第2回 千葉紗子の巻




佳以 前回からゲストコーナーを設けて、南少の卒団生や他のメンバーをゲストに呼んでみようということになったんだよね。
 前回は、元3期生の坂爪加奈ちゃんが遊びに来てくれたんだけど、久しぶりで懐かしかったよね。
佳以 そうだね。卒団生の人とかって、最近なかなか会えないから、こういう形で会えるのはうれしいよね。
 というわけで、第2回目のゲストに登場していただきましょう。
紗子 こんにちは、千葉紗子です。
佳以 やだぁーっ、紗子ぉ〜、久しぶり〜〜。
紗子 佳以も未も元気してた?
 うん、元気だよ。佳以は相変わらず変だけどね(笑)。
佳以 最近は紗子には年に何回しか会わないんだけど、でもね、なんか久しぶりって感じがしないのね。
 うん、わかるわかる。
佳以 私たちは、そんな関係なの(笑)。
――というわけで、久しぶりにFEELのメンバーが揃ったって感じだよね。
佳以 そうなんだよ、私たちってFEELなんだ(笑)。
紗子 FEELとしての活動は最近してないけどね(笑)。
 そんなわけで、今日のゲストは紗子ちゃんです。
紗子 はい、スペシャルゲストです(笑)。
佳以 私は、サブゲストね(笑)。
 えっ? じゃあ、私はなんなの?
――佳以ちゃんはこのコーナーのホステス(女主人)なんだから。困ったコだよねぇ。
紗子 ホントだよね(笑)。


ROCK TO THE FUTUREローラ役決定




佳以 紗子、おめでとう。
紗子 ああ、そうかぁ。佳以とは年明けて初めて会ったんだよね。あけましておめでとう。
佳以 あけましておめでとうございます――いや、そうじゃなくて(笑)、「ROCK TO THE FUTURE」のローラ役のオーディションに受かったでしょ。そのことだよ。
 ホント、すごいよね。1000人以上の応募者があったんだよね。その中から紗子が選ばれたんだもんね。
紗子 ありがとう。ほんと、自分でも信じられないよ。
佳以 あ〜〜〜、頑張ってね、紗子。こっちがドキドキしちゃうよ。ほら、手に汗が出てきちゃった(笑)。
 でも、最終選考で決まったのが12月15日で、初日が1月23日でしょ。練習期間が短くない?
紗子 そうだね。1ヶ月ないもん。12月28日が顔合わせだったし、途中休みもあったから、正味20日くらい。
 南少の公演のときより短いんだ。
佳以 ROCK TO THE FUTUREは再演だから、他の人たちは初演の時と同じメンバーなんでしょ?
紗子 そう。他の人たちは再演だからいいけど、私は初めてじゃない? まず、台詞覚えるところからはじめなきゃいけない。どうやって溶け込んだらいいのか、それもすごく心配だった。
 紗子の役ってどういう役なの? 西城秀樹さんの娘の役なんでしょ?
紗子 秀樹さんの娘でローラって役なんだけど、初演の時よりも重要な役になっているんだ。秀樹さんは前回は俺についてこい的な役柄だったじゃない。それが今回はドランカーっていうの? いつもいつもお酒を飲んでいる飲んだくれの役なのね。もちろん、最後はかっこよく決めるんだけどね(笑)。で、秀樹さんが飲んだくれな分、ローラが一人で頑張るって言うか、一人で背負う感じ。結構、重要な役回りになっている。大変だよ。
佳以 私、前回の赤坂BLITZの公演も観たんだけど、その時からローラ役って紗子にピッタリだと思ったの。
紗子 ウソでしょ? 佳以ってチョウシいいんだから。
佳以 (高野)蘭と観に行ったんだけど、「あれ、紗子にピッタリじゃない」って言ってたんだよ。本当だってば。


