(AH)Breakout:Normandy徹底紹介&緒戦の戦い方
T.Sebata
ルール紹介
アバロンヒル社の「ブレイクアウト:ノルマンディー」(以後BKN)は、連隊/旅団規模(ドイツ軍は大隊もあり)で、ノルマンディー戦を上陸から扱った作戦級のゲームです。 1ターンは一日で、通常ゲームでは最初の一週間を扱い、拡張ゲームにすることで三週間のプレイが可能です。
このBKNは、巷では“アルンヘム方式”と紹介されています。 AH社の名作ゲーム「アルンヘム強襲」の姉妹ゲームだということです。
姉妹ゲームとひとまとめに括られていても、
どのゲームもテーマにあったシステムにするために、少しずつルールが変わっています。
その中でも四作目のBKNは、それまでの三作が戦術的な色合いが濃かったのに対して、まるっきり作戦級のゲームとして作られています。
マップは、外縁の5つのゾーン(Rouen、Chartres、Le
Mans、Laval、Rennes)と、その内側の60のエリアに分割されています。
スケールは1インチ=2.7マイルです。
マップの空いている部分には、プレイに必要なチャートやボックスが配置されており、AH社らしい手慣れた印象を受けます。
エリアの境界は、開豁地、大河、溢水の3タイプで表わされ、大河と溢水の境界は橋梁を持つ場合があります。
BKNのマップを見て、まず驚かされるのが、この橋梁の多さです。ノルマンディーの戦いをテーマとした他のゲームで、これほど橋梁が描かれていたものは無いと思います。
マーケット・ガーデンやバルジと見間違えるほど、橋梁の扱いが詳しくなっているため、ゲームの展開にも、この橋梁の扱いが非常に大きく関わってきます。
例えば、溢水境界は橋梁が無ければ渡れないことや、橋梁を渡れるのは一度に5ユニットまで、という制限は、プレイ中幾度となくプレイヤーを悩ませ、また、助けるでしょう。
ユニットは、表が未行動、裏が行動済みを表わし、次の5つに大別されています。
●歩兵
●装甲
●野戦砲兵
●FLAK/PAK
●沿岸砲兵
航空爆撃、艦砲射撃、ル・アーブル砲台は、砲爆撃マーカーとして表わされています。
ノルマンディー名物のヤーボによる航空妨害は、マーカーにするまでもないほどに当然と考えているのか、晴天時に2エリア以上移動しようとしたドイツ軍ユニットは、全て、混乱チェックを行なわなければならない、というルールによって表現されています。
このため、晴天のときのドイツ軍の行動は、史実通りに控えめなものにならざるを得ません。
プレイの手順は、D−DAY以外は次のようになっています。
1. 日の出フェイズ(増援を置く)
2. 昼間フェイズ(ドイツ軍から開始して交互にイムパルスを行なう)
3. 再装備フェイズ(補給集積所を置く)
4. 再編成フェイズ(ユニットを隣接する解放エリアに移動させる)
イムパルスには、強襲、砲爆撃、パスの3タイプがあり、強襲イムパルスでは、エリアを活性化することで、次の3つの行動が行えます。
1. 橋梁修理
2. 橋梁奪取/移動/強襲
3. 橋梁爆破
移動と強襲だけでなく、橋梁に関する行動も強襲イムパルスでの重要な目的になっています。
砲爆撃イムパルスは、文字通り、野戦砲兵や砲爆撃マーカーを使って、砲爆撃を行います。
ユニットの状態は、未行動、行動済み、混乱1、混乱2、の順に悪化していき、その上で除去になります。
したがって、防御側のユニットが少数ならば一回の強襲で蹴散らすことも可能ですが、ある程度の数がそろっている場合には、なかなか強襲の効果もあがりません。
そこで、実戦同様に強襲に先立って準備砲撃が必要になってくるのです。
砲爆撃では、ユニットの状態は各ユニット毎に一段階しか悪化せず、加えて、除去の結果も有り得ません。しかし、地形効果とその砲爆撃に対応した防御策以外には、不利な修正を受けないため、効果は期待できます。
ただし、タイミングを読み間違えると、準備砲撃を行なっただけで肝心の強襲を行なう前にターンが終了してしまった、ということにもなりかねません。
イムパルスがどれだけ継続するか、すなわち、ターンが何時終了するかの判定は、連合軍イムパルスに連合軍が振った最初のサイの目で判定されます。サイの目が現在のイムパルス・ナンバー未満の場合にターンが終了となり、等しい場合に天候が変化します。
天候が悪化したときのドイツ軍は、ヤーボが飛んでこないため、晴天時の鬱憤を晴らすかのように(事実、移動力+1、反撃時のペナルティーも無し)派手な行動を行なってきます。
ターンの最初から天候が悪化している場合には(第一週ならば4日目と6日目)、連合軍プレイヤーも覚悟が出来ているのですが、突然の天候の悪化、特に、未行動の部隊が少なくなってからの悪天候は、連合軍にとって致命傷になりかねないほど危険です。
BKNの一番の魅力は、ターンの長さや天候の変化といった、先が読めない部分かもしれません。
