母の死と時を同じくして“ある撮影”をきっかけに、今回の主人公である在日のおばあちゃんたちとの強烈な出会いがありました。
その“撮影”とは、80才を過ぎたおばあちゃんたちが、みんなで買い物に出かけるというものでした。


ハワイアンミュージックが流れる衣料品売場の試着室から出てきたのは、なんと50年ぶりに水着を着たというおばあちゃん。
大はしゃぎするそのまぶしいばかりの姿を目にした私たちスタッフ一同は、その後、彼女たちが泳ぐ姿を撮影しないわけにはいきませんでした。


以来4年間、おばあちゃんたちが置き去りにしてきた“青春”を取り戻していく姿を、撮影という形で見守りつづけてきました。

 

「夢は何んですか?」
ある日、おばあちゃんたちに聞いてみました。

「夢なんかないよ。ただ歌って、踊って、笑って…
今が夢のようだよ…」

今が夢・・・

生き生きとした夢見るはんめたちの姿に母への思いを重ねながら、
私は映画を花はんめと名づけました。