Mother Earth 絵本シリーズ 1

でんしんばしらがやってきた


でんしんばしらのひとりが、それをきいて、ちょっとわらいながらいいました。
「ぼくらは、でんしんばしらっていうんだ。
まっすぐなきの、えだをおとしてこういうかっこにつくられるのさ、
だから、はっぱや、ねっこもないんだ。」

「ふーん」「そうなんだー」
はなたちは、かおをみあわせながら、きいていました。

わかいひとりのはなが、あることにきがつきました。 それは、この、おおきなでんしんばしらが、ずっとたつことになると、 そのかげになって、おひさまをあびられないはなが、 たくさんでてきてしまうことでした。 げんに、いま、いつもとちがうひかりのなかできょとんとしているはなたちが、 いました。 わかいはなは、めのまえにそびえたつ、おおきなでんしんばしらにむかって、 せいいっぱいのこえでいいました。 「ちょっとー、でんしんばしらさん、あなたがそこにたつと、 おひさまのひかりをうけられないはなたちがいるんだけど、」 「そうかー、でも、ぼくたちは、このさきのむらに でんきをおくるために、 きめられたところにたっていなければいけないんだよ。これは、きまりだから、 かってに、うごくわけには、いかないんだよ。」 ひとりのおおきなでんしんばしらが、すまなそうに、こしをかがめながら いいました。 つぎのページ


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