私は、このタイプのゲームは他にプレイしたことがありません。「アルンヘム強襲」では、時間稼ぎの駆け引きとして、あまり重要でない移動を行なってイムパルスを消費することもある、と聞いたことがあります。スケールの違いがそういったプレイに現れているのだと思いますが、相手がシビレを切らして動き出すのを待つ戦い方よりも、“為すべきことは多いのに全てを行なう時間がない”という時間に追われる感覚の方が、プレイしていて熱くなれるのではないかと思ってしまいます。
エリアの進入に必要な移動コストは、エリアの支配と存在するユニットによって決まります。また、渡河、航空妨害の他にも、各種の砲ユニットが敵支配下のエリアに進入する場合に条件が付きますが、どれも納得しやすいルールです。
強襲の解決は、まず、攻防共にいずれか1ユニットを選択し、そのユニットの戦闘力に未行動ユニットの数や地形効果などの修正値を加え、攻撃力/防御力を決定します。1エリアのスタック制限は10ユニットずつのため、場合によっては大きな差となります。さらに、互いにダイスを二個ずつ振り、その目を攻撃力/防御力にそれぞれ加え、その数の大きい方が勝者となります。
攻撃側と防御側がはっきりとしているゲームでは、戦闘解決は防御側にとって“見ているだけ”の場合が多いのですが、このシステムならば防御側も参加でき、退屈しません。ただし、元の攻撃力/防御力の差にかかわらず、ダイスを二個ずつ振り合うことで、とんでもない結果になることもあります。こうしたギャンブル性の強さは好みの別れるところだと思います。
戦闘解決に対する言い訳のつもりはないと思いますが、アドバンテージのルールは面白いルールになっています。アドバンテージは最初は連合軍が保持していますが、これを使用するか奪われるかすると、アドバンテージはドイツ軍に移ります。
アドバンテージの使用法は二通りあり、ひとつは、ダイスの振り直し、もうひとつは、ダブルイムパルスです。
ダイスの振り直しは、その名の通り、いずれか一つの攻撃の振り直しを強制でき、両プレイヤーが振り直します。ゲーマーの夢ともいえるルールですが、もちろん振り直した結果が更に悪かったとしても、今度はそれを受け入れざるを得ません。連合軍プレイヤーとしては、ターンを終了させてしまうような目を出してしまったときには即座に振り直しを要求したくなってしまうところですが、ゲーム終了時に1勝利ポイントとして数えられることから、ゲームの展開によっては決断が難しいところです。
ダブルイムパルスは、自身のイムパルスの間に一つではなく、二つのエリアを活性化するか、同じエリアを二度活性化することができます。これは、異なるエリア内で開始するユニットが単一の強襲に部隊を組み合わせることを認めるため、橋梁に囲まれたエリアに対しても、強力な強襲を組織することができます。
アドバンテージの奪取は、敵ユニットを除去することで行なえます。単一のイムパルス(ダブルイムパルスを含む)に、連合軍は1ユニット、ドイツ軍は3ユニットを失うとアドバンテージを失います。両軍とも、更に多くのユニットを失った場合やアドバンテージを保持していなかった場合には、1ユニットにつき1マス、日没DRMマーカーがシフトされます。これは、ターンの終了を判定するダイスに対する修正で、ターンを終わりやすくも、終わりにくくもでき、攻撃側がシフトの方向を決定できます。
アドバンテージという抽象的な概念は、ゲームで表現するのが難しいと思っていたのですが、BKNでは、その効果的な使用方法と、部隊の損失というわかりやすい移り方によって、うまく表現されていると思います。他のゲームでは、特別ルールやチット引きで表現されることが多かったのですが、個人的には理不尽さやぎこちなさを感じることが少なくなかったのです。
実際のプレイでは、相手に使用されたときの効果を恐れて、自分も使用しない代わりに、相手にも奪われないように守り通そうとしてみましたが、未だに成功していません。ゲーム中、どうしてもアドバンテージを使いたい場面は出てきますし、両軍とも、本気で部隊の除去を狙われたならば、なかなか守り切れるものではないのです。アドバンテージは“相手に移ったら取り返す”または“使われたら相手よりも効果的に使う”といった積極的な姿勢で考えていた方が有効な様です。
補給ルールも好感の持てるルールになっています。他のゲームと同様に、友軍支配下のエリアを補給源まで通せば補給線は設定できるのですが、補給ポイント(以後SP)がなければユニットにとっては“孤立していない”という以外に利点はないのです。孤立したドイツ軍ユニットは降伏チェックを行ないますが、連合軍ユニットには必要ありません。補給ポイントは補給集積所から供給されます。
再装備フェイズは、友軍支配下で補給下のエリアに補給集積所(両軍各6個)を置き、そこまで補給ルートをたどれるユニットにSPを与えることで、各ユニットを一段階だけ回復させることが出来ます。境界を越えたり、ユニットが混乱状態であったり、交戦状態のエリアを越えたりするたびに追加のSP消費が必要になるため、補給集積所の設置場所には頭を痛めます。補給集積所は、ドイツ軍は晴天時には5SPに半減しており(悪天候により増加する)、連合軍もビーチ毎に1個(オマハは2個)しか与えられないため、全てのユニットを再装備するのには、しばしばSPが足りなくなります。
