*盗まれたコート

(パッケージツアーではない初めてのヨーロッパ一人旅には意外なドラマと結末が。
神様は、目には悪いように見えることも、信じれば必ず私達の益と変えて下さいます。)

初めてのヨーロッパ一人旅で、私は開放感と喜びを感じました。未だかつて、私の生涯の中で、一ヶ月もの長い間遊びのことだけを考えて暮らしていたことはありませんでした。事実私は、一生懸命に働いても遊ぶことを知らないタイプの人間でした。旅行の間中ずっと、私の内に新しい何かを感じていました。私の心は、ヨーロッパに私を導いて下さったイエス様から泉のようにわき上がる喜びでいっぱいでした。1996年の1月に海外に行けるなんて夢にも思っていませんでした。12月にS(以前習ったドイツ語の先生の一人)と電話で話した時、私は、いけるかどうかは時間とお金次第ねと言っていました。三つのことが重なってヨーロッパに行くことが可能になりました。1月にボスがいない、安い航空券、Sがキールにいることでした。

今回の旅行が御心なのかどうかを知るために、イエス様に祈りました。すると、心が主の喜びと平安で満たされました。私はこの答えに喜び、私にとって非常に意味のある実りのある旅行になると信じました。 私達は一人で何でも出来ると勘違いしがちですが、実際は、常に周りの人達に支えられ助けられてることを改めて感じました。ヨーロッパの気候は非常に寒かったのですが、ヨーロッパで出会った人達から暖かい何かを感じました。S航空の顧問のTさんはとても親切な人で、私に内緒で、エコノミーの席をビジネスに変えて下さっていたのです。嬉しい驚きでした。

最も素晴らしく忘れられない経験は、キールにいるSやお母さんと一緒に過ごしたことです。Sのお母さんBは車でキールを案内してくれ、たくさんのことを話しながらとても素敵な時間を過ごしました。私はBとはドイツ語でSとは英語で話しました。私はSとBが大好きです。彼女たちは本当に魅力的な人達です。彼女たちは、キールのある評判のいいコーヒーショップ に連れていってくれました。私達はずっとおしゃべりをしたり美味しいケーキを食べたりして楽しく過ごしていました。事件は、私達がそこを出ようとしたときに起こりました。隅の方に一緒にかけていた私のコートが盗まれていたのです。最初はちょっと驚きましたが、7年間着ていたコートが消えてしまっているのが分かっても、心は平安でした。でも、Sとお母さんは殆どパニック状態で非常に怒りを感じていました。

私はSに言いました。「S、私は大丈夫よ、気にしていないわ。あの古いコートには執着していないし、 キールで新しいのを買うわ。私達とっても楽しかったじゃない? 私はあなたとお母さんと一緒でとてもハッピーよ。」と。治安の良いと言われているキールで起きたので、 彼女たちには信じられない様子でした。Sはとてもショックを受けて、 「私達の素晴らしい時間がこんな風に終わるなんて。 どうして私達ではなくてheidiに起きたの?何でheidiが罰を受けなきゃいけないの?」と言いました。 私は、「これは罰じゃないのよ、S。単純よ。サタンがやったのよ。私達がハッピーな時間を過ごしているのが面白くないのよ。私は全然平気よ。だって、私はいつもイエス様に愛されて祝福を受けているのを知っているから。ポジティブに考えましょうよ。私は新しいコートを買えるのが嬉しいわ。」と言いました。私が違った考えを持っていて、たとえ私にとって悪いことでも、イエス様によっていつも良い結果に終わるのを知っているので、そんな風に考えられることを知ってSは驚いていました。私は、どんなに素敵なコートが与えられるのかしらと思いました。

合ったコートを探すのは容易ではありませんでした。ドイツの38というサイズは私には大きすぎます。 私のサイズは34なのです。二件目のデパートで、Sが、 34のサイズのとっても可愛い赤いコートを見つけました。初めはそれを着るのをためらいました。 私は一度も赤い服を着たことがなく、自分には似合わないと思っていたからです。 Sは私にこう言いました。「heidi、赤い服を着る"時"がやってきたのよ! 私は、「えぇ....そうね。似合うかどうかは分からないけど、この色は好きだわ。」といいました。このコートを買った後、Sとお母さんとの思い出が一杯の新しいドイツのコートを着て、もっともっと幸せな気分になりました。彼女たちも再びハッピーになりました。というのは、私が前のコートよりも新しいコートを気に入ったからです。新しいのは14,000円で古いのは50,000円でした。

私達クリスチャンは、私達を絶えず滅ぼそうとチャンスをねらっているサタンに、気をつけなければなりません。 私は、サタンの挑戦に完全に勝利したと確信しました。この事件がきっかけで、Sに神様のことを話す良い機会を得ました。何て感謝なことでしょう。話せば話すほど、私達は価値観が似ていることを知りました。私達は色々なことを夜中まで話し続けました。そして、お互いをとてもより近く感じるようになったのです。彼女とは5年近くのつき合いですが、英語で話す機会が多くはなかったのです。彼女が日本に居たときに、もっと話すことが出来ていたらなあと思いました。

日本に帰って来た数日後、たまたま私のインターナショナルクレジットカードには、盗難の保険がかかっていることを知りました。私はクレジット会社からお金を受け取ることが出来たのです。私は、そのお金でとても可愛い新しい腕時計を買うことが出来ました。(なんてラッキーなんでしょう!)聖書には、いつでも喜んでいなさい、神様に感謝を捧げなさいと書いてあります。私は、私の益の為そして他の人達の為にも益となるように、主が素晴らしいことをして下さったことを褒め称えました

Sは次の日に又そのデパートに行き、私とおそろいのコートを買ったということでした。大柄のSと小柄の私が、同じ赤いコートを着ているのは何て愉快なことでしょうか。感謝なことには、教会の姉妹がたが、旅行の間ずっとお祈りをして下さっていたということです。私が旅行をとても楽しんで来たのを聞いて、彼女たち自身も嬉しいと言って下さいました。ハレルヤ、感謝です。