オーディション秘話




 オーディションってどんな感じだったの?
紗子 最初は書類審査で、応募書類とデモテープを送ったのかな。「ローラを探せ!」っていうオーディションだったんだけど、11月末が締め切り。1085人の応募があったんだって。
佳以 2次審査に選ばれたのが53人なんだよね。それだってすごいよね。
紗子 2次審査は大阪では12月7日にあって、東京では8日にあったのね。私は東京の審査に出たんだけど、その時は生で歌と演技とダンス、それに質疑応答があったのかな。
――15人が選ばれて最終審査が12月15日にあったんだ。
紗子 最終審査は演技の審査だったの。その場で演出の先生に演出してもらって演技をするわけ。
佳以 あなたはこういう役で、こういう台詞をって感じなの?
紗子 いや、抜粋台本があってローラの役をやったわけ。キッズ役の橋本さとしさんも来ていてね。


キッズ役の橋本さとし(劇団☆新感線)


佳以 歌は何歌ったの? 自分で好きな曲が歌えたの?
紗子 課題曲だよ。劇中歌っていうのかな、実際に劇で歌う歌。
 でも、すごいよね、1000人以上から選ばれたんだから。
佳以 自信とかってあったの?
紗子 私が書類を出したのは10月の終わり頃だったと思うんだけど、取りあえず出すだけ出しとこうかなって感じだった(笑)。2次審査も行くだけ行こうって感じ。ホント、そういうノリだったの(笑)。最終審査はちょうど大学の推薦入試の日で、入試を蹴って行ったから、それは結構賭けだったよね、自分にとっては。受かったからホント良かったんだけど。
――12月16日だったかな、いつも目覚まし替わりに聞いているTOKYO FMの坂上みきさんの番組で「ローラ役がオーディションで決まりました。都内の高校に通う千葉紗子さんです」って急に言うわけ。なんかどっかで聞いたことのある名前だなぁと思って(笑)、事務所の人に聞いたら、「うちの千葉です」っていうんで、ビックリしたよね。
紗子 自分でもビックリしました。
佳以 でも、本当、良かったよね。


稽古場にて



パンフレット&宣材用のローラ(千葉紗子)


 稽古はどんな雰囲気なの?
佳以 楽しかったこととか、辛かったこととか聞かせてよ。
紗子 そうだなぁ。稽古は12月28日から始まったの。年内は30日まで稽古があって、年明けは2日からというのが予定だったんだけど、30日に私と(黒田)勇樹君とのシーンの稽古があって、演出のいのうえ先生が「大丈夫じゃない。2日も休みにして3日からにしよう。3日の2時から」っていうのね。だから、3日の2時に稽古場に行ったの。だけど、3時になっても演出の先生が来ないの(笑)。いつも必ず5分前には来る人なんだけどね。14時を4時と間違えているんじゃないかって、それまで待とうと言うことになったのね。でも……。
佳以 でも?
紗子 来ないの(笑)。演出の先生、携帯持っていないし、自宅に電話しても留守電になっていて、連絡が取れなくて……。
 他の人は来ていたの?
紗子 みんな来ていたんだよね。で、せっかく来たんだから、前回までの部分を1回やって帰ろうということになって、6時くらいにみんな帰ったのかな。
佳以 結局、演出の人ってどうしたの?
紗子 翌日にはちゃんと出てきてね、みんなに謝っていた(笑)。3日からっていうのを勘違いしていて、3日まで休みと思いこんでいたみたい。3日は日光に行っていたって言うんだから(笑)。
佳以 紗子が勘違いしていたんじゃなくて良かったよね。
 佳以ちゃんじゃないんだから(笑)。
紗子 私って稽古の時ってすぐ泣くじゃん? だから、今回は絶対、他の人の前では泣かないって決めたの。でね、まだ1回しか泣いてないんだ。すごいでしょ、私にしては?
佳以 紗子にしてはすごい。
紗子 どうしても泣きそうになったときには、トイレに行って泣いてたけど。
――まるでどこかの誰かみたいだ(笑)。
紗子 そう、まるで、佳以みたいなんだけど(笑)。
佳以 私、よくトイレで泣くもんね(笑)。
 佳以ちゃんが稽古のときにトイレで泣くっていうのは南少では専売特許だから(笑)。
紗子 ともかく、みんないい人ばかりで。
佳以 なんか、そんな感じだよね、話し聞いてると。
紗子 最初はね、どう溶け込んだらいいのか分からなかったの。みんな実績のある人ばかりだし、初演のときのメンバーでしょ。私一人だけ、今回からの参加だしね。稽古場でもいつも端の方にいてね。椅子にも座れないし、他の人よりも前になんか絶対座れないのよ、怖くてさ。
 それはわかるね。
紗子 勇樹君が一番若いんだけど、私はその次に若いわけ。勇樹君は今回はあまり出番がないので、稽古にもそんなに来ないのね。だから、ほとんど、私が一番下なの。
佳以 南少では一番年上のお姉さんだったのにね。
紗子 そうなんだよね。今回は周りがみんなお姉さんやお兄さんばかりで。本当にかわいがってもらってるよ。
佳以 いい刺激になるよね。
紗子 秀樹さんもやさしいくて面倒見がいいの。みっちょんさんも世話好きで。
 みっちょんさんて呼んでるんだ?
紗子 なんて呼んだらいいか悩んだのね。ほら、普段佳以たちと話しているときは「みっちょん」とか言うけど、一緒にお仕事させていただくのにそうはいかないでしょ? 最初は芳本さんて呼んでたんだけど、なんか堅苦しいじゃん。美代子さんていうのもちょっと言いにくいから。周りの人はみんな「みっちょん」って呼んでるから、結局「みっちょんさん」に落ち着いたの(笑)。