SPが余った場合には備蓄して置くことが出来ます。備蓄といっても後のターンにユニットの再装備に使用出来る訳ではなく、唯一の使用方法はイムパルスの購入だけです。各プレイヤーは備蓄されている10SPを使って1イムパルスを購入することが出来ます。1ターンにつき3イムパルスまでという制限がありますが、このルールは非常に良いルールだと思います。
何らかの行動を行なえばユニットは行動済みになる訳ですから、SPが余るということは、意図的にパスや小部隊の行動でイムパルスを消費していたのでなければ、少ないイムパルス数でターンが終了してしまったと考えられます。ターンの終了は偶然に支配されているのですから、毎ターン少ないイムパルス数で終了してしまうことも有り得るのです。実際に三浦さんは1ゲーム中に三度、3、4イムパルスで終了させたことがありました。イムパルス購入のルールがなければ、運だけで勝敗が決まってしまうのです。このルールのおかげでそういった要素は少なくなりますし、SPの使用法を通して、プレイヤーにゲーム展開をデザインさせる効果も出てきたのです。現実と照らし合わせても、不活発なターンは大攻勢の準備と考えられなくも無いので、ゲームバランスを取るための非現実的なルールという批判は当たらないでしょう。
この他にも、連合軍は単一のエリアであれば、4ユニットまで航空補給を試みることも出来ます。ドイツ軍は、沿岸砲兵によって、連合軍のSPを減少させたり、増援を妨害したり出来ます。
再編成フェイズは、他のゲームでの夜間移動に相当します。全てのユニットがその状態を悪化させること無しに、隣接する交戦状態にない友軍支配下のエリアに移動できます。
昼間はヤーボに妨害され、再装備のためのSPにも余裕の無いドイツ軍にとって、1エリアとはいえ、状態を悪化させずに移動できるこのルールは救いのルールといえるでしょう。
勝利条件には、サドンデスになる強行突破と一週間毎に設定されている勝利チェックがあります。
いずれかの昼間フェイズの終了時に、いずれかのゾーン内に補給下の未行動ユニットをもつと連合軍の勝利になります。
拡張ゲームでなければ、連合軍は第7ターン(6月12日)の終了時に10以上の勝利ポイント(以後VP)を持つことで勝利します。VPは、補給線が通じ、連合軍が支配しているVPエリアから得られる他、シェルブールの孤立で2VP、シェルブールの支配で4VP、アドバンテージの所有で1VP、7VPに相当するVPエリアを支配はしていないが交戦状態にしていれば1VPが得られ、ドイツ軍支配下の各ビーチエリアにつき1VPを失います。
選択ルールによって、勝利に必要なVPは入札によって決定することも出来るため、競技性も高いゲームになっています。
プレイに必要な時間は、展開にもよりますが、慣れてくれば四時間程度です。YSGAの例会ならば、一日に二回プレイすることも、夕方からのマルチに参加することもできるでしょう。
戦術と作戦
BKNは、他のヘックスゲームと異なる特徴が多いため、ルールを読んだだけではプレイするのに抵抗を感じる人も少なくないようです。私自身も、まだまだコツがつかめたとは言い難いのですが、気が付いたことをまとめてみますので、今後のプレイの参考にしてみてください。選択ルールの拡張ゲームではなく、上陸後一週間のプレイを前提としておきます。なお、地名の後ろの数字はエリアナンバーを表わします。
◆ 連合軍 編
連合軍プレイヤーにとって、最大の敵は時間です。
通常は、必要な行動をすべて行なう前にターンが終了してしまうでしょう。数ターンにわたって何の行動も行なえないビーチが出てくることもあります。その時点で何をするのが最善かを見極めて、優先度の高い行動から行なうように心がけてください。パスをするのは、そのままターンが終了しても良いときだけにします。
部隊の少ない初期のターンやドイツ軍の反撃に備えなければならない悪天候のターンには、予定していた行動をすべて行なってもターンが終了しない場合がありますが、イムパルスが続くからといって不必要な行動を行なうことは、再装備のためにSPを必要とする点と悪天候になったときにドイツ軍の反撃に対応できなくなる点で自軍にとってマイナスに働きます。望ましい天候になるか、危険なドイツ軍が行動済みにならない限り、自軍にとってはターンが終了しているものと考えてください。
移動に先立つ行動としては砲爆撃が重要です。砲爆撃を行なうことの利点は数多くあります。
目標とするエリアのユニットを全て行動済みにすることが出来れば、強襲時の移動コストが少なくて済みます。必然的に相手の防御力と耐久力も下がるため、オーバーランの成功率の上昇につながります。オーバーランはオーバーキルになった場合に、残りの移動力を使って行動を継続して良いというルールです。オーバーランを利用して更に深く侵攻することや橋梁の確保を試みることを、連合軍プレイヤーは常に意識しておくようにしてください。
