札幌青酸宅配事件で見えてきたもの
札幌青酸宅配事件で見えてきたもの
昨年12月、札幌のドクターキリコというハンドルネームの男性が、東京の女
性に青酸を送ったという件で、マスメディアは、一斉にその論調を「無法地帯
と言われるインターネットに、早急な規制が必要だ」と言う趣旨の内容を述べ
た。
ほー、普段言論の自由だとか、その昔ペンは剣よりも強し、とか言っていたメ
ディアが言論弾圧もありうる規制を促すか、 私はあきれた。そして見えて来
た。
十数年前、ある一つの出来事によってメディアの大きな取材ソースが消えた。
それは、過激派左翼により、警察無線がジャックされ、一時使用不能になった
事に起因している。
警察は国家の威信をかけて、松下電器にデジタル通信システムの開発を依頼、
数年後には、それまでの受信機では解読不能なデジタル通信網が、警察無線に
おいて確立された。
その時の新聞の論調は、市民生活を脅かす過激派の暴挙許すまじ だから警察
無線の安定的な通信確保のためにデジタル化は必須、だった。
しかし、その結果一番困ったのは、他ならぬ新聞、テレビの報道関係者だった。
何故なら、かれらが事件事故の第一報を流す、そのニュースソースのほとんど
は、110番通報を警察無線で傍受し初動取材により得て、警察の公式発表よ
り先に記事にしていたからだった。
そもそも、すべての無線通信を傍受する事自体は、電波法上非合法ではない。
だが、傍受だけではなく、そこにジャミングする電波を送信する人間が表われ
それが過激派だったために、良い子でありたいメディアは、上に述べた論調に
なったのであった。
それから、メディアは、警察の記者クラブの公式発表か、夜討ち朝駆けで、親
しい刑事から聞く非公式なリークネタをニュースソースの重要なものとして、
扱うようになった。
もうそうなると、かれらにベッタリ、でなければ、なにも書けない状況になっ
てしまう。それを甘んじて受けるようになった。
まして、テレビ放送は、免許事業である。
警察だけではなく、時の政治家の心証を悪くすればテレビ朝日の椿発言の様に
郵政大臣(当然自民党議員)から「免許更新させないよー」と脅される。
その上民放だと広告主の思惑もある。
結局、本当の事は解っていたって言えないタブーだらけの横並びマスゲームメ
ディアに成り下がってしまったのだった。
そこに急浮上したまったく新しいメディアがインターネット
何千万ものお金をかけて成立していたメディアの発信者としての既得権を、簡
単にゆるがす事も可能なこのメディアは、彼らにとって脅威になった。
だから、ゆさぶりをかける。
「おめーら、ただ同然の金で好き勝手な事書きやがって、俺達ゃ広告主や、政
治家や、警察や、あきっぽい読者、視聴者に縛られまくって書いてんだぜ、
勝手な事やってんじゃねーよ」っていう本音を「無法地帯と言われるインター
ネット、早急な規制が必要です」に翻訳し正論のように印象付ける。
私は思う
規制や、許認可は、極力無くしたほうがいい。
わいせつ罪の定義が、取り締まる側のあいまいな気持ち(社会的合意と彼らは
言う)で決められたりした様に、一度規制を法制化すると、時の権力者の思い
と違う意見を述べた時に、いつでも関係の無い所まで含めた家宅捜索や、イン
ターネットプロバイダに圧力をかけ、そのホームページの退去をさせたりする
ことが、出来るようになる。(現に猥褻ネタで、既成事実を作っている。)
現状ではインターネット関連の事件で、発信者の匿名性を、よく持ち出される
が、被疑者は、すべて割り出され逮捕されている。
そして、現行法の適用で十分立件されているのである。
それを、これ以上規制してどうしようと言うのか。
これは、マスメディアの情報独占欲と情報操作をしようとする者の利害が合っ
た結果なのだろう。しかし、それが世論となってしまってはいけない。
名も無き個人の意見を、世界的に発信する事が出来る唯一のメディアであるこ
のインターネットの規制には、反対する。
そういえば、いままでメディアは、名も無き個人の発言を、随分つぶしてるよ
なー
名も無きではないけど、宮崎学氏のホームページなんて、朝日の記者が、わざ
わざ警察をつついてプロバイダーに圧力を掛けさせ、排除させ、それをスクー
プ記事だとする自作自演(自ら警察に暴力団のホームページがあるけど取り締
まらなくて良いのか・・・とやったそうだ。そしてソレを「警察が発見しプロ
バイダーに、事情聴取した、」と言った記事にしたそうだ。)までやって・・
詳しくは、宮崎氏のHP(アメリカのサイトからいまも発信中)を見てほしい。
今回は、かなりの極論かもしれないが、こういう意見も誰かが言いつづけられ
なくなったら、まちがいなく日本は危ない国になってしまう、
だから、読み難かったかもしれないけど許してほしい。
1999/1/15 M
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