材料と焼き方にこだわり
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たこでん
今津 光博さん(31歳)
津島市南本町7−1−1(自宅)
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今月のターニングポイントはたこ焼き屋を営む今津光博さん(31歳、津島民商会員)です。10月に津島民商に入会したばかりの青年です。旧佐屋町で生まれ、業者の次男坊として育ちました。小さいころから、ひと一倍元気な子供でした。お父さんは惣菜屋、お店は名古屋市港区にある『デリカチキン』というお店を経営していました。チキンですが、かしわの専門店というより、弁当・天ぷら・煮物等惣菜も売っていて、夜は鳥料理や鳥鍋を扱っていました。今津さんは工業高校へ通いながららお父さんの店でバイトをし、料理の研究をしていました。
そこで働くパートさんが調理が上手で、お客さんにも喜ばれていて、色々教えてもらったことがいまも役立っています。
もともと機械オンチで料理が大好きな今津さん、「将来はお父さんのように食品関係の仕事に就きたい。特に移動販売をやってみたい」と思っていて、学校卒業後はスーパーの試食販売を営業している会社に就職しました。
朝5時から深夜12時まで休みがなく、歩合制でしたから売れないと給料につながらないため頑張りました。試食販売で営業をするには、第1に笑顔で元気が良いこと、第2は試食販売をやっていることをお客様に気づかせることだそうです。試食をして、一人が買い始めると後は良く売れていくそうです。試食は自腹で提供しなくてはいけないので、子供さんが何回も食べにきたり、中には捨てていく子もいると腹がたって腹がたってと思うこともありますが……最高1日で15万円売ったときもあったそうです。よく売る人は、はやるお店で営業できるのですが、売れない人は、お客の少ないお店に行かなくてはならず精神的に追い詰められる人もいました。
その後、お父さんのお店を継いでいたお兄さんのお店で従業員として5〜6年働きました。
働きながらも移動販売の仕事を開業したいと思っていた今津さんは、『月40万かせげるたこ焼き屋』という案内を、地域のフリーペーパーで見つけました。早速、話を聞くと意気投合して修行に行きました。通常は一週間かかるところを、技術の習得が早く、3日間で出店OKがでて、今年の四月に『たこでん』として独立しました。
フランチャイズで、材料も会社支給ですが、ダシや他の調味料を色々工夫をして、新しい味付けを研究をしています。移動販売で、営業場所は、セントレアや桑名などいろいろ変わります。10個入りで450円を1個サービスして11個入れています。気がついてくれたお客さんからは、たいへん喜ばれます。
夏には鉄板からの熱気によって、熱中症にかかってしまい、体質が変わってしまいました。暑さに負けないよう体力をつけるように努力をしました。
たこ焼き屋をやるのに何度も大阪に足を運び色々なお店を試食したり、おいしいといわれるたこ焼きを食べ歩きました。『たこ』にもこだわっています。たこの種類によってはたこ焼きが水っぽくなったり、形がちいさくなってしまったりで、失敗をしながらおいしいたこ焼きに挑戦し、皮がパリパリで中がジューシィなたこ焼きを目指しています。
「夢は自分のお店が持ちたい」と笑顔で話す今津さん、夢の実現へ毎日頑張っています。
誤りを認め、指導を約束
名古屋国税局交渉
11月9日に名古屋国税局交渉を行い、板平愛商連税対部長はじめ八人が参加しました。国税局は岡本総務課長補佐が一人で対応しました。
具体的な不当事案として、10月に税務調査になって名古屋南民商に入会したMさん夫妻も参加しました。
Mさんの調査では「次回までに、領収書と請求書を用意してください」と言いながら、次回の調査の前に反面調査を行いました。また、「銀行印を出してください」と言われ、説明をしないまま印影を勝手に取っていったことなどが行われました。熱田税務署へ抗議しましたが、「税務署員が必要と判断すれば、なんでも出来る」と上司の統括官も署員のやり方を認める発言をしました。
岡本総務課長補佐は、「任意調査であり『税務署員が必要と判断すれば何でもできる』ということは間違っている。任意調査であり、十分な説明をし、了解のもとに進めるのが当たり前です。調査に応じ、資料を準備し約束をしているのに、一方的に反面調査したことは良くない。税務署員はいろいろな権限を持っているので、言動、態度など十分注意するよう指導している」と誤りを認め、「私の責任で、次回の調査までに指導するよう約束します」と回答しました。