艦砲射撃と航空爆撃は毎ターン使用でき、自動的に回復するのですから、使わないのは損というものです。未使用で残っていれば、ドイツ軍の反撃に対して抑止力として働くことも考えられますが、航空爆撃は悪天候時には使用できないことと、イムパルスナンバーを進めない(第一イムパルスまでに 使えばターンの終了も天候の変化も心配せずに必ず使用できる)ことから、早い時期に使用するべきだと思います。
砲兵、特にアメリカ軍の軍団砲兵はゲーム中最大火力ですので、忘れずに景気よく撃ちます。
強襲時には、装甲ユニットと歩兵師団の組み合わせが最大の攻撃力を発揮します。移動力の違いから、装甲ユニットだけが突出する場合もあると思いますが、支配したエリアを単独で防御しなければならないのでなければ、再編成フェイズには出来るだけ歩兵師団に合流させます。
防御時には同一師団効果は得られないのですが、ドイツ軍の反撃は装甲師団によって行われる強力なものになるはずですから、耐久力を上げるためと攻撃時に同一師団効果を得ることを考えて、歩兵師団はまとめて行動させます。橋梁の移動制限が5ユニットですので、装甲+歩兵師団+砲兵その他、という組み合わせは使い勝手がよいのです。
地形効果が小さい艦砲射撃の範囲内にドイツ軍ユニットがまとまっていたならば、集中攻撃を考えてみてください。計画を変更してまで行なうことではないのですが、単一のイムパルスに3ユニット除去できればアドバンテージか日没DRMのシフトが得られます。3ユニットの損失にそれらの効果が加わるのですから、ドイツ軍にとっては大きな痛手となるはずです。ドイツ軍ユニットが少数で隣接エリアにばらまかれていたならば、オーバーランを利用した連続した勝利で同様の効果が得られる場合もあります。
勝利条件の達成の仕方は、上陸の結果次第になります。Omaha
Beach(30)に加え、Sword Beach(8)も苦戦すると思います。
イギリス軍は、Caen(10)を最重視してください。Caen(10)を支配することで得られる4VPはもちろん大きいのですが、支配に費やした時間によっては他のエリアへの侵攻が遅れるため、勝利に直結しないこともあります。AH社の「HANNIBAL」で例えれば“ハンニバルは殺したがイタリアを真っ青にされているローマ軍”といった状態です。しかし、Caen(10)はSword
Beach(8)、Juno Beach(17)の両ビーチに隣接しているため、ドイツ軍に増強されてしまうと両ビーチが危険になり、イギリス軍の内陸侵攻など不可能な状態になってしまいます。最低限、優勢な状態で交戦状態を維持するために、二個師団は投入しなければならないでしょう。
第6空挺師団の降下エリアであるMerville(7)は、1VPに相当しますが、そのままでは撤退する覚悟も必要なエリアです。維持するつもりならば増強する必要があるでしょう。防御に徹するつもりならばSword
Beach(8)から上陸するコマンド2個旅団で、攻勢に出るつもりならば師団規模で増強するのが良いと思います。5ユニットいれば一撃で全滅することはないはずです。ここはドイツ軍の装甲師団が増援として多数投入される地域のため、反撃を受けやすいのです。地形効果が小さいことから、第6空挺師団だけでは全滅することも有り得ます。もっとも、次のターンには反撃してきた装甲師団も数ターンにわたって使用不能になるくらいの損害は受けると思いますが。
Caen(10)東方の平地でドイツの装甲師団と死闘を演じようというのでなければ、イギリス軍の進撃方向はCaumont(23)の方面になります。2VPのBayeux(20)は比較的、簡単に支配できるはずです。地形効果も小さく、イギリス軍だけでなくアメリカ軍の艦砲の射程内にも入っていますので、砲爆撃の効果を考えればドイツ軍も居座り続けることはないでしょう。Bayeux(20)南方のエリアはVPエリアが多いのですが、ボカージュ地形の上に艦砲の射程外になります。装甲教導師団やFLAKが投入されることを考え合わせると、一つのエリアを支配するのにも苦戦することが予想されます。ゲームの期間中、上陸部隊と増援部隊を合わせると、イギリス軍の戦力は増強された6個師団になります。防御的な戦線を維持するだけで、Merville(7)に一個師団、Caen(10)に二個師団、Bretteville(16)に一個師団を必要とするため、Bayeux(20)以南への攻勢には二個師団程度しか向けられません。Caen(10)の西ではイギリス軍は3エリア分の戦線が限界であることを憶えておいてください。
アメリカ軍は行動の選択肢は多いものの、どれも一長一短です。Omaha
Beach(30)はSPが多いため主力になるのが相応しいのですが、ビーチを確保し、行動の自由を取り戻すのに3ターン程必要です。その後は、イギリス軍が苦戦している様ならば、Caumont(23)方面へ侵攻し、そうでなければ、St.