服をくれた西城秀樹と芳本美代子


――演出は劇団☆新感線のいのうえひでのりなんだよね。
紗子 南少って演出家の人のこと、○○先生って呼ぶじゃない? 私はそれが普通だと思ってたから、「いのうえ先生」って呼んじゃうんだけど、みんな、誰も先生なんて呼んでないの。だから、みっちょんさんとかは「やだぁ〜、紗ちゃん、いのうえ先生なんて呼んでる〜。新鮮だわ〜」って言うし(笑)、他の人も「いのうえさん、先生なんて呼ばれちゃってどうすんの? 悪いことはできないぞ」ってからかうのね(笑)。「先生って呼ぶの、やめて。嫌なんだよ、おれ」っていうことになったんだけど、やっぱり癖っていうか、習慣になっちゃってるんで、先生って呼んじゃうね。
佳以 紗子はみんなになんて呼ばれてるの?
紗子 稽古の時は役名のローラで呼ばれることが多いかな。普段はみっちょんさんや勇樹君は「紗ちゃん」、秀樹さんは「千葉ちゃん」って。ああ、それですごくうれしかったことがあるの。稽古のときにいのうえ先生が「だれそれはこうして」とか演出するでしょ。で私への指示を出すときに「紗ちゃんは……」って呼んでくれたのね。いつも「ローラ」なんだけど。ヤッター!って内心思った。
佳以 わかるわかる。私も役名とか広橋さんなんて呼ばれていたのが、「佳以」って呼ばれるとすごくうれしいもん。
 そうなんだよね。演出の先生に名前で呼ばれると、すごくうれしいんだよね。
佳以 これでいただき!って感じだよね。
紗子 でね、次の稽古の日にね、「(キッズ役の)さとしはこうしてああして、それから……ローラは」って、もう名前忘れられていた(笑)。でもね、稽古は楽しいよ、すごく。


共演者について




紗子 もうすぐハタチだよ。大変だよ、ハタチだなんて。信じられない。南少に入ったのが16だったから。
 早いよねぇ。
紗子 早いよ。本当だよ。
佳以 私はまだ16だよ。もうすぐ17。
 私は15。もうすぐ16だけど。
――ぼくはあまり言いたくない。今年年男とだけ言っておこう(笑)。


