あれぇ おかしいぞ



あれぇ  おかしいぞ      

さる6月7日オオム真理教の全国のアジト(?)に、警察の家宅捜索が入った。
捜査令状をとるための容疑は、住居不法侵入だそうだ。
マンションのポストにビラを入れた事が、該当する。

例によってテレビは、警察官の手に、チェーンソーなどを映し出す。

恐い事が、少しづつ起こっている事を、多くの人は気づかず、慣らされて行く

何度もいうが、私は特定の政治団体や宗教を一切支持しない。
オウムが、正しいとは思わない。しかし、破防法を適用せず、現行法でおいこ
もうと、あせるあまり、今、警察は違法行為すれすれ(おかしているかも)の
摘発をおこなっている。

5年前、乗っていた乗用車のグローブボックスから、カッターナイフが出てき
ただけで、逮捕された信者。

マンションでビラを配った事で逮捕された信者。

オウムでなければ、およそ捕まる事の無い様な罪で、あげられる。

「オウムがやってるんだから特別だよ」と、誰かが言う。
「おいおい、法律の解釈に特別なんてないでしょ」
「あれだけの事やったんだから、仕方ないじゃん」
「やった(であろう)人物は、裁判で係争中です」

日本中からささやきが聞こえる。
「あいつら、やばい連中だから、いいんだよどんな事で捕まえても・・・」

いつから日本は、法律を相手によって解釈をかえて使うようになったんだ?
だとしたら、オウム信者には、人権はないのか?

普段、こどもの人権だとかって、偉そうに言ってるメディアも、何の疑問符
もなく、逮捕や、家宅捜索の報道を行う。

家宅捜索のときの威圧感のある、チェーンソー等の工具や、鳥かごは、警察
のパフォーマンスだと、ほとんどのメディアの人間なら気づいているはず、
気づいていながら、メディアは、それに乗じても抵抗感がない。
迫力のある画を撮る事より、正しい報道をこころがけるべきでは?

上九一色村での警察官突入のシーンを覚えているだろうか、
チェーンソーで扉の鍵を壊して入って行く警察官、
ニュースでは、そのシーンから必ず使われていたが、NHKの生中継では、
チェーンソーの数分前に、捜査員(確か2名)が、その扉から普通に入って、
信者と話しているシーンが写っていた(らしい・・・というのは、私は、そ
れを見てはいないのだが、調べれば解ることなので、あえて書いている)
そして、その捜査員が中に居るまま、扉は閉められ、チェーンソーのシーン
につながるのだ。
だったら、わざわざチェーンソーなんか出してこなくてもいいのだが・・・
ここは、見せ場、家宅捜索を拒み扉を開けないオウムに対して、強制的に、
突入した、正義の味方!!なんて演出を、出演者(警察)とドラマ製作者(
報道陣)が、協力しあって完成させた。

第七サティアンの捜査での鳥かごもしかり
世界でも有数の科学捜査能力をもつ日本の警察が、まるで、江戸時代の鉱夫
のごとく鳥かごを突き出して、サティアンに入る姿は、私には滑稽にしか見
えないが、あれも大事な演出であった。「すごく危ない毒ガスの所に、入る
んだゾ」と解りやすく見せるための大事なエキストラなのだ。

そんな、煽った映像ばかりを見せられたら、いろんな事に麻痺してしまうの
は、当然かもしれないが、見せる側も、見る側も、もう少し冷静にならなけ
れば、本当に日本は、おかしくなってしまう。
そして、それで困るのは、実は、私たち自身で、やがてゆっくりと、すべて
の事は、対岸の火事ではなくなって行き、わたしのホームページなどは、検
閲にひっかかり、ある日消えていたりして・・・
そこで誰かの声がきこえる。
「あいつは、危ないやつだからしょうがないじゃん」
「あれぇおかしいぞ、わたしはそんなに危ないやつだったんだ???」

                                                          1999.6・11




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