Mさんは、現場での署員の対応との違いにビックリしていました。その夜、民商での対策会議に参加しました。
たたかって政治を変え、要求を実現しよう
11・8国民大集会
すみきった秋空に、鳩山新政権に対する切実な要求実現を迫る唱和が響き渡りました。
11月8日に東京・代々木公園で開かれた「新しい未来へ、11・8国民大集会」が行われ、全国から35000人が参加、民商・愛商連からは100名が、労働組合や民主団体などの愛知代表団とともに参加しました。
「雇用を守れ」「つぶされてたまるか」など全国から今の政治と経済に対する様々な要求とたたかいが持ち寄られ、会場は要求を書いた横断幕、ゼッケン、帽子などを持った人々で、身動きもできないほどの人で埋まりました。愛知からの参加者は「活かせ平和憲法」のサンバイザーをかぶって参加をしました。
集会では、中小業者、非正規労働者、外国人、高齢者、医師、農民、女性、沖縄県民、学生が登壇し、訴えるたびに、「そうだ」「頑張れ」の声援や拍手が広がりました。
反貧困ネットワークの宇都宮健児代表、日本共産党の志位和夫委員長が連帯のあいさつをしました。
集会後、3コースに分かれてデモ行進を行いました。先頭では愛商連が持参した「資金繰りの緊急対策を」の横断幕を掲げ、要求の唱和を大声で元気よくはりあげて行進しました。
中川民商からは9名がマイクロバスで参加しました。参加した人が中心になって、参加者に署名とカンパを訴えました。
「暮らしていける最低限の年金制度を」「アメリカとの関係は、第2ステージに入り、新しい日米関係を築いていかなければいけない」など各団体の主張には共感することが多かった。民主党政権になり、政治が変わる中で、日本を変えていこうとする意志を感じ、新しい未来(あす)は必ずくると確信しました。(名古屋西・伊藤)
これだけ多くの人が要求をもって集まる。その人の後ろにはもっとたくさんの要求を持った人がいる。これはすごいことだ。(瀬戸旭・大野)
同じ日に沖縄でも新基地建設と移設に反対する県民集会が開かれている。大きな連隊のうねりと沖縄の痛みを感じた。(瀬戸旭・木下)
会場に着くと、人、人、人で、居場所を確保するのがやっとな程でした。全国から集まった人の熱い思いを感じました。壇上からの訴えにも多くの声援が飛び、熱のこもった集会になりました。一・九キロのデモ行進ではシュプレヒコールを繰り返し、元気に沿道の人達に訴えました。(北名古屋・福田)
各団体からの報告では、民商の他、派遣切りにあった労働者や就職難の学生、医師不足を訴えた医者、むしろ旗とともに壇上に上がった農民連などどれも心をうつ発言でした。ひとつひとつの運動が大きなうねりとなって、新しい流れが生まれつつあることを感じた。(春日井・星野)
所得税法第56条廃止の運動が一気に加速
11月5日、所得税法第56条廃止を求めて国会議員への要請行動を行ない、18都道府県から177名、愛知から59名が参加しました。参加者は10月8日に要請できなかった衆参両院議員356人に紹介議員になってくれるよう要請しました。愛知の参加者は、愛知出身議員はもちろん他の地域の議員もあわせて76人の議員へ要請をおこないました。
尾北民商婦人部から参加した4名は、この間集めた3100筆の署名を持って石田芳弘衆議院議員(民主・6区)を訪問しました。事前に連絡していたこともあり、石田議員は「待っていましたよ」と訪問を歓迎してくれました。業者婦人の実態を訴えると思わず目を潤ませる場面もあるなど20分間にわたり懇談しました。その中で「この請願の紹介議員になります」と返事をもらい、一同は大感激しました。
それ以外にも牧義夫議員(民主・4区)もその日に「紹介議員になる」と全婦協に電話があり、大西健介議員(民主・13区)は「確かに委員会に提出しました」と岡崎民商に連絡がりました。他にも岡本充功議員(民主・9区)、杉本かずみ議員(民主・10区)、鈴木克昌議員(民主・14区)が承諾し、合計六名の議員(全国で88名)が紹介議員になっています。(11月30日現在)
終了後は、予算委員会を傍聴し、「初めての国会傍聴で貴重な体験ができた」「テレビで見ている国会の生の様子がみれて良かった」などの感想が出されていました。
知多北部民商婦人部は、婦人部役員4名と担当事務局で、3市5町の県会議員を訪問し、紹介議員の依頼をおこないました。それぞれ秘書や奥さんでしたが、どの方も話を良く聞いてくれました。東海市の原田信夫県議からは、後日民商事務所に本人から「議員団長をしている。自分なりに調べた。隣の三重県では56条はなくしてはダメなので、見直しで通っている。裁判で負けている例もある。今回は相談した結果、紹介議員にはなれません」と連絡がありました。
