7月8日

関さんとともにさいたま市役所の文化財保護課を訪問する。「小室山が競売にかけられている。なんとかならないものか。」と相談する。担当者が「遺跡はここだけではない」と言うので、「財務局でも同じことを言われた」と申し上げた。

対応してくれたのは、山形さん、中村さん、橋本さん。中村さんは、馬場小室山遺跡の発掘調査に長く関わってきた方。いろいろ話を聞いていただいた。

当方が「小室山からはたくさん土器が出る。地元の建設業の方は、ああいうところは買わない、と言っていた。調査にはたいそうお金がかかるのではないか。」と言うと、中村さんは深くうなづいていた。

「小室山を保全するために、市で遺跡を指定することはできないのか。」と言うと、山形さんは「掘ってみないとわからない」ということだった。

そこで浦和市教育委員会が出した「浦和市出土品100選」を示して、「県指定となった人面画付土器も出たところだ」と言うと、「それは馬場の区画整理に伴う発掘調査で出てきたものだ」とのこと。

さきたま出版会からだされた「馬場小室山遺跡」の本を示して、「こういう本にもなっているくらいだから大切な遺跡なのではないか」と言うと、中村さんが「その本は私も書きました」とおっしゃる。本の奥付を見ると中村さんの名前がある。

本の出された当時から、長く関わっている方がいるのなら大丈夫ではないか、と思う一方で「遺跡を守ろうという意気込みは、あんまり感じられないなあ。」と、夫婦で話しながら帰宅した。

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