会計観の変化と内部統制

公認会計士

鈴木 人史

 ベレスフォードFASB会長は「公開資本市場が優越している結果、米国の会計基準は、投資家「債権者の意思決定に資することと、資本の提供者と資本の調達者との情報格差を埋めることをほとんど唯一の目的として作られています。」1)と発言している。この発言の前半は意思決定有用性アプローチ、後半は情報経済学的アプローチといわれる考え方である。このような会計観は、会計基準の設定プロセスばかりでなく、内部統制に対する考え方にも大きな影響を与えている。わが国の監査基準においても、内部統制の範囲が拡大され、経営環境の把握と評価が義務づけられた。そこで、「会計観の変化と内部統制」2)と題して、その影響を検討する。

 まず、日米の考え方の違いを象徴するものとして、実際のアニュアル・レポートに記載されている内部統制に関する「経営者報告書」を紹介する。つぎに、内部統制の重要性が強調される理由を3つの会計観 3)の変化から検討する。第1は、古典的な財産法と損益法である。第2は、意思決定有用性アプローチと効率的市場仮説である。第3は、情報経済学的アプローチ、特にエイジェンシー理論である。そして最後に、COSO報告書の内容を紹介し、その影響について考える。

目 次

  1. 経営者報告書
  2. 損益法と内部統制
  3. 効率的市場仮説と内部統制
  4. エイジェンシー理論と内部統制
  5. COSO報告書
  6. 注記
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Last updated on 9 April 1996
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