Lo(27)、あるいはUtah Beach(51)との連絡をつけるためにCarentan(44)へと侵攻します。Utah
Beach(51)は、Carentan(44)かCherbourg(58)方面へ侵攻するのですが、Montebourg(52)のMarcouf砲台を無力化しない限り、毎ターン9SPしか得られないため、単独では攻勢を維持し辛くなっています。
アメリカ軍の戦線は広いため、師団単位の部隊運用が難しい場合があります。防御の際には、危険の度合いを見極める必要があります。ドイツ軍に橋梁を爆破されても、侵攻の妨げにならないようならば修理をせずに防御に利用してください。Foret
de Cerisy(28)は、支配はもちろん、突入するだけでも困難が伴うでしょうが、戦線をここに設定できれば部隊の運用が楽になります。Isigny(33)、Catz(34)は必ず支配します。Carentan(44)では激戦になるかもしれませんが、艦砲射撃が行なえることと、ボカージュ地形でないことを頼りに支配を目指します。Ste.
Mere-Eglise(50)は問題無く支配できるでしょうが、他のエリアとのつながりと部隊数の多さから、スタック制限に気を付けてください。
第82空挺師団の二個連隊が降下するPont l'Abbe(49)は、危険なエリアです。ドイツ軍支配下の交戦状態エリアで艦砲射撃の射程外ですから、ボカージュ地形であってもドイツ軍の反撃が予想されます。SPに余裕があるようならば増強することも考えられますが、Ste.
Mere-Eglise(50)やCarentan(44)に比べて優先度が低いため、退却することになる可能性が高いのです。コタンタン半島のドイツ軍部隊は攻撃力は低いのですが数だけは多いので、集中されると脅威になり得ます。Pont
l'Abbe(49)が支配できればValognes(54)へ侵攻する可能性も出てきますが、艦砲の届かないボカージュ地形ですから、ドイツ軍の防御次第ということになります。ゲームの期間中、アメリカ軍の戦力は8個師団になりますが、第6ターン(6月11日)の増援には過度の期待は禁物なため、7個師団と考えた方が良いでしょう。また、ユタ方面の部隊は一個師団分のSPしか届かないものと考えて行動の計画を立てた方が良いでしょう。
いずれにせよ、連合軍プレイヤーが序盤に重視すべきエリアはCaen(10)であり、イギリス軍戦区です。アメリカ軍の活動が不活発なものになるのは仕方がありませんが、最低限、ユニットの安全だけは確保します。一つのエリアに目を奪われて全体のバランスを崩さないように気を付けてください。
勝利条件的には、今回説明してきたような展開では連合軍の勝利は危ういです。Caen(10)を支配できなかったとしてVPを数えてみると、Merville(7)1VP、Bayeux(20)2VP、Tilly(21)1VP、Isigny(33)1VP、Catz(34)1VP、Carentan(44)2VP、Ste.
Mere-Eglise(50)1VP、で合計9VPです。アドバンテージによる1VPや交戦状態エリアによる1VPが加われば勝利条件を満たせるのですが、上記のエリアの中には、激戦が予想されるエリアも時間的に展開するのが困難になるかもしれないエリアも含まれています。Caen(10)を支配できなかった場合に最低限、連合軍が進出していなければならないラインを示しただけなのです。ダイスの目に翻弄されながら、1イムパルスでも多く有効な行動を取れるように最善を尽くしてください。
■ ドイツ軍 編
晴天時のドイツ軍に出来ることは、あまり多くありません。移動の基本は、隣接エリアまでと考えてください。航空妨害をくぐりぬけて移動を行なうのは、緊急の場合だけに限ります。混乱1になったユニットは、次のターンには行動できないことを忘れないでください。交戦状態のエリアでなければ再編成フェイズに進入できるので、到着したいエリアの隣で移動を終えれば十分なのです。GENERAL誌のリプレイ記事にあるような晴天時に師団単位で長距離を移動させようとする試みなど、まさに“愚の骨頂”です。多数のエリアに行動済みのユニットを持つことは、SPの少ないドイツ軍にとっては負担が大きすぎます。節約したSPでイムパルスを買い取れるのですから、移動を行なう場合には、常に補給集積所の置き場所を考えながら行ないます。ただし、FLAKだけは速やかに分散させて晴天時にも移動しやすい回廊を設定します。Cherubourg(58)のFLAKならばコタンタン半島で南北に、第4ターンの増援ならば、Caen(10)の南方で東西に配置します。艦砲射撃の射程外のボカージュ地形であれば、FLAK単独でも、高い防御力になります。
装甲師団は師団単位で行動させます。未行動の装甲師団が攻撃可能な位置にいるだけで、連合軍としては、悪天候になった場合のことまで考えておかなければならないのです。存在自体が圧力になるのですから、反撃は効果的に行なってください。反撃に有利なエリアの条件は、地形効果が小さいこと、橋梁が無いこと、艦砲射撃を受けずにすむこと、が上げられます。橋梁がなければ最大10ユニットで行動できますし、一方的に砲爆撃を受けて反撃した次のターンに装甲師団をスクラップにされることの無いように、再編成フェイズに安全なエリアには退避できることも重要です。
東端からの増援にとって、Merville(7)は魅力的な目標ですが、艦砲の射程内なので展開次第ということになります。Merville(7)の南のエリアであれば、有無を言わさず全力で叩き潰します。そんなエリアに進出されるようでは敗色は濃厚です。橋梁越えになっても、行動済みの相手ならばVerson(15)やBretteville(16)での反撃に期待が持てます。Thury-Harcourt(12)に待機していれば、上記のエリアへの反撃は全て可能です。Caen(10)が完全にドイツ軍のものならば、より海岸に近いエリアで待機します(もちろんCaen(10)も可)。Bayeux(20)は、最も反撃に都合の良いエリアですが、連合軍が艦砲射撃を撃ち尽くすまでは、くれぐれも行動を起こさないでください。
