さいたま市議会を傍聴

12月13日(月)

12/13のさいたま市議会を鈴木正博氏といっしょに傍聴しました。私のメモを参考に当日のやりとりを思い出すと次のようなものでした。

鳥海敏行議員の一般質問

予定より50分遅れて、3時20分から始まりました。議員の「小室山」関係の質問は以下の通りでした。

平成10年9月に文化庁からの通達で、遺跡の保護や史跡指定の推進、調査の円滑化をはかるよう求めせれています。馬場小室山遺跡からは埼玉県指定の「人面画付土器」等の出土があり、縄文の正倉院といわれている。昭和44年以来、32次にわたって調査とれ、平成15年には地域住民から保全を求める5500名の署名も提出されています。しかし、遺跡の一部、3000平方メートルはすでに開発されてしまいました。開発に伴う発掘調査では、縄文中期、晩期の住居跡と大土坑がセットで見つかり、日本考古学協会からは「埋蔵文化財保存への要望」も出されています。この遺跡は、まさに、さたいたま市が誇りとすべき発見といえましょう。

そこで教育長の所見を伺います。隣接する市有地を、里山の緑を残しながら史跡公園として残せるよう、文化財保護審議会に保存の諮問をする等の方策を講じていく考えはありますか。また、発掘調査の結果については広く、一般に情報公開していくべきだと考えますが、いかがですか。

教育長答弁

平成10年の文化庁次長の通達では、文化財は国民共通の財産であるとしており、さいたま市では通達の理念に基づいて施策を進めています。今回の馬場小室山遺跡の発掘調査では環状盛土遺構など大きな成果をあげました。東側の市有地については、今回の発掘調査の結果を踏まえ、さいたま市の史跡とする方向で関係部署で検討してまいります。
発掘調査の成果については、先に大宮駅前で「さいたま市最新出土品展」で他の遺跡の出土品とともに一般の人に見ていただきました。また、今後、調査報告書は国会図書館はじめさいたま市内の図書館で広く皆さんに見ていただくこととなります。

教育長の答弁の後、鳥海議員は再質問の最後に、「ぜひ、史跡指定の方向で進めてほしい」と述べました。

続いて、岡まち子議員が質問に立ちました。岡議員は初めの質問に馬場小室山遺跡のことをとりあげました。

岡議員の質問

馬場小室山遺跡は保存状態がよく、その価値は、近年、国の指定となった「井野長割遺跡」と比べても遜色ないといわれています。さきほど鳥海議員の質問に対して教育長からの答弁がありましたので、さらに詳細について質問いたします。
1. 現在、さいたま市内に埋蔵文化財包蔵地は何ケ所ありますか。
2. 教育委員会は、馬場小室山遺跡をどのように評価しているか、詳しく説明ください。
3. 東側の市有地を市の指定遺跡にして活用し、散策路、土器やパネル等の展示を行い、市民に公開してはどうか。
4. 地元の公民館で地域の人が勉強会を計画したりしている。遺跡の管理、説明などは、地元の人材を活かし、市民と行政のコラボレーションをすすめ、遺跡をまちづくりに利用してはどうか。

教育長答弁

1. さいたま市内の埋蔵文化財包蔵地は900箇所を数え、時代は旧石器時代から縄文、弥生、奈良、平安、鎌倉の館跡まであります。
2. 馬場小室山遺跡は4万平方メートルにわたり、昭和44年から32回にわたって発掘調査が行われています。縄文中期、晩期を中心に、土偶、耳飾りなど多くの出土品があります。ムラの成り立ちを知る上で重要な遺跡です。
3. 今回の調査結果から、市有地にも集落遺構の広がりが見られます。結果を踏まえて、市の史跡として指定するよう、検討していきます。
4. 地元とのコラボレーションについては今後、研究していきたい。また他の施設等を研究しながら、今後の活用について十分検討したいと考えます。

この日の議会は、岡議員の質問が最後で、4時過ぎに終了した。

議会終了後

出口に向かって鈴木氏と歩きながら「環状盛土遺構について、ここ数年の学問的な進歩が史跡の指定の力になったのではないか」と私が言うと「5500人の署名の力があったと思います」という鈴木氏の言葉。

議会を傍聴した後、お世話になった高柳としや議員に鈴木氏が「小室山カレンダー」を差し上げていた。また、岡まち子議員に会いに行くということだった。

飯塚の方は地元選出で与党の彩政会の武笠光明議員のところに行って挨拶した。武笠議員には署名提出のとき、同行していただいた。飯塚が「武笠議員にやってほしかった」と言うと、議員は「10日ほど前、そのことで岡議員から電話をもらった。岡さんの主旨に反対しないと伝えた」ということだった。ちなみに岡議員の市民ネットは、野党。

さいたま市議会の建物は、市役所の北側に隣接している。「傍聴受付」の案内にそっていくと、受付があり、住所、氏名を記して傍聴券をもらう。傍聴席にすわると、市長をはじめとする執行部と向き合って上から見るかたちになる。一般質問の中、市長は時々、居眠りをしていた。

【個人的感想】隣接した市有地の史跡指定は願っていたことで、うれしかった。「小室山」を残すことがでず、署名いただいた方に対して心苦しく思っていたが、これで少しは言い訳が立つか・・・。

これまでの経過へ