造と出会いで、どちらの道をすすむか悩みましたが、親とよく話し合い決意しました。車いす製造事業を転換するに当たり、村上さんは、「これからは福祉の時代、車椅子の仕事は絶対のびるぞ」と旧友2人を誘いました。旧友はそれぞれは仕事を持っていましたが、村上さんの熱意に惹かれ一緒にやっていくことを決めました。

お父さんを先頭に頑張ってきましたが、2年前にお父さんが突然病に倒れました。残された3人はこれからどうするか話し合い「3人で力を合わせて、この仕事を続けていこう」と決意しました。


3人の得手を活かして

経営は、3人で力を合わせて行っています。山田さんはパソコンが得意で、請求書作成や記帳を担当します。もう一人の内田さんは話すのが得意と営業を担当、村上さんは「僕が引っ張る“ワンマン”ではなく、みんなが対等で、それぞれの資質を活かて経営しています。」と話します。一緒にやっている山田さんは、「この仕事はやりがいがあり、前に勤めていた家具製造の会社は潰れてしまった。この仕事ができて本当に良かった」と話します。

3人で仕事をするようになってすぐ、幼なじみが「困ったときには民商のなんでも相談会へ」と言っていたことを思い出し、民商に入会しました。「民商で、困り事も解決し、記帳や申告も教えてもらい今では自分で出来るようになりました。」と話します。

「将来は従業員を増やし、この工場を大きくしたいです。」と元気に話す村上さん、3人のチームワークで夢の実現にむけて頑張っています。


 

シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第97回

フランスのストライキから−「自由貿易か保護貿易か」をめぐって(2)−

3月19日にフランスの労働組合は、サルコジ政権が2月にだした支援策が不十分として、今年にはいり2回目のストを全国で実施しました。労働組合の発表では、参加者数300万人、全国200ヵ所以上の都市で、デモが繰り広げられ、1月のデモを上回る参加者数です。サルコジ政権が景気回復の経済政策を実施しているにも関わらず、2008年末の失業率が8.2%、09年1月末失業者数が約220万4000人、前月比9万200人の増加で、1カ月の増加数としては過去最大です。

このような状況下で、シャテル産業担当相が、ルノーのフランス国内工場で小型車クリオなどの増産計画を発表しました。従業員は一時帰休中の従業員約400人を集めるとしています。ルノーは国内工場で雇用削減しないことを条件に、政府から30億ユーロ(約3900億円)の支援を受けることが決まっており、今回の発表はその一環です。

(日本ではルノーの提携先である、日産が業績の悪化で、主力小型車マーチの生産を日本からタイに全面的に移転し、原価を3割削減し、日本に逆輸入するというニュースがあります。ルノーフランス本社は国内雇用を維持するためにがんばり、日本では、雇用削減を実施し、タイで増産を行います。ルノーはフランスと日本では、逆のことを行っています。日本の労働者、労働組合はもっと怒るべきでしょう。)

今回は、フランスで雇用増加を進める自動車の増産の政策を、各国が「自由貿易体制に反して、保護主義だと」批判している問題です。先日も「バイアメリカン条項=簡単に言うと、アメリカで生産したものを購入すること」が自国の産業保護になり、自由貿易体制に反すると問題となりました。

労働組合が「雇用を守れ」とストを行い、政府が雇用創出策だすことが、なぜ問題なのでしょうか。要は、「自由貿易か保護貿易か」ではなく、労働者の生活の問題にあります。


「自由貿易か保護貿易か」の本質的な問題

この問題を論じるには、「穀物法の廃止」をめぐってのマルクス、エンゲルスの見解が参考になります。穀物法は、イギリスの農業生産物を守るために、海外からの農業生産物に高い関税をかけました。この保護貿易政策で利するのは、イギリスで大規模な農業展開する大土地所有者でした。他方、産業革命で新たに出てきた産業資本家は海外からの安い原材料の輸入を希望しました。そして、産業資本家は工業製品を積極的に輸出するために、自由貿易体制を必要としました。

こうして、穀物法の廃止をめぐって、「自由貿易か保護貿易か」の利害争い(大土地所有者と産業資本家間)が起こったのです。産業資本家は、新しい階級として登場してきた労働者階級を「農業生産物の価格が安くなり、倍のパンが手に入る」と自らの陣営に取り込みました。その結果、議会で穀物法が廃止され、自由貿易をイギリスは主導するようになりました。この時、マルクス、エンゲルスは保護貿易にしろ、自由貿易にしろ、大土地所有者か産業資本家に利益がもたらされるだけだと批判しました。

現在の議論は、保護貿易はブロック経済化を進め、自国経済圏をつくってしまう。大きな国はそれができるが、輸入が大きい国とか輸出に頼っている国は、経済活動が進められなくなる。これはいつか来た道で、第二次世界大戦のようになるとし、保護貿易的な傾向にくぎを刺し、自由貿易体制の維持を叫んでいます。

現在の自由貿易体制は、国際競争のもとで、日本など先進国では労働コストが高く、製造業を中心に工場閉鎖が続き、労働賃金の安い新興工業国への工場移転となっています。いわゆる「産業空洞化」です。自由貿易体制で日本国民はより良き生活を得ているのでしょうか。自由貿易であれ、保護貿易であれ、結局は資本が利するだけであり、問題は貿易体制の選択ではなく、各国の労働者が豊かな生活ができるかどうかです。


労働者の豊かな生活と公正貿易

自国の労働者の切実な要求、それに応えた雇用創出政策を、「自由貿易か保護貿易か」と選択の問題にすり替える議論は危険です。大企業の利益の枠内だけでの議論だからです。

各国が自国の労働者の雇用創出ために、お互いがどう協力するのかが議論されなければならず、自由貿易体制の強調ではありません。そして、日本の労働者が、国際競争だ、自由貿易だと言って一生懸命働き、大量に輸出しても、為替が1ドル=120円から90円になれば利益は吹き飛びます。今こそ、ドル主導体制の転換が必要であり、公正な国際金融、取引、貿易などのシステム構築が求められています。


※写真はプジョー発祥の地であるソショー工場(下)と出荷をまつ大量に生産された新車(上)
出荷をまつ大量に生産された新車
プジョー発祥の地であるソショー工場

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