The Civil War デザイン:Eric Lee Smith 2人 6時間以上 VG30003

 1861年から1865年にかけて戦われたアメリカ南北戦争の全期間を扱った戦略規模のゲームである。地図は大型のもの2枚で、当時戦場となった地域をすべてカバーしている。真ん中にミシシッピ河が流れ、この河の支配が史実と同様、戦略上極めて重要となる。ちなみにワシントンとリッチモンドとの距離は5ヘクスである。また、北軍所属の州は青色、南軍所属の州は灰色で色分けされているので、南北戦争についてなじみの薄い日本のゲーマーにも分かりやすい。
 陸軍部隊は、戦力ポイントで表され、1戦力が約5000人に相当し、さらに、この部隊を指揮する指揮官駒がある。19世紀以前の戦争を扱った他のゲームと同様、このゲームでも指揮官の能力が戦闘に与える影響は絶大である。命令ポイントを消費しながら作戦するこのゲームで、リー将軍の率先能力2は非常に重宝する。対する北軍競技者は、戦争初期の無能な指揮官に泣かされたリンカーン大統領の苦労を嫌と言うほど思い知るだろう。海軍部隊は、数隻をまとめて1駒としている。甲鉄艦には艦名も記されているので、モニター対バージニアの戦いを再現できるかもしれない。
 ルールは簡単とは言い難く、手軽にできるゲームではないが、南北戦争の全体像をとらえた好ゲームである。






PACIFIC WAR デザイン:Mark Herman 2人 1時間以上 VG30013

 太平洋戦争全期間を扱う戦略規模のゲームである。パイロットの養成ルールはあるが生産ルールは存在しない。マップは2枚だが重複する部分が多いので、それほど大きくはない。海軍部隊は、艦隊型空母と戦艦は1隻で1ユニット、巡洋艦以下は2ー4隻で1ユニットで表され、なぜか、戦艦ティルピッツがいたりする。陸軍部隊は、師団を基本として、旅団や大隊も登場する。航空機は機種別ではないものの、エンジンの数で特徴をある程度表現しようとしている。全体に、わりと細部にまでこだわっており、航空機のパイロットの練度は勿論、巡洋艦の搭載する水偵や、水上砲撃戦の砲戦距離と砲撃力の関係が表現されていたり、日本軍機によるアウトレンジ攻撃も再現できたりもする。
 当然のことながら、ルールは非常に難しく、ゲームの手順も複雑で、長期戦シナリオ以上をプレイする為には、ある程度の決意が要求される。
このゲームの特徴として、両軍が与えられた作戦ポイントにより部隊を行動可能状態にして作戦を遂行していくことが挙げられるが、両軍ともこの作戦ポイントが十分でなく、大いに悩ませられることとなる。ちなみに、このゲームでの「大和」は、役に立たないばかりか、もし、出来ることなら売り払ってやりたいとまで思う存在となるだろう。






ANZIO デザイン:Dave Williams 2人 4ー20時間 AH704

 第二次世界大戦のイタリア戦線を扱った作戦、戦略規模のゲームである。地図は2枚でイタリア半島のほぼ全域をカバーし、駒は基本的に師団規模となっている。ブラジル第1師団をはじめ、ふだん見たこともないような部隊が登場するので、部隊に思い入れのある方は喜ぶかも知れない。勿論、映画「ベストキッド」のミヤギさんもいたという(?)有名な日系人部隊、442連隊も登場する。ただ、部隊駒に両面印刷がされておらず、戦闘で損害を受ける度に部隊駒を取り替えなければならないのは少々面倒ではある。
 イタリア戦線は、ノルマンディー上陸以降、次第に戦略的価値を失っていったが、このゲームでは、イタリア戦線をどの程度重要視するかも、ある程度プレイヤーの判断に委ねることでゲームに幅を持たせている。つまり史実通りの認識なら、指揮下の部隊の多くは、次第に重要となる他の戦線に引き抜かれ、逆に、よりイタリア戦線を重視すれば、史実より多くの部隊を指揮下に置くことが出来る代わり、勝利条件が厳しくなるといった具合である。もっともイタリア戦線の戦略的価値云々と言う前に、ナチ親衛隊装甲師団を投入したいというのが最強戦力投入表を選択するドイツ軍プレイヤーの本音だろう。このゲームは、西部戦線ゲームのような派手さはないが、険しい地形で消耗戦を繰り返すイタリア戦線の全体像を見事に再現しているといえる。





THE RUSSIAN FRONT デザイン:Neil Zimmerer 2人 2-18時間 AH865

 第二次世界大戦の東部戦線を扱った作戦、戦略規模のゲームである。1ターンが1ヶ月に相当し、ユニットはドイツ軍が軍団規模、ソ連軍が基本的に軍規模で、この他に空軍と海軍もユニット化されている。
 前作“THE RUSSIAN CAMPAIGN”と同じ規模、同じ時期を扱っているが、ゲームのシステムは大きく異なっている。前作と比べてのゲーム展開の違いは、最初の1年目が特に著しい。ドイツ装甲軍団の突破と戦線後方に取り残され包囲されるソ連軍歩兵が前作より遥かにリアルに再現できる。部隊も複数のステップを持つようになり、前作のように一撃で軍団が何個も吹き飛ぶという事はなく、強力なドイツ軍が次第に消耗していく様を見る事が出来るようになった。勿論、ロシアの冬のルールもある。また、ソ連軍も空軍ユニットを持っているので、ドイツ軍が制空権を失っていく様子もわかる。この他、戦闘序列表も精密になり、ソ連軍の親衛隊昇格ルールやルーマニア軍とハンガリー軍のスタック禁止など東部戦線らしいルールも増えているが、ルールはそれほど難しくなく、容易にプレイできるゲームである。





THE RUSSIAN CAMPAIGN  デザイン:Jhon Edward 2人 6時間 AH718

第二次世界大戦の東部戦線全期間を扱う作戦、戦略規模のゲームである。ユニットの規模は、ドイツ軍が軍団規模、ソ連軍が軍規模で、ヒトラーやスターリンのユニットがあったりする。また、空軍力を抽象的に表すものとしてシュトゥーカ・ユニットがあるが、なかなか凶悪である。1ターンは、実際の2カ月に相当する。
 このゲームでは、ドイツ軍の初期配置の制限が穏やかなので装甲軍団の主力を南方軍集団に配置するといったことを試したりできる反面、第2装甲集団の配置されたブレストリトフスク南方は大森林地帯となっており、史実通りの配置する人は、まずいないだろう。また、ロシア戦線と言えば冬将軍だが、このゲームでも冬はソ連軍にとって強い味方である。天候はサイコロを振って決められ、最初と2年目の冬にドイツ軍の戦闘力が半分になるというルールがあるので、秋になるとドイツ軍は冬ごもりのための集落をさがして右往左往することになるだろう(都市か、その周辺は戦闘力が半減しないため)。しかし、雪の降るのが史実より遅い場合、特に9月と11月が両方とも晴れてしまったような時のソ連軍プレーヤーは、悲惨としか言いようがない。
 このほか、パルチザンや労働者、空挺降下などのルールがあるが、全体にルールは極めて簡単で、このテーマを扱うものとしては、最も手軽にプレイできるゲームである。