私を変えた本

(念願の外資系の秘書になったものの、現実は非常に厳しいものでした。
神様は、さらに私を神様に近づける為に、あえて試練を許されたのです。)

聖書には、「文字は人を殺し、霊は人を生かす」とあります。だからというわけではないのですが、 実は私は読書があまり好きではありません。自称ロマンチストである私ですが、意外にもロマン小説も読みません。読むのは大抵エッセイ、語学関係、趣味の本などです。キリスト教関係の本も、聖書以外にはそんなに読むわけではありません。

93年10月31日の証しにも書きましたが、私は非常に厳しい上司の元で秘書として働くことになりました。 入社して1、2ヶ月後には、上司からかかってくるの電話にも反応し、声や手が震えてしまい、 まるで「パブロフの犬」状態でした。私は私でなくなり、病気になりかけていました。 それは1年2ヵ月程続きました。私は、 自分の上司をサタンではないかと思っていた時期もありましたが、しばらく祈っているうちに、 問題なのは彼ではなく自分自身の弱さだということが分かりました。

その上司に出会わなかったら、自分の悲観思考と弱さに気がつかなかったかも知れません。私はある日、 せっぱ詰まったような気持ちでキリスト教書店に足を運びました。私はHow Toものの本は読まないのですが、 何故か一冊の本に目が止まりました。「積極的考え方の力」というアメリカのノーマン・ビンセント・ピール牧師が書かれた本です。 この本の中では、キーワードのように「わたしを強くして下さる方によって、 何事でもすることが出来る」が繰り返し出てきます。 仕事でいつも怒られて自信を失っていましたので、 この本の中に書いてあったことを実行してみることにしました。 そうしないと私は本当におかしくなってしまいそうだったからです。

何をするにもビクビクしていました。又怒られるのではないかと、悪い予感をしてしまう癖がついてしまっていたのです。私のネガティブ思考は、心の奥深く潜在意識の中にまで浸透してしまっていました。私は、その本に書いてあったように、一切否定的な言葉は使わないことにしました。否定的な言葉は自分の耳からはいり、潜在意識のテープレコーダーに録音されていくからです。その時から私は、肯定的な言葉を潜在意識の中に植え付ける作業をしなければなりませんでした。

私は意識的に、前向きでポジティブな言葉を選んで使いました。仕事をするときには、イエス様と共同作業だと思っていましたので、全能者が一緒なのだから出来ないことは何一つないことを信じることが出来ました。私1人では何も出来ませんが、主が共におられますから心配することはなくなりました。そうしているうちに半年後、私は本来の私に戻り、それプラス、ポジティブ思考の人間になり、神様に対する信頼度も100%になりました。人は、自分ではどうにもならないことが分かるとお手上げ状態になります。私は、神様に対して降参の白旗を振ったのです。このことを通して、私は全てを任せて神様に信頼することを学びました。

私は、自分の周りの人達をみてはっきりと確信したことがあります。それは、信仰があるなしに関わらず、人を不幸ににするのはその人自身の心だということです。物事を否定的で悲観的に考える人は不幸な人生を、肯定的で前向きに考える人は幸福な人生を送っているのです。