悪天候の第4ターンには、装甲教導師団が到達可能な位置にいます。事前に砲撃を加えてから反撃すれば、効果は絶大です。Trevieres(29)やIsigny(33)も条件は揃っているのですが、反撃できるだけの兵力が集中できないでしょう。コタンタン半島のエリアでは、反撃というよりは防御の一環として交戦状態を続けることが必要です。
ドイツ軍プレイヤーにとって、橋梁の扱いは死活問題です。ゲーム開始時には、橋梁は全てドイツ軍の支配下です。爆破が行なえるのは自軍支配下の橋梁に対してだけであり、隣接エリアに敵ユニットが存在すれば、活性化するエリアに部隊が存在しない場合でも橋梁爆破は行なえます。橋梁が爆破されてしまえば大河を渡河できるユニットは歩兵だけになり、溢水境界を越えられるユニットはありません。しかし、対岸に未行動の部隊が多数存在していれば橋梁の奪取が不可能なことに対して、爆破された橋梁の修理を妨害する手段はありません。橋梁の修理はイムパルス中に行なわなくても再装備フェイズ中に行なえます。
また、連合軍プレイヤーが爆破された橋梁を戦線の一部として利用してしまうこともありますし、反撃の方向が限定されてしまうことでドイツ軍にとって不利に働く場合もあります。溢水境界の橋梁は修理できる確率が低いので爆破した方が良いと思いますが、大河の橋梁はむやみに爆破せずに自軍の作戦計画を考えた上で爆破してください。
各ユニットの役割を考えてください。ドイツ軍には移動力も含めてお粗末な数値のユニットが数多くあります。しかし、それらのユニットも強力なユニットの支援にまわす限りは非常に有用です。重要なエリアを守る際には、主力(砲爆撃を考慮して複数)と雑魚を組み合わせて耐久力を上げてください。
ドイツ軍の砲兵の火力は、連合軍と比較して著しく劣っています。私は、撃てる砲兵は全て砲撃に使っていたのですが、あまり効果があがった記憶はありません。未行動の砲兵は、砲撃に対して+1の防御修正になるのですから、むやみに使用せずに防御に専念していた方が良いのかもしれません。
BKNのプレイにあたって、主導権は連合軍プレイヤーが握ることになります。ただし、裏を返せば、連合軍プレイヤーはドイツ軍プレイヤーのミスを待っているだけでは勝利できないということでもあり、ドイツ軍プレイヤーには妨害に徹するという手段もある訳です。あまり胸を張れる方法ではないのですが、ゲーム上のテクニックも紹介しておきます。
連合軍の強襲が予想されるエリアでは2ユニット以下で防御を行ないます。これは、単一のイムパルスに3ユニット以上の除去を受けてアドバンテージや日没DRMのシフトを渡さないためです。序盤のターンでは、砲爆撃によって行動の自由を奪われて、為す術も無くユニットを除去されてしまう場合があります。再編成フェイズに、防御の必要性に関わらず、ある程度のユニット数が確保できるまでは意図的に分散配置を行なっておくというものです。
再装備フェイズに、9SPの備蓄が行なえるようならば、もう1SP分の節約を行なってイムパルスの購入を選択します。後のターンにまとめて購入することももちろん手段の一つですが、序盤に躓かせた方が後々の展開が楽になるはずです。
また、強襲される危険の少ないエリアまで後退できるようならば、混乱2になったユニットは再装備せずに放っておきます。混乱2になったユニットは、そのターンに再装備を開始しても行動が可能になるのは3ターン後です。全7ターンのゲームですから、重要度の低いユニットならば再装備をするだけの価値が無い場合もあります。この方法は、連合軍プレイヤーが行なう場合もあるでしょう。
▼ D−DAY
BKNのセットアップは全て指定されているのですが、連合軍プレイヤーは強襲上陸の部隊編成を自分で決定しなければならないため、いざプレイを開始しようとしても途方に暮れてしまいがちです。ドイツ軍プレイヤーも、ルールを把握しきれていない場合には、橋梁の爆破やパスを選択しがちです。
GENERAL誌VOL.29,NO.3(以後G誌)にはBKNの作戦研究記事が掲載されていますが、そこまで読むほどの物好きはそれほど多くはいないでしょう。
今回は、私の第1ターンの行動を解説しますので、プレイの参考にしてください。なお、砲爆撃や強襲に関しては、防御力に対する戦力差か、攻撃力対防御力の戦力比を示しておきます。
D−DAYの手順は、日の出増援フェイズが以下の四つのフェイズに変更になります。
1A.空挺降下フェイズ
1B.艦砲射撃フェイズ
1C.航空爆撃フェイズ
1D.強襲上陸フェイズ
1A.空挺降下フェイズ
空挺ユニットの選択できる行動は三つあります。
1. 強襲
2. 行動済みになることで橋梁を確保する
3. パス
最も重要な任務は橋梁の確保です。
イギリス軍の空挺ユニットは、Merville(7)に2ユニットが降下します。1ユニットは、必ずSword
Beach(8)への橋梁を確保します。もう1ユニットは、G誌では海岸砲兵への強襲を行なうことを勧めていますが、私はパスを選択します。BKNでは、第1ターンにSword
Beach(8)のドイツ軍を一掃できない場合が多いのですが、その場合、空挺ユニットの再装備は航空補給に頼らざるを得ません。私としては、航空補給はアメリカ軍の空挺ユニットに対して試みたいので、2ユニットとも行動済みにしてしまうのは避けたいのです。強襲を行なった場合、戦力比は3:3でサイコロ勝負になるということも理由の一つです。失敗したときの混乱が痛いのです。防御力に関しては、第2ターンにもう1ユニットが未行動の状態で降下してくるため、あまり心配する必要はないのかもしれません。
アメリカ軍の空挺ユニットは、Pont
l'Abbe(49)に2ユニット、Ste.
