標準化(グローバルスタンダード)



標準化

物事は、一定の標準化を行った方が効率よく進む。時間もしかり、このインタ
ーネットの信号もしかり、ISO,JIS,JASなど標準化によって、品質
が保たれ、物流コストが下がり、安定した市場経済が成り立つ。

しかし、闇雲に標準化してはいけないものもある。
それは、民族のアイデンティティー、文化、はたまた宗教といったもの。

戦後我々は、アメリカが自ら為し得なかった理想的な法律のもと、その、文化、
思考、方法論など、様々な物を輸入し、それをよしとし、お手本として取り込
んできた。1960年代、テレビを通して見るアメリカは、便利な物の溢れた夢の
ような暮らしぶりだった。皆、追いつきたい一心だった。

ふと、気がつくと、日本も物質的には豊かな国になった。一般の家庭には、冷
蔵庫はもちろん、テレビは2台以上あり、携帯電話は、小学生でも持っている。
物の無い時代は、物を持つ事が豊かさの象徴だったが、ここまで物が溢れると
それが豊かな事かどうか、疑問を感じてくる。同時に、アメリカというお手本
にも、同じ思いを持つ。
「世界の警察官だから、国連の話し合いなんて関係なく他国の内政干渉みたい
な事で、爆撃したっていいの?」
「財務長官のポン友の私欲のためには、小さな国なんて潰しちゃう?」


今、アホな政治家のなかで流行している言葉に「グローバルスタンダード」と
いうものがある。

この、「グローバルスタンダード」日本語でいうと、国際標準化という事にな
るのだろうが、彼らの使い方は、ほとんどと言って良いほどアメリカからの、
外圧がかかった時、アメリカにならえと言う時に、出してくる。
しかし、本当にアメリカがグローバルな視野で、対外政策を行っていると思っ
ているのだろうか、

本気でグローバルを語るなら、一国の利権などに左右されない視野でなければ
ならないと思う。そして、その標準化が本当に多くの国の合意の上に成り立っ
ていないのなら、それにならう必要はない。
また、自国の文化まで捨てて、合わすことはない。

日本は今、大きなターニングポイントにある。
ここで、自分達が何なのか、自分達はこれからどこに向かって行くのがいいの
か、もう一度みんなで考え、政治に対しても意見してゆく事が、必要だと思う。

                                                   1999/7/22 M




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