中川民商婦人部では、11月16日に中川区在住の名古屋市会議委員に「所得税法第56条廃止の意見書提出」を求めて、要請行動を行いました。議員本人にはなかなか会うことが出来ず、「本人に伝える」「議員団で検討する」などの返事でした。
20日、愛婦協の春日副会長と石黒事務局長で、民主党県議団のかじ山義章総務会長と県議会で懇談しました。これは、事前に紹介議員のお願いとともに懇談の要請を郵送で送ったところ、その要請に応えてくれたものです。かじ山議員からは、「地元議員をみなさんが訪問されているようですね。商工会議所さんはどうですか?30日総務会を予定しているので、そこで検討します」と丁寧な対応。こちらからは、「ぜひ検討内容もお知らせ下さい」とお願いすると「わかりました」と快く引き受けてくれました。
たたかって融資を実現
融資獲得運動に奮闘
瀬戸旭民商の型枠大工の会員は、今年5月ごろから仕事が減ってきて資金の運用が厳しくなっていました。そんな時、仕事を請けて、仕入材料の支払いに苦慮して、10月初めに相談にきました。「10月28日に支払いがあり、250万円が必要」と愛知県信用保証協会(県保証)へ300万円の申込をしました。審査を受けて回答は「150万円しか貸せない」でした。「このままではつぶれてしまう」と県保証と交渉しました。県保証は「250万円が必要だとわかる資料を出してもらえば検討する」と言ったので、資金繰り表や受注見込みなど13枚の資料を提出しました。この結果、250万の融資を受けることが出来ました。「私たちのために、多くの人達が仕事を休んで動き、励ましてくれました。本当に嬉しく思う。これで商売を続けられます」と話していました。
春日井民商では、飲食業を営む方が、2店舗目を出店するために資金を借りたいと相談がありました。出店にあわせた早急な融資をお願いしたい。県保証に申し込みました。銀行にも保証決定がでたらすぐに融資を実行するよう要望しました。そんな努力の結果、なんとか期限までに融資を受けることができました。
また、建設業を営む方は、売上が大幅に減り、このままでは借入の返済が困難になると相談がありました。2本あった借入を「緊急保証」で一本化して、運転資金を上乗せして融資を申し込みました。金融機関は当初「保証人を」と言っていましたが、県保証と交渉し、保証人なしで融資を実現し、返済金も従来の半分になりました。
10月30日、名古屋市交渉をで行い、市内11民商と県連から68名が参加しました。交渉では、中小業者の実情を訴えるとともに要望書の重点項目を話し合いました。
人権無視の徴収に謝罪し、指導を約束
名古屋市交渉
市民税の徴税で、中川民商会員が、「督促もせず、突然自宅へ来て、冒頭から払わないやつが悪いうように威圧的な態度で督促をされた。妻が精神的にまいってしまった」、西民商会員が「区役所の収納係長や担当者が面談の時に、仕事が激減して夫婦二人で生活するのもやっとなのに、医療費がかかりすぎだの、生活費を使いすぎなどと実情を無視した発言をした」との訴えがありました。
収納課長は、「あってはならない態度です。区役所の指導監督の責任は自分にあるので指導の至らなさをまずお詫びします」と異例の謝罪をしました。
また、現在の経済情勢であれば、「まじめにやれば、徴収の猶予や滞納処分の執行停止が増えて当然です。私の責任で実行します」と決意表明までしました。交渉の日の夜に、この収納課長から発言した方に直接電話がありました。
以前から要求していた深夜バスの運行本数の増加について、中民商のアンケート活動やポスターやチラシでの宣伝について市当局から感謝の言葉があり、「バスの本数を増やす計画である。チラシを新たに作ったので協力して欲しい」と連絡がありました。
社会保障では、今の仕事が無い深刻な状況の中で、緊急避難的に「生活保護」を資産があっても受けれないか?との質問に「原則、資産を処分するのが前提」という態度を終始繰り返し、参加者からは怒りの発言が相次ぎました。
この他、融資の問題、所得税法56条問題、千種民商の「桜祭り」への後援要請など様々な分野で質疑が行われました。
名古屋南民商は、11月21日に「第3回税を考えるシンポジウム」を行い、43名が参加しました。全国商工新聞や月刊民商でおなじみの角谷啓一税理士を招いて、板平南民商会長との対談形式のシンポジウムを行いました。
