鈴木宗男報道



鈴木宗男報道

田中真紀子氏更迭劇については、あの夜、小泉氏の軌道修正を感じ、落胆した
のだが、それはさて置き、今回の鈴木宗男氏の問題は、非常に面白く見せても
らっている。政治的な話もここで書きたいのだが、それも別の機会にまわし、
報道について、書くことにする。

3月3日のテレビ朝日で、鈴木氏の北方領土問題、前コンゴ大使問題をとりあ
げた何かの番組の中で、それぞれの国の関係者のインタビューを取っていた。
おかしいのは、ロシア人関係者(村の前自治会長)や、コンゴの関係者が、問
題の核心だと思われる部分で、鈴木氏の名を挙げながら答えている部分だけ、
翻訳のスーパーテロップが、出てこないし、ボイスオバーや、解説などが、一
切無いのである。
それまでは、インタビューの答えが、スーパーで出ていて、最後の部分だけ、
どちらもスーパーが入っていない。これは、入れ忘れなどではありえず、明確
な意図で外されたと見る方が、自然である。
それでは、いったい何故、誰が、外すように指示をしたのか、

テレビ局には、番組を、自局でチェックする機関、考査という部門がある。
オンエア予定の番組は、事前に必ずそこでチェックを受ける。
もし問題があれば、訂正(再編集、再ナレーション入れ)したうえで、送出さ
れる。
おそらく、その番組は生送出のニュースなどではないもので、考査に引っかか
ったのだろう。鈴木氏の関与を確信づける構成、および、インタビュー引用に
していたのだと考えられる。ナレーションで、確信付けるのは、作り手の意図
が、みえみえになってしまうので、インタビューの構成で、そうしようと、デ
ィレクターは考えた。そして、スーパーも、もちろん入れた。
しかし、鈴木氏の証人喚問も済まない状況で、そこまでやって、また、自民党
や、郵政から、圧力がかかるのを恐れ、そこまでやるなと、考査が判断したの
だろう。
結果として、一番大事なインタビュー部分は、訳が解らない外国語のみで、オ
ンエアーせざるおえなかった。というのが、私の推測である。

相変わらず、テレビ朝日はやってくれる。楽しい所である。

                                                              2002/3/7



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