冷静に!(北朝鮮拉致問題)



冷静に!(北朝鮮拉致問題)

北の拉致問題が 帰国によって急浮上して以来、また例によってメディアの暴走
が続いている。そんな中、11月14日、「週刊金曜日」という日本で唯一、
紐付きではない雑誌がバッシングを受けている。
私自身は、別に週刊金曜日のファンではないが、その成り立ちは、一切スポン
サーをつけない事で、彼らなりの中立性を保とうとする、大変志しの高い雑誌
である。(私はイデオロギーとして、違うと思う事も多いのだが)
その雑誌が、北朝鮮に居る曽我さんのご主人と、娘さんのインタビュー記事を
掲載し、それをご本人に届けた事により、曽我さんが動揺し、その日予定され
ていた記者会見などが、一切キャンセルされた。
15日の日本テレビのワイドショーでもその問題を上げ、例によって感情論で
しか語れないようなレポーターが、佐渡からの中継の中で、週刊金曜日を、極
悪非道のように語っていた。しかし
以前ダイアナ報道の時にも書いた事だが、そこまでその番組で否定するのなら、
同じ番組の中で、週刊金曜日の写真を転載するべきではない。
結局、自分達は撮る事の出来ない北に居るご家族の近影を利用しているじゃな
いか。
国家間のデリケートな問題と、番組中でも言っているし、どちらにしても当事
者は、想いは語る事が出来ない状況なのだから、週刊金曜日を否定する前に、
ヒートアップしているすべてのマスコミが、今は彼らの取材を自粛し、帰国し
た人々を取材しないで、そっとしておく事の方が、はるかに彼らにとって大事
な事ではないだろうか。
だいたい、23年前起こった拉致を、拉致ではないか報道したサンケイ新聞に対
して、黙殺し続けてきた政府、マスメディアが、“何をいまさら”である。
したり顔で、正義感を振りかざす前に、被害者家族に、報道機関として正式な
謝罪をするべきだろう。
いや、それが出来ないなら、インタビューするな!!流すな!!
冷静に・・・これは、もしかしてヒートアップしている私に対する言葉かも
しれない。

                                     2002/11/15 M






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