テツヤ(弟)役の黒田勇樹


紗子 勇樹君なんてまだ14歳。とても14歳には見えないけどね(笑)。
佳以 背も高いしねぇ。
紗子 うん、大きい。勇樹君がいうのね、「紗ちゃん、やばいよ、お姉さんに見えないよ(笑)」って。
 勇樹君は弟の役なんだよね。
紗子 でも、喋るとやっぱり14歳って言うか、子供だよね(笑)。無邪気だし、いたずらっ子だし。ヒザカックンとかやるのね(笑)。
佳以 私もやりま〜す(笑)。
紗子 やんちゃ坊主だよ。役が喋らない役でしょ。だから、空き時間とかすごく喋って、みんなにうるさいって言われてる(笑)。
 見てくれはすごくクールな少年って感じだよね。
紗子 素顔はそんなことないよ。頭突きとかするし(笑)、おでこもたたかれたし(笑)。
――叩きたくなるおでこだもんなぁ(笑)。
紗子 今日着ているベストってズッカなんだけど、これ、みっちょんさんにもらったんだ。
佳以 え〜、うそ〜。いいなぁ。
紗子 秀樹さんにもプラダのダウンジャケットもらっちゃった(笑)。
佳以 え〜、私も欲しい(笑)。
紗子 稽古場がすごく寒かったんで、寒いですねぇ〜とか言ってたら、じゃあ、これ着てなよっていって、そのダウン貸してくれたのね。で、練習が終わってから、じゃぁ、このまま着て帰りますからって言ったら、秀樹さん、すごくあせって、ダメダメって言うんだけど(笑)、しつこく今日は寒いし、ダウンジャケット欲しいしって言ってたら、ついに根負けしてね(笑)。すぐにはあげないけど、稽古が終わったら初日にあげようってなったの(笑)。
 言ってみるもんだね(笑)。
紗子 実はその話には続きがあって。翌日も秀樹さん、そのダウン着てきたわけ。で、稽古場はすごく寒くて、飛行機のエンジンみたいにゴーッゴーッってすごい音がするストーブがあるの。稽古場に来ると、秀樹さんも寒い寒いって言って、ストーブにあたっていたんだけど、急に「千葉ちゃ〜ん!」って私を呼ぶのよ。なんですか〜?って行ったら、「このダウンあげるよ。着て帰っていいよ」って。ストーブの熱で少し融けちゃったのね(笑)。で、そのプラダのダウンは約束よりも早く私のものになったわけよ(笑)。ま、少し融けているんだけどね(笑)。


ROCK TO THE FUTUREの見どころ




――ROCK TO THE FUTUREの見どころなどを話してもらいましょうか。
紗子 やっぱり、D・LIVEっていうのは、「今、一番聴きたい音楽」と「今、一番見たいドラマ」をドッキングさせたライブ・エンターテインメントなんですね。だから、音楽の部分はライブ感覚で楽しめるし、お芝居はお芝居としてそれぞれが楽しめるんです。その辺がポイントですね。今回は再演と言うことで、物語も分かりやすくなったし、新曲も増えたし、観に来てもらえれば、そのおもしろさが分かってもらえるとおもいますんで、ぜひ、観に来て下さい。東京は2月9日まで20ステージありますし、大阪でも2月14日から15ステージあります。
佳以 私、観に行くから。チケットもちゃんと買ったんだよ。
 私はいつ行こうかなぁ?
――僕は初日にプレス向けのチケットで行きます。
紗子 コンサートへ行った時って、自分の知っている曲が演奏されると、すごく楽しいじゃないですか。ROCK TO THE FUTUREはCDも出ているんで、前もって買って聴いてから来て、自分も一緒に歌ったりしてもいいと思うんですよ。
佳以 まさにコンサートのノリだよね。
紗子 Millennium Eveの生演奏をバックに歌うんだけど、もう、病みつきになっちゃいそう(笑)。


最強(!)最後(?)のレディースバンドMillennium Eve


 生バンドか、いいなぁ。
紗子 ともかく、南少じゃない私を観てもらいたいですね。
佳以 紗子〜、頑張ってね。絶対見に行くから。
紗子 未も来てね。
 うん、絶対に行くよ。
紗子 今日はどうもありがとうございました。千葉紗子でした。