2004年10月17日
さいたま市教育委員会 文化財保護課 小山 広行 課長 様
(ご参考:さいたま市議会議員 高柳 としや 様)
(ご参考:日本考古学協会会長→埋蔵文化財保護対策委員会委員長→委員各位)
日本考古学協会会員
鈴木 正博
馬場小室山遺跡の「残存埋蔵文化財」取り扱い危機管理対応の件(要望書)
本日早朝にFAX及び投函致しましたが、10/15付(株)アイダ設計からの回答文書を真摯に受け止め、10/16付「馬場小室山遺跡の「残存埋蔵文化財」取り扱いに対するアイダ設計回答の件(要望書)」を纏めている最中に、正にアイダ設計からの回答が最後通告となり、重機作業による破壊が「残存埋蔵文化財」対象地へと移行しました。
その状況については現地で多くの方々が確認・心配し、またその様子は馬場小室山の問題を真剣に考えている方々の以下のホームページで全国に紹介されました。
1.http://homepage1.nifty.com/sawarabi/
2.http://www.geocities.jp/chibaiseki/
このように馬場小室山遺跡が最大の危機に直面している非常事態に至ったのは、馬場小室山遺跡の重要性が貴長及び貴管下職員に周知されていなかった点が最大の原因ですが、その重要性を事業者に説明していたと思い込んでいた我々にも責任の一端があると反省し、下記の通り、事業者への説明責任遂行に是非とも協力・支援させて頂きます。
併せて、さいたま市の埋蔵文化財保護行政におけるこのような非常事態に対応するため、下記の通り、危機管理対応の充実・強化を強く要望します。
記
1.馬場小室山遺跡の重要性の全国的訴求
9/16付要望書にて情報公開についてご理解頂きました通り、研究者ボランティア期間に記録(含写真)され、
共有化された情報を活用し、整理以前に限定した馬場小室山遺跡の重要性と調査の意義を全国的に紹介します。
第1弾として、「環状盛土遺構」研究の第一人者である明治大学助教授阿部芳郎氏にお願いしました原稿をプレスリリース(編集前原稿別添)しましたので、今週中には周知される予定です。
2.「残存埋蔵文化財」取り扱いに関する危機管理遂行の強化
10/16付要望書にて文化財保護の立場と事業者の立場との調和を求めて努力すべき施策を明確にしましたが、事前に最悪の事態を想定して、10/11付要望書にて「「残存埋蔵文化財」取り扱いへの対応は、大掛かりにするようなコスト依存型ではなく、貴管下の試掘調査担当や研究者ボランティア、あるいは市民ボランティアを効率的に活用することにより、十分対応可能と思量します。」と提案した経緯があります。
貴長におかれましても、事業者による「残存埋蔵文化財」破壊という局面への危機管理対応は十分に準備されていることと存じますが、研究者ボランティアも次の発起人を中核とした拡大体制で支援しますので、埋蔵文化財保護の危機管理を、市教委・地域住民・研究者ボランティアが一体となった体制として強化・実施して頂きますよう要望します。
古学専攻大学教官代表発起人 : 阿部 芳郎(明治大学文学部)
埋蔵文化財研究業務企業代表発起人 : 角張 淳一(考古学研究所(株)アルカ)
日本考古学協会在住会員代表発起人 : 鈴木 正博(さいたま市緑区在住)
地域住民代表発起人 : 飯塚 邦明(さいたま市緑区三室在住)
以 上