、 三室の緑

三室は、古くから農家が守ってこられた美しく豊かな林が点在するところです。見沼たんぼからの緑の回廊(ビオトープネットワーク)にはキツツキやフクロウも生息し、市街化の進むさいたま市にあってやすらぎのある希少な場所になっています。しかし、世代交代が進むなか守ってきた土地を手放さなければならないという問題を、多くの農家が抱えています。「小室山」もその例です。持ち主の方は守ってこられた土地を現在のまま保全するよう働きかけをなさり、物納されたのでした。しかし、日本経済が低迷するなか、国はこの山を競売に出したものと思われます。
現在の小室山は、東側がさいたま市の市有地、西側が国有地となっています。東側の市有地部分は文化財が多く出土する土地ということで、旧浦和市が買い取ったといわれています。しかし西側の国有地部分(大字三室字東宿2017-2面積4100.46 m2)は、本年8月25日より財務省関東財務局が競売にかける方針です。


、 教育環境として

小室山の北側に隣接して、さいたま市立三室中学校があります。中学校の生徒たちは窓の外の小室山の緑を見ながら生活しており、次代を担う生徒たちの情操教育や総合学習の場として、将来の小室山の持つ役割が期待されています。


、 縄文時代の遺跡

小室山一帯は馬場小室山遺跡と呼ばれ、昔から土器の出る山として知られています。三室小学校の生徒が歴史の学習のために訪れる場所でもあります。「人面画付き土器」が発掘された時はNHKニュースでも取り上げられました。この土器は国立博物館にも展示された全国的に有名な縄文土器です。しかし、近隣の開発が進み、馬場小室山遺跡のうち、縄文土器を包みこんだままの姿で次の時代に残せるのは、この小室山の部分だけとなってしまいました。

小室山と三室中学校

浦和市教育委員会発行
「浦和市出土品百選」より
馬場小室山遺跡出土
「人面画付き土器」

同 「釣手型土器」

◎小室山を残すために

そこで、近隣の有志が相談して、小室山を残すために署名を集めることになりました。さいたま市に対しては、西側の国有地の買い取り等も含め、小室山を保全するための方策を早急に決めるよう、求めてまいります。また、国有地を管理する関東財務局に対しては競売の中止を求めていく方針です。
ぜひ、署名にご協力いただきたくお願い申しあげます。なお、署名は年齢やご住所の制限はございませんので、ご家族やお知り合いの方に幅広く呼びかけていただければ幸いです。

署名依頼者
期限8月17日(日)

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