今回は、深刻な不況が中小業者を直撃し、「払いたくても払えない」状況が続く中、どのように税務署の徴税攻勢とたたかっていくかがテーマでした。
角谷先生は「本来納税者の実情に配慮した慎重な対応が必要なのに、滞納税額の圧縮が至上命題のように、いきすぎた徴税が目立ち、自殺者まで出ている」と現在の税務調整の全国的な特徴を話し、「だからこそ納税者が納税の緩和措置を積極的に活用することが求められている。」と滞納せざるを得ない納税者が、どのような対応が必要なのかを資料を使いながらわかりやすく説明しました。
その後、参加者からも税金の徴収にや納税の猶予についての発言がありました。終了後には、先生の善意で個別相談も行われました。「法人で、最近代表者の父親がなくなり、税金の滞納がありどうしたらよいか」との相談に対して、「滞納しているのは法人で、法人を継続すれば支払い義務も生じるが、個人にはないので検討してみては」とアドバイスしていました。
参加者は「今は滞納はないが、商売は厳しい。早めの対策が必要なことがよくわかった。」「納税者の権利憲章の意義がよくわかり、早くつくる必要性を感じた」などと感想を話していました。
11月9日に、愛知社保協の呼びかけで、中川区役所保険年金課長と「資格証明書」を中心に懇談しました。中川区が他の区と比べて資格証明書の発行が極端に多い事に対して「市の方針どおり、悪質な滞納者に発行している」と回答しましたが、「悪質かどうかは課長が判断」していること、「督促状を出しても払わず、来所しない人には資格証明書を発行している」ことが明らかになりました。参加者からは、「高すぎる国保料で、払いたくても払えない市民がたくさんいる」と訴えると、「来所して現状を話してもらえば資格証明書は発行しない」と約束しました。
津島民商婦人部は、11月8日に毎年恒例のバザーを事務所駐車場にて行いました。11月とは思えない陽気にも恵まれ、10時の開店と同時にたくさんの人が掘り出し物を求めて訪れました。民商の会員さん家族の他にも、近所の方にもたくさん来ていただきました。
特に陶器や衣類コーナーは人気で、パンなどの食べ物も昼前には売り切れになりました。みなと医療生協かにえ支部の「健康チェック」コーナーもお客さんが絶えませんでした。
地域の健康一番店めざして
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健康ラウンジ
菊池 昌律さん32歳
名古屋市南区三条2−5−10
電話:052-694-6333
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菊池さん(32歳、名古屋南民商会員)は、名古屋市南区の中京病院近くで、中高年専門の健康美容サロンを11月1日に開業しました。地域の方々の暖かい応援と友人たちの協力も得て、十八日間で百名のお客様に来ていただいています。
小さい頃、両親が刈谷市で食堂を経営していて、店の中で姉と遊んでいて全身をやけどする事故にあい中京病院で治療受けました。中京病院の近くで開業したのも不思議な縁と言います。数年前、腰痛になり、患者として接骨院に通っていました。この時、人の手だけで体を直すことができるという凄いことを体感をして、緑区の接骨院で働くことを決めました。
初めの頃は患者さんから文句を言われ、書籍をよんでは、先生に相談しぎっくり腰、40肩、50肩、膝痛などの治療の勉強をしました。技術と知識を身につけ1日五十名程の患者さんを診ていました。紹介者はわかりませんが、岐阜県や三重県の方からぎっくり腰の方を処置して、立てるまでに回復し悦ばれた事、手術が必要なほど足が悪かった方が、手術の必要がなくなったと喜ばれたこともありました。
勉強と経験の中から“健康でなければ綺麗になる事も、スマートになる事も、肌質がきれいにもならない”という事を知り、健康に対しても美に対しても勉強しようと強く思うようになりました。東京、日本橋でエステを開業していた叔母のサロンでも勉強をしました。リンパの勉強をし、リンパドレナージュの資格も取りました。
お客様が300人になったら、ストレッチの運動で「体が動かない高齢者の人を動けるようにしていきたい。」と言います。なぜなら、日本は長寿国といわれている反面、身の回りのことができない高齢者の方を多くみうけます。こうした方の機能回復にストレッチ運動を取り入れて解決できればと思っています。現在、来ていただいているお客様と小学校に通うお子様にもストレッチを行っています。「体がスムーズに動くようになった」と喜ばれています。「みんながよろこんでくれることを大いにやってゆきたい。南区の健康=健康ラウンジありと地域の人々に思ってもらえるようがんばりたい」と夢を話してくれました。
シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第105回
日本の中小業者の方向性について−日本・EU比較を通して−
東アジア的「首締めあい」の共同体からの転換を目指して
釜山の射撃場火災で、多くの日本人観光客が亡くなりました。日本で銃を撃つには許可がいるので、そのことを理由にした観光です。ロッテなどの免税店ラッシュ、明洞での日本人相手の呼び込み(お金のための日本語看板、メニューはあるがそれ以外非常に少ない)などの風景を見るにつけ、東南アジア的観光の文化性の低さに唖然とします。
EUと東南アジアの観光の違いを考える必要がありますが、今回は、ものづくりの違いについてです。11月2〜6日まで韓国の製造業調査に行きました。EUのものづくり調査を踏まえ、渡仏前の中国、ベトナムの調査とあわせて、東南アジアのものづくりを評価してみたかったのです。仁川工業団地を中心として、金型、プレス、プラスチック成形などの中小企業をまわりました。
韓国の輸出先上位は1位中国(21・7%、2008年)、2位アメリカ(11%)、3位日本(6・7%)となっています。輸入先は1位中国(17・7%)、2位日本(14%)、3位アメリカ(8・8%)、原油を輸入する関係で、中東地域全体の合計は(23・4%)です。重要な点は、韓国の最大貿易相手国は中国ということです。
中国と韓国を海上輸送でみると、日本よりも時間的に近い関係にあります。そして、韓国から北朝鮮を自由に通過することができれば、陸上輸送でも中国は日本より近い存在になります。私が調査した工場では、工場内で空きがありました。なぜかと聞くと、労働集約的生産工程(手仕事部分)を「瀋陽(中国)に移転しました」とのこと。今後、韓国と中国との生産ネットワークが急速に進むと思われます。
韓国の自動車メーカーには、ヒュンダイ(現代)、KIA(起亜は現代に買収される)、GM傘下のデーウ、ルノー傘下の三星などがあります。韓国は自動車の国産化計画を実施し、自立的に自動車産業を育成してきました。こうした関係から、日本の自動車メーカーの工場進出がなく、他の外国地域とは違っています。
工場を見学すると、マザーマシンなどの工作機械も、韓国、EU製などが多くみられました。部品を切削する刃物をつくっている企業に訪問した際、最近、日本の工作機械メーカーが猛烈な営業をかけており、日本の工作機械がだいぶ普及してきたとの話を聞きました。
日本の金型工業組合の会長が、韓国における金型生産技術教育を評価され、ソウル産業大学の名誉工学博士号を取得しました。日本では、金型生産の技術の取得は、就職した先企業でのOJTですが、韓国には、金型教育を専門とした大学がたくさんあります。日本に追いつけ、追い越せの勢いで、大学で金型教育を受けている学生の姿が印象的でした。
工場では、日本の自動車部品企業と同じような生産体制で、「高品質化とコストダウン」に取り組んでいる話しを聞きました。高品質化とコストダウンの両立、さらに「スピード」を付け加えている企業がありました。スピードアップのために、図面レスで金型生産を行っていました。工場内で、まったく図面がない企業を海外でみるのは初めてでした。この企業は、携帯電話のカメラレンズから自動車のバンパーまでの生産ラインナップを持っており、まさに「極小から大もの」までの生産です。
日本と韓国での凄まじいものづくり競争です。現在、この競争は両国だけではなく、中国、台湾、ベトナム、タイなどを含め、東アジアで繰り広げられています。中国と日本が競争している間に、合間をぬって韓国企業が出し抜いたりするでしょう。近い将来には、インドも含めて「大アジア的」な競争に拡大するのでしょうか。
日本の大企業は、中小企業に中国価格を押しつけながら、納期は韓国並みを求めたりするでしょう。日本の大企業の行動原理に、中国、韓国の大企業が追随し、「いいものをより安く」で激しいコストダウン、「スピード」競争を展開しています。
この東アジア「首締めあい」の共同体での競争でいいのでしょうか。「首を締めあい」ながら、誰かが最後に生き残ればいいのでしょうか。東アジア的「首締めあい」の共同体から「共生」社会経済共同体への転換が必要です。日本一国だけでの取り組みで、転換は可能ではありません。まさに東アジアが協働して、「共生」の社会経済へと歩みを進めて行かなくてはなりません。