Mere-Eglise(50)に4ユニットが降下します。私はSte.
Mere-Eglise(50)に架かる四つの橋梁をすべて確保し、残りの2ユニットはパスを選択します。未行動のユニットは二つのエリアのそれぞれに残します。再装備フェイズを考慮に入れれば、全てSte.
Mere-Eglise(50)のユニットで確保した方が良いのですが、強襲に対する防御力とドイツ軍による橋梁の奪取の成功率を下げるために未行動のユニットが必要なのです。G誌では、橋梁の奪取の妨害のために、さらに1ユニットを未行動としていますが、そのためにUtah
Beach(51)からの橋梁の確保を行なっていません。Ste.
Mere-Eglise(50)のドイツ軍が増強されないようにするための選択だと解説されているのですが、問題の橋梁は溢水境界に架かっているため、爆破された場合にはユタ戦区にとって致命傷に成りかねません。Ste.
Mere-Eglise(50)の確保のためには、歩兵師団の到着こそが一番だと思うのです。
1B.艦砲射撃フェイズ
ここでは、各ビーチに対して8火力で砲撃が行われます。砲撃目標はもちろん沿岸砲兵です。+4差(ユタのみ+5差)の砲撃ですから、悪くても沿岸砲兵くらいは行動済みになって欲しいところです。
1C.航空爆撃フェイズ
艦砲射撃の結果次第ですが、優先順位が幾つかあります。
1. ビーチに残った未行動の沿岸砲兵
2. Port-en-Bessin(19)
3. Grandcamp(31)の沿岸砲兵
4. Merville(7)
未行動の沿岸砲兵は、侵攻ユニットを妨害できます。そのため、ビーチに隣接している未行動の沿岸砲兵が優先目標になります。特に、ビーチの沿岸砲兵が未行動のままでは、耐久力の点からも障害となります。Port-en-Bessin(19)は、Gold
Beach(18)とOmaha Beach(30)の両方を妨害できる位置にあるため、ビーチ以外では最優先の目標になります。ここは、イギリス軍でもアメリカ軍でも爆撃できるため、目標選択上の負担にはなりません。
Grandcamp(31)は、3ユニットをまとめて行動済みに出来る可能性がありますが、FLAKによる防御修正が加わります。
Merville(7)には、沿岸砲兵1ユニットしか目標はいません。
状況に関わらず、ユタ戦区に対する航空爆撃は必要ありません。
1D.強襲上陸フェイズ
ルール上、少なくとも1ユニットは各海岸への強襲上陸を試みなければなりません。しかし、このフェイズに限っては上陸できるユニット数に上限はありませんから、全力で強襲を行なうことも可能です。
ただし、強襲上陸フェイズにはオーバーランがありませんので、橋頭堡を拡大するためには、続く昼間フェイズに行動するための後続部隊を残しておかなければなりません。各海岸における強襲上陸部隊の編成例を以下に示します。各海岸のドイツ軍ユニットは艦砲射撃により沿岸砲兵のみが行動済みになっているものと仮定します。
Sword Beach(8)の防御力は“9”です。Merville(7)の沿岸砲兵に妨害されなければ、イギリス軍が全ユニットで強襲を行なうと攻撃力は最大で“13”になります。しかし、ここではコマンド部隊を1ユニット残しておきます。強襲上陸に失敗した場合には、恐らくは上陸できなくなってしまうでしょうが、ビーチが一掃できればこのユニットでMerville(7)を増強することや、Douvres(9)を経由してJuno
Beach(17)と連絡を取る事ができます。ビーチを一掃できなかったとしても、防御施設を破壊できていれば、砲兵を伴って上陸することができます。攻撃力を“1”上げることよりも、後の展開を有利にするための選択です。
Juno Beach(17)の防御力は“6”です。カナダ第3歩兵師団の3個旅団で強襲上陸を行ないます。攻撃力は“9”です。“+3”の差があれば、両軍のダイスの目が同数であったとしても行動済みの沿岸砲兵ならば除去することができます。機甲旅団を残しておくのは、その攻撃力と移動力の大きさからオーバーランの起こり得る昼間フェイズの方が活躍の場が多いためです。砲兵は再編成フェイズに上陸させます。沿岸砲兵に妨害される恐れが無いならば、再編成フェイズに上陸することでイムパルスとSPの節約になります。
