*マニュアル(その2)

(前回やっと手に入れたマニュアルをなくされ、又貰わなければならないことに。 「又ですよイエス様」
とトイレで祈る私でした。全てのことを御存知の主は、御霊の知恵により私を導いて下さいました。)

前回非常にお世話になったメーカーのUさんのことは、 後で何かあった時に又お願い出来るかも知れないと思いしっかりメモしておきました。 案の定Mr. Rがデンマークとスペインの別荘にファックスを入れる時にも、 色々と情報を頂き助けてもらいました。その後も、半年以上経って、 又その人にお世話になることになったのです。上司夫妻が、 会社の事情で3ヶ月間インドネシアに赴任することになりました。急だったので、 書類や何やらを大慌てで詰め込んで行ったのです。そしてバタバタしながら又戻って来ました。 私が苦労して手に入れた資料(無理して分けて貰った)、高かった資料なども、 お見事に全てなくされました。そのなくしたものの中に、あのファックスの英文マニュアルが入っていました。どう考えてもそんな物を持っていくはずはないので、何かの間違いではないかと思いましたが本当のようでした。

私は言いました、「いいですか、あれを手に入れるのに、どれだけ大変だったか覚えてらっしゃいますよね。メーカーの人が親切だったから手に入ったんですよ。あれを又無理を言って貰えとおっしゃるんですか?」と。彼は「覚えているよ。でも又、貰えばいい。」といとも簡単に言うのです。秘書に頼めば何とかなると思われるのは、嬉しい事なのかもしれませんが。そこで、奥さんに電話をして、「失礼ですが、本当に良くさがされたんですか。あのマニュアルは、あの時だけ特別に分けて貰ったものなんですよ。それを無くしたから又下さいと言うのはとても恥ずかしいことですよ。」と言いました。彼女は言いました、「良くさがしたのよ、S。でも、本当に無いの。あれがないと困るのよ。あなたの上司がStupidだったからと言ってもいいから、貰ってくれないかしら。」と。大好きな奥さんの頼みだから断れなくなりました。

神様はもちろん前回のいきさつもご存じですから、私は、「又ですよ、イエス様。今度はどうやったら良いのかわかりませんが、マニュアルが貰えるようにどうか助けて下さい。」と祈りました。お祈りをしてから、メーカーのUさんにお電話しました。すっかり声を覚えられてしまったようで、「ああ、御無沙汰しています。」なんて、とても感じよく挨拶されました。私は心の中で、「今日これからお願いする事が今までで一番無理なお願いだとも知らないで、、、。」と思いました。まずは前回前々回のお礼を申し上げました。「又、マニュアルを下さい。」と言うのは顔から火が吹くほど恥ずかしかったです。Uさんは呆気にとられていました。そして、どれだけ手を尽くしてあの英文マニュアルを一冊わけたか説明し始めました。私はただただ、「はい、自分がどれだけ無理なお願いをしているか、充分にわかっております。良くさがしたのですが、どうしても見つからないんです。あれがないと困るものですから、何とかならないでしょうか。」とお願いしました。色々とやりとりがあった後、温厚そうな彼はすっかり呆れて言いました、「開いた口がふさがらないとは、こういうことを言うんですねえ。」と。

秘書は本当にストレスが溜まります。自分の意見とは正反対なことでも、上司を代弁して相手を説得しなければならないことが良くあります。最初の頃は板挟み状態で疲れ果てていましたが、だんだん慣れてきました。経験から、「個人的にはあなたのおっしゃるとおり」「普通、日本人は納得出来るんですが、上司は外国人なので納得しない」と本当のことを言い、「ひたすら低姿勢でお願い」すると、同じ日本人なので「貴女も大変ですね。」と同情されて、大抵は親切にして貰えます。私はUさんに言いました。「先日はお陰様で、デンマークとスペインの別荘にも御社のファックスを購入させて頂きました。上司も喜んでおりました。先日インドネシアの方でも、おたくさまのファックスを購入させて頂きました。」と。そして極めつけは、「個人的にも2ヶ月前に、御社のファックスを購入させて頂き本当にお世話になっております。」と、本当のことなのでそう伝えました。

Uさんは途中で笑い出してしまいました。そして、「わかりました。じゃ、うちの女の子にマニュアルをコピーさせて送りますから。」と言って下さいました。全く信じられない事です。翌日には分厚いコピーが送られてきました。Uさんだけではなく他の人をも巻き込んで、何百ページもあるマニュアルをコピーするのは、時間もかかり容易なことではなかったはずです。お礼の電話をかけた時、彼は言いました。「今度はコピーを取っておくことをお勧めします。」(言われる前にそうしてましたが、、、。)

私は、こういうことがあるたびにイエス様にお祈りして、良い結果をもらっています。そしてつくづく思うのです。私は、イエス様が一緒に働いて下さっているから、ここで何とか勤まっているのだなと。