| 使用料・手数料の見直しの行方 | ||
現在室蘭市は、平成18年度からの使用料・手数料の改定に向け、市民アンケートを実施しています。 すでに、行政改革推進委員会にたいして、使用料・手数料改定のための諮問を行っており、市民アンケートの結果を踏まえた論議が行政改革推進委員会で行われ一定の結論を出すことになります。 市は、「協働改革プラン」の中で、市民協働推進の観点から、「公共サービスの範囲と負担の見直し」、「コストに見合った応分負担」の考えを打ち出しています。 全道の、全国の自治体でも財政難から使用料・手数料を大幅に引き上げるケースが目立っていますが、財政難の根本的な原因がどこにあるのかの論議が総じて不足している現実もあります。これらも踏まえ、今週からシリーズで使用料・手数料について連載します。読者の皆さんの投稿も歓迎します。 公の財産は市民の税金で建設 そもそも、使用料は、地方自治法225条で行政財産の使用又は公の施設の利用につき使用料を徴収することができることになっています。主な施設として、会館・文化センター・市民会館・体育館・入り江温水プール・水族館や科学館などがあります。これらは、行政財産であると同時に、公の施設として、244条に、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設して位置づけられており、正当な理由がない限り施設の利用を拒んだり、差別的な取り扱いをしてはならない事になっています。 |
| 使用料見直しの経緯 | ||
平成12年度以前は、使用料の一斉見直しサイクルが3年ごとに行なわれ、算定方法は、施設の設置目的や利用形態等を考慮し、管理運営経費等を12分類8ランクで算定していました。 平成7年度の見直しでは、上下水道を含め21項目の値上げを行い8年度に改定しています。 平成12年一斉見直しでは、施設の管理運営委託が進められ、従来の算定方法では同ランクの算定であっても、現行との使用料格差が大幅に生じるため、総コストによる算定方法に変更。一斉見直しサイクルを五年に変更。改定は経済状況等を勘案し見送りとなっています。平成13年から現在までは、個別改正が行なわれています。新設でパークゴルフ場、市民会館、地域交流センター、文化センター空調設備の新設による改定など。16年は、福祉センターの入浴料の新設、17年は、看護学院の授業料、港北幼稚園の保育料が改定されています。 今年の一斉見直しは、施設の管理運営費、建設費、改修費、公債利子などを勘案した総コスト方式による算定を行なうとしています。見直し検討の施設は40施設、うち新たに設定検討は7施設となっており過去最大の見直し検討となります。 平成七年度以降の使用料・手数料の見直しで、日本共産党以外の政党・会派は値上げにすべて賛成しています。 |
| 使用料のコストと負担について | ||
施設の管理委託化が進んだため、従前の算定方式では、現行との使用料格差が大幅に生じるために、総コスト方式に変更。施設の建設経費と管理経費を合わせ、単年度化したものを総コストとし、利用人数や件数で除し、受益者負担割合を掛け、算出します。これが、個人利用施設料の基礎となります。専用利用施設は、総コストを施設の年間開館日数、日開館時間、貸室総面積を掛けた数値で除し、貸室面積と受益者負担割合を掛けたものを基礎とします。 問題は、受益者負担割合が、0%、25%、50%、100%の四段階の負担割合となっていることです。この負担割合のそれぞれの、割合が合理的なものなのかどうかの検証と、負担割合はそれぞれの自治体の裁量で決めることができます。6段階にしたり、7段階にしたりする事が可能です。また、コストに応じた負担という場合、通常の民間企業のコスト感覚で図ることは、公共サービスのありかたとして疑問が残ります。 公共サービスを通じて、市民の社会参加を促し、自治意識の高揚や市民福祉の増進を図るという事は、民間のコスト意識のなかではできないことです。だからこそ施設の建設、運営に税金が投入されるのです。本来市民の税金で建設・運営される施設にコスト算定方式はなじまないものと考えます。 いま、全国の自治体で行政サービス使用料が財政難を理由に値上げの動きが広がっています。これを機会に、住民にたいする公共サービスのあり方や、公共労働のあり方、住民にとっての地方自治体とはどうあるべきかなど考える時期にきているのではないかと思います。 |
