悪には善を

(4、5ヵ月の間同僚のいじめに遭いました。でも、神様は私の心を完全に守って下さり、
悪には善をという態度を貫きとおすことが出来、結果的に勝利させて下さいました。)

私は、再び日本企業で働くことになったわけですが、セールスアシスタントということで、 営業のアシスタントとして、輸出船積みを担当し、英文のコレポンを書き、翻訳もし、 アメリカ支店と生産部や技術部の間に入ってのやりとりもしていました。 非常に広範囲にわたる仕事をさせてもらいました。アミューズメント業界だったので、とても夢があって、 楽しく仕事をしていました。最初にひっかかっていたセンスのない制服も、 入社してひと月もたたないうちに新しいデザインの制服にかわり、 「OLくらぶ」というテレビ番組にも出演したりと、面白い経験もさせてもらいました。 最初にこだわっていた、「日本の会社」ということも全く気にならなくなりました。 むしろ外資系にはなかった「和気あいあい」という環境が、とても心地良いと思いました。 いい歳をしながら、「(本名)ちゃん」と直属の上司に呼ばれるのは少し恥ずかしかったのですが。(笑)

でも、私はここで、生まれて初めて「あからさまにいじめられる」という経験をしました。入社して数週間は、同じ部署には女の子が2人しかいませんでした。彼女とは一緒にお昼を食べたりして何も問題なく過ごしていました。ところが、殆ど同時に採用された他の2人のアシスタントが入って来たころから、その子の私に対する態度がガラっと変ってしまいました。色々と原因を考えましたが、全く思い当たりませんでした。女の子は噂話が好きで、良く悪口を言ったりして盛り上がったりするようですが、私はそういうのがあまり好きではないので、そういう意味では付き合いの悪い面白味のない同僚だったのかも知れません。仕事でしか彼女と関わることはなくなりましたが、彼女があることないこと私の悪口を言っていることを知りました。私はその子に何か悪いことをしたのかと思っていつも考えていました。いつも丁寧で、親切な態度で接していましたし、いくら悪口を言われても、私は決してその子の悪口やグチは言いませんでした。仕事にまで感情を持ち込まれ、仕事で声をかけただけでムッとした顔をされました。それこそ、立っても座っても悪口を言われ続けました。私は周りの人達みんなから好かれようとは思ってはいませんが、いわれもないことで嫌われるのは耐えられないと思いました。

幸い周りの人達が私のことをわかってくれていましたので、彼女を良く思っていない人は多かったようです。もちろん、イエス様にお祈りをしていました。私は、精一杯やっても結果がダメだったら納得するタイプなので、「悪には善を」という態度を貫き通しました。4、5ヶ月くらいして、突然彼女が会社を辞めることになりました。「もう、疲れた。」と言って辞めていったそうです。彼女の退職する前日、前もって買っておいた英日対訳の新約聖書を彼女に渡そうと、彼女のところに行きました。そして、「お世話になりありがとうございました。これ、受け取って下さい。」と言って渡そうとしました。ところが彼女は、「私は何のお世話もしていないし、もらう理由もない。」と言い、にらまれてしまいました。「でも、これは私の気持ちです。」と言っても、受け取ってはくれませんでした。私はよほど嫌われてしまったようです。傷ついて、私の一番上の上司にそのことを話しましたら、「がっかりすることはないよ。ああいう子は、どこの会社に行っても上手くやっていけないよ。」と慰めてくれました。

ずっと後になって知ったことですが、彼女は海外事業部で事務をしていましたが、英語が好きで、英語のカセットテープなどを聞いて勉強をしていたそうです。彼女は、私がやっていたような英語を使った仕事がしたかったということです。そうだったなら、物事をもっとポジティブに前向きに考えて行動すれば良かったのにと思いました。人を妬んだり、恨んだり、怒ったりするマイナスのエネルギーは、結局は相手にではなく自分自身に返って来て、結果的に自分を幸せにはしないと思うからです。正直言って4、5ヶ月は苦しかったです。でも、神様は、彼女に振り回されないように、御言葉によって私の心を守って下さいました。