Gold Beach(18)の防御力は“6”です。イギリス第50歩兵師団の3個旅団で強襲上陸を行ないます。この師団は他の師団よりも戦闘力が低く設定されているため、攻撃力は“8”です。機甲旅団や独立歩兵旅団を加えれば強襲上陸の成功率は上がりますが、これらの部隊は、Port-en-Bessin(19)の沿岸砲兵を除去するため、あるいは、Bretteville(16)、Bayeux(20)への内陸侵攻を目的として残しておきたいのです。
Omaha Beach(30)の防御力は“10”です。アメリカ軍が全7ユニットで強襲をしても攻撃力は“14”です。一撃でビーチを一掃することは、ドイツ軍プレイヤーが許してくれない限り不可能でしょう。この事からも「ブラッディ・オマハ」という言葉が脳裏を過ぎるのですが、それでも第29歩兵師団の2個連隊は後続として残します。これにより、Omaha
Beach(30)に対するアメリカ軍の強襲は、“12”と“7”の二回、あるいは、“12”、“6”、“6”の三回が可能になるのです。ただし、最初の強襲上陸が失敗に終わるようだと後の展開が非常に苦しくなります。この場合だけは、アドバンテージを使用してダイスを振り直すことも考慮するべきです。
Utah Beach(51)の防御力は“3”です。ここでの連合軍プレイヤーの考慮すべき対象は、ビーチに隣接する二つの沿岸砲兵です。未行動の沿岸砲兵が2ユニット存在するということは、強襲上陸を行なうユニットは“三分の一”の確率で妨害されるということです。第4歩兵師団の3個連隊で強襲しても、確率から考えれば同一師団効果は得られないはずです。それならば、1個連隊を予備として残し、2個連隊で強襲を行なっても大差は無いはずです。沿岸砲兵の妨害の結果として1個連隊による強襲になったとしても、攻撃力は“7”あるのです。決断を下す要因は、Utah
Beach(51)の確保のためにイムパルスを幾つ使用しても良いかにかかっています。因みに、Ste.Mere-Eglise(50)の防御力は“6”のため、私はD−DAY中にそこまで進出することは考えていません。
昼間フェイズ
強襲上陸後の展開についても、連合軍に関しては簡単に触れておきましたので、ドイツ軍の対応についても触れておきます。昼間フェイズは“0”イムパルスのドイツ軍から始まります。
まずドイツ軍プレイヤーが行なわなくてはならない行動は、Caen(10)からBretteville(16)へFLAKとPAKを移動させることです。Bretteville(16)には部隊が存在しないため、そのまま放置しておくと、イギリス軍の機甲旅団によってVillares-Bocage(14)やTilly(21)といったVPエリアまで進出されてしまいます。Caen(10)の防御力が低下することを嫌って、橋梁爆破で済ませようと考えたこともありましたが、そんな不確実な手段に頼るにはあまりにも重要なエリアです。また、この移動を行なったとしてもCaen(10)の防御力は“10”残り、イギリス軍が1個機甲旅団で強襲を行なっても“7:10”の戦力比にしかなりません。この移動を行なってもBretteville(16)の防御力は最大でも“6”ですから、危険が無くなる訳ではありません。オーバーランが成立すれば、やはりその先のエリアに進出されてしまいます。耐久力を上げるためにFLAKを随伴させるのです。
手薄になったCaen(10)は第21装甲師団で増強します。所属のユニットはBourguebus(5)に集結させ、再編成フェイズにCaen(10)へ進入させます。この移動を阻止するために、不利を承知で連合軍プレイヤーはCaen(10)への強襲を行なってくるかもしれませんが、そこまで警戒するのは難しいでしょう。
強襲上陸の結果次第になりますが、Omaha Beach(30)に配置されている砲兵ユニットが未行動で残せるようならば、有効な行動があります。そのためには、沿岸砲兵や歩兵ユニットで損害を吸収しなければなりませんが、師団砲兵でOmaha
Beach(30)に“4:1”の砲撃を行なうのです。第1歩兵師団を混乱させることができれば、この戦区で1ターンの余裕が得られます。St.Lo(27)の軍団砲兵をOmaha
Beach(30)に隣接するエリアまで移動させておけば、第2ターンには、さらに戦果が期待できます。
これ以外の行動は、特に私から指摘するようなことはありません。SPを消費する覚悟があるならば移動を行なうのもよいでしょうし、橋梁に関する行動を行なうだけでも良いと思います。繰り返しになりますが、くれぐれも再編成フェイズに行なえる移動をイムパルス中には行なわないでください。

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