| 市民一人あたりの使用料・手数料 | ||
市民一人あたりの負担額がどのようになっているのかについてのべたいと思います。 使用料には、それぞれの担当課が所管する施設の使用料があります。 総務使用料では、会館使用料、民生使用料では、障害者福祉センター使用料や福祉住宅使用料、衛生使用料では、火葬場使用料、教育使用料では、幼稚園使用料や体育館、体育施設使用料、文化センター使用料などがあります。 手数料には、総務手数料として、戸籍手数料、住民票交付等手数料があり、衛生手数料では、墓園・墓地管理手数料やごみ処理手数料があります。 これら使用料・手数料の決算額を平成10年度から15年度までの推移と市民一人当たり負担額で考えてみたいと思います。 平成10年度の使用料の歳入決算額は、約12億3千3百万円、人口10万5千人で、一人当たり1万1千693円となります。手数料は、3億3千6百万円で3千188円となります。これが、平成15年度決算では10億9千41万円で人口10万121人、一人当たり1万890円となります。手数料は、3億7千831万4千円で、3千778円となります。いずれも平成10年度からみて減少しています。この間、使用料、手数料の一人あたりの負担額が多かった年度は、平成10年度の1万1千693円、手数料は平成12年度の、4千224円となっています。これらの数値が示しているのは、この間不況の下で、使用料・手数料の引上げを見送ってきた成果といえます。 他都市より高い使用料・手数料 室蘭市の使用料、手数料が高いか安いかを見るためには、他都市との比較を見ることが必要です。そこで、人口11万人の北見市や、江別市との比較でみると、15年度決算額では、使用料は、北見市が9千59円、江別市が5千371円となっています。手数料は、1千712円と812円となっています。 |
| 受益者負担の考え方について | ||
前回では、市民一人当たりの使用料負担額を他都市との比較で考えました。他の類似都市と比べて室蘭市の使用料負担額が高いということがわかりました。 2日に開かれた、第33回の行政改革推進委員会で室蘭市の見直しの基本的な考え方について触れたいと思います。 受益者負担率は50%に 平成12年度の見直しの中で、算定方法を総コスト方式に変更し、受益者負担率を四段階としました。先の行革委員会では、負担割合は原則、市税と施設利用者が各50%を負担。個人利用施設は、類似施設、近隣市等との均衡・調整により決定するとの考えが示されました。 |
| 減免制度の見直しについて | ||
23日に開かれた第24回行政改革推進委員会は、市の諮問どうりの見直し案を了承しました。 団体減免を廃止することによって、1千数百万円の使用料収入の増加を見込んでいます。その他に、新たに利用料金を徴収する施設の増加で2百万円程度の増を見込んでいます。 団体減免を廃止することによって、使用料の増図ることがはたして妥当なのでしょうか。 それぞれの施設はその設置目的に基づいて利用されており、設置目的にかなう団体の利用であれば、減額や免除制度を適用することは問題がないと思います。 現に、市も各種団体の支援・促進、施設の利用率の向上について一定の効果を上げていることを認めています。 団体減額を認めた責任は行政に 問題は、条例で市長が特別の理由があると認めたときは、使用料の減免をすることができる規定となっているにもかかわらず、この規定の運用が曖昧なために多くの団体が登録団体となり、使用目的や内容に関わらず減額されてきたことが問題なのです。これらの運用をしてきたのは行政当局であり、一部有力者に唯々諾々と認めてきたことが問題なのです。これらの原因をはっきりさせずに一律に登録団体減額の廃止をすることは問題があるのではないでしょうか。 |
| 施設の廃止問題について | ||
各施設の使用料の見直しの過程で既存施設の廃止問題があります。廃止を検討している施設は、市民グラウンド(新富町)や勤労青少年ホーム、児童館などが上げられています。 勤労青少年ホーム・児童館の廃止を検討 廃止検討の理由は、市民グラウンドについては、利用が極端に少ないことを上げていますが、利用が少ないのにはそれなりの理由があります。水はけが悪く草が生い茂っている、フェンス等がないなど、利用者の立場にたった整備がなされていないことが挙げられます。しかしこの施設は、高齢者がゲートボール場として活用しています。 |