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介護保険改悪の問題点


「予防重視システム」への転換 要介護区分の変更

 これまで要支援と要介護一〜五の六段階だった要介護認定を、要支援一と二、要介護一〜五の七段階に変更します。

 政府は、いまの要支援の人(66万人)をすべて要支援一に、要介護一人(130万人)の七〜八割(90〜100万人)を要支援二とするとしています。要介護一に残すのは「認知症」の人や、負傷などにより「心身が不安定」な人に限られます。

「新予防給付」と在宅サービスとりあげ

 要支援一、二と判定された人は、「新予防給付」の対象とされ、従来の介護サービスが受けられなくなります。
 政府は、要支援一、二の人については、家事援助サービスを原則禁止とし、(認められる場合も期間や提供方法を制限)、「筋力向上」「口腔ケア」などをサービスの中心としていく方針です。

「過剰介護で状態悪化」のウソあばく

 軽度者への家事援助を「原則廃止」とする理由について、政府は、日医総研が島根県内の一部地域でおこなった調査(対象=7878人)を根拠に、“ヘルパーの家事代行は本人の自立を妨げる”、“サービス利用で状態は悪化している“などと説明し、法案提出後も、軽度者へのサービスは「状態の維持改善につながっていない」という答弁をくり返しました。

 ところが、4月15日の衆院厚生労働委員会で山口富男議員が提出させた、厚労省「介護給付費実態調査報告」(03年度、対象=138万6200人)によると、一年間、在宅サービスを利用した要介護一の人の八割以上が「維持・改善」していることが明らかとなりました。なぜ、データ隠しまでして、改悪をしようとしているのか、それは、国の財政支出を削減することに至上命題があるからに他なりません。


保険料の制度改変 保険料の段階区分の変更

 六十五歳以上の保険料(第一号保険料)の区分が、五段階から六段階に改められます。具体的には、現行第二段階(住民税非課税世帯)を、「年金収入八十万円以下で年金以外収入がない人」の「新第二段階」と「年金収入八十万円以上で市町村民税非課税等」の「新第三段階」、「新第四段階」は「市町村民税本人非課税」に分かれます。「新第五段階」以上(課税層)は、段階区分や保険料額の設定が保険者(市町村)の判断にまかされ、多段階化なども可能となります。

保険料の徴収方法の変更

 第一号保険料について、遺族年金や障害者年金からも天引きを可能としました。

 また、法案提出前に大問題となった二号保険料の徴収年齢の引き下げについては、今回の法改定で見送られたものの、附則第二条で、被保険者の範囲について「検討」を行い、〇九年度をめどに「所要の措置を講ずる」としています。

高齢者増税で保険料・利用料もアップ

 今年三月に成立した地方税法改定により、二〇〇六年度から高齢者にたいする住民税の非課税措置が改悪され、約二千八百人が非課税から課税になります。これらの人は、保険料の段階区分が一〜二段階引き上がり、施設利用料も、一割負担や食費などが大幅な負担増となります。

 厚労省は、「激変緩和措置」として、保険料引き上げは三年間かけて行うこと、利用料については、二段階上がる人については、一段階にとどめ、社会福祉法人が実施する「法人減免」をすすめると答弁しています。


ホテルコスト導入 施設入所は困難に

 制度改正の最大の問題点は、施設入所者にたいし、ホテルコストと称して部屋代・食費を保険給付から外し全額自己負担にしたことにあります。国は、ホテルコストの導入によって政府の支出を四千億円も減らし、国民と事業者に負担を転嫁しました。
 低所得者にたいする補足的給付で一定の軽減ははかられるものの、利用者負担段階の第三段階の所得格差は三倍もあります。
 月額六万七千円の年金収入の方と、月額二十二万一千円の年金収入者と施設利用料が同じでは誰も納得しないのではないでしょうか。

利用施設で減免対象から除外

 特養の利用者は社会福祉法人減免を受けることができます。要件は年間収入が単身世帯で百五十万円、世帯員が一人増えるごとに五十万円を加算した額以下であるなど五つの要件を満たしたうえで、市町村が認めた場合となっています。ところが、老健・介護療養型に入所されている方は、例え減免の要件に合致しても、対象とはなりません。医療法人が経営している施設には適用されないからです。こんなことありですか。しかも、政府は福祉法人減免も、従来は二分の一だったものを四分の一に改悪しています。


ショートステイの滞在費・食費負担へ

 先週は、施設入所者に対するホテルコストが導入されて保険給付から居住費と食費が全額自己負担になり、すでに十月から実施されています。入所者にとって十月分の利用料負担がどれだけ増えたのか心配されていると思います。
 今回の改悪では、短期入所のかたがたの滞在費や食費も対象となっています。また、デイサービスやデイケアの食費も負担増となります。
 すでに、少ない年金からの負担増で、デイサービスの利用時に「昼食持参で行かなければ」と話す高齢者も出ています。

介護三施設 食費の基準費用額は四万二千円

 食費は、食材、調理にかかる費用相当額を基本とし、四万二千円となっていますが、利用者の食事の提供にかかわる追加的費用の徴収が可能となっています。

部屋代 最高月額は六万円

 居住費等の基準費用額は、居住環境の違いを踏まえて、施設の建設費用、光熱水費等の平均的な水準、近隣の類似施設の家賃、光熱水費の平均的な水準などを勘案して決めたとしています。
 ユニット型個室で六万円、ユニット型準個室及び従来型個室で五万円、多床室で一万円となっています。また、事業者は「特別な室料」(利用者の選定にもとづく特別な居室)の徴収も可能となっています。