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<あらすじ>
むかしむかしー まだ自動車のかわりに馬車が道路を走っていた頃の英国のお話。
あるところに、ものすごく子だくさんの家がありました。そして、その子どもたち
がまた、それはそれは、とんでもないわからずやぞろいだったんです・・・・
そのブラウンさんの家では、子どもたちのめんどうをみてもらうためにおおぜいの
ばあやだとか、ねえやだとか、家庭教師や子守り娘なんかのお手伝いさんを雇って
いました。ところがブラウンさんの子どもたちはいつもひどいいたずらをしかけては
ばあややねえやや家庭教師や子守りの誰か、あるいはその全員を追い出してしまう
ので、とうとうブラウンさんの家には来てくれるお手伝いさんが一人もいなくな
ってしまいました。ついにどこの職業紹介所にも斡旋を断られ、周囲の人々は口を
そろえて言います。「こうなったら、マチルダばあやでなければだめです」と。
でも、誰もそのマチルダばあやのいる所を知らないのでした。くたびれはてて
ブラウン夫妻が家に帰ると、玄関のドアをたたく音がして、女のひとが現れます。
「こんばんは、ブラウンさまにブラウンさまの奥様。マチルダばあやでございます」
それは、ひどくみにくい女のひとでした。髪はきゅっとひっつめにしてどびんの
取っ手のように頭の後ろに飛び出していますし、顔はまんまるでしわくちゃ。
二つの目は、黒くてちっちゃくて、長ぐつについているかざりボタンそっくり。
鼻ときたら!まるでジャガイモを二つ重ねてくっつけたよう。着ているものは
あごの下から足首まで届くうすぼけた黒い服。大きな黒い杖を持ち、しわくちゃの
まんまるい茶色い顔には、ぞっとするような恐ろしい感じがただよっていました。
けれども、何が目立つといって、いちばんひどかったのは前歯でした。出っ歯に
なった前歯が一本、墓石みたいに下唇の上にまっすぐ突き出しているんです。
マチルダばあやはブラウンさん夫妻に子どもたちに「七つのおけいこ」をすると
約束します。「言われた時にちゃんと寝ること、がつがつごはんをかきこまない
こと、ちゃんとお勉強すること………」最初はばあやの言うことなんかてんで
聞こうとしなかった子どもたちですが、マチルダばあやが持っている大きな
黒い杖で床をドン!と鳴らすとたちまち不思議なことが起こって・・・・
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