強力な、地球規模の対話が始まっている。インターネットによって、関連知識情報を共有する新しい方法が、目の眩むような速度で発見され、創りだされている。結果として、市場はより賢くなっている。企業よりも速いスピードで賢くなっている。 ここで言う市場とは、対話である。そこでは、各々が、自然で、オープンで、正直で、率直で、滑稽で、たまにはショッキングなこともある言葉で話す。説明であろうと苦情であろうと、また、冗談であろうと真剣であろうと、人間の声は紛れもなく本物で、だませるものではない。 一方、ほとんどの会社は、企業の使命を述べたり宣伝用のパフレットで使われているような、なだめるようなユーモアのない単調な話し方しか知らない。また、「わたしたちにはお客様の声が大切です」といいながらその電話回線はいつも話中になっている。いつも同じ調子、同じ嘘の繰り返し。情報化された市場が、自分たちと同じように話すことができなかったり、あるいは話そうとしない会社に全く関心を払わないのは少しも不思議ではない。 しかし、人間の声で話すことを身につけるのは何かコツがあるというものではないし、また、会社がいくら口先だけで「お客様の声を聞いています」と言っても、わたしたちには、会社が人間的であるとは納得できない。実際の人間が会社にかわって話をするようになって初めて、人間的だと言えるのである。 既に(地球規模の対話をしている)多勢の人々が企業で働いているが、そういった人々が持つ、本物の知識情報を伝達する能力はほとんどの企業では無視され、かわりに、市場の知性を馬鹿にした、何も実を結ばないおざなりの情報が機械的につくりだされている。しかし、市場はそんな情報にのるほど馬鹿ではない。 一方、社員は、市場と時を同じくしてハイパーリンクし続けており、企業は社員と市場の双方に注意深く耳を傾ける必要がある。ほとんどの場合、企業は、イントラネット上の社員がインターネットで結ばれた市場と直接会話できるよう、その邪魔にならないように道をゆずらなければならないのである。 企業のファイアウォールが賢い社員を中に閉じ込め、賢い市場を外に締めだしてしまってきた。その壁を倒すのは実に苦痛を伴うであろうが、その結果として新しい対話が生まれるのである。そして、それは、これまでビジネスで行ってきたどんなものより最も刺激的な対話になる。 Online Markets かつては企業が市場の編成に貢献していたが、情報化された市場はそういった企業よりも速く自己編成しはじめている。WEBのおかげで、市場はより情報化され、賢くなり、そして現在ほとんどの企業に欠けている質をより厳しく求めるようになっている。 People of Earth 空は星々に開かれ、雲は日夜わたしたちの頭の上を流れていき、海は波うっている。何が聞こえようとも、これがわたしたちの世界であり、わたしたちのいる場所である。何を言われようとも、わたしたちは自由である。わたしたちの心は永遠に動き続ける。地球人よ。 1. 市場は対話である。 2. 市場を構成しているのは、人間である。人口学的な区分けではない。 3. 人間同士の対話は人間的に聞こえる。人の声でなされているのである。 4. 情報や意見や見解を伝えていようと、議論を展開していようと、ユーモアのある内緒話をしていようと、人の声はオープンで自然で人為的なところが全くないものである。 5. 人は、このような声によってお互いをその人だと認識する。 6. インターネットは、マスメディアの時代にはただ不可能だった人間同士の対話を可能にしている。 7. ハイパーリンクは階級制をくつがえす。 8. インターネットで情報化された市場とイントラネットで情報化された社員の双方で、人々は新しく強力に話をしあっている。 9. このように情報化の進んだ対話によって、強力な新しいかたちの社会組織や知識の交換方法が出現する。 10. その結果、市場はますます賢くなり、さらに情報化がすすみ、より組織化されていく。情報化された市場に参加することで人は根底から変わる。 11. 情報化された市場にいる人々には、企業などよりはるかに優れた情報とサポートを自分たちでお互いに提供しあっているというのがわかっている。企業は、商品に付加価値を付けているという宣伝文句を口にするが。 12. そこには秘密というものは何もない。情報化された市場では、製品について、製造元の企業よりもはるかによく知られているし、いいことであろうと悪いことであろうと全ての人に伝わる。 13. 市場で起こっていることは、社員の間にも起こっている。「会社」というきわめて抽象的な構成概念は、市場と社員の間に立ちはだかるただひとつのものだ。 14. 企業の話す声は、このような新しい情報化された対話の声とは異なる。企業がオンラインでつなぎたいと思っている相手にとっては、その声はうつろで平坦で、非人間的に聞こえるのである。 15. ここ2、3年で、現在の均質的な営業トーク ― 企業理念を述べたり、パンフレットなどで使われている「声」 ― は、18世紀のフランス宮廷の言葉と同じように、不自然で人為的なものと受取られるようになる。 16. 既に、強引な売り込み口上や派手な宣伝文句を使っている企業の言葉は、誰にも聞こえていない。 17. オンラインマーケットがかつてテレビのコマーシャルを眺めていた市場と同じものだと思っているような企業はお笑いである。 18. 現在、市場というものが人と人との間で一対一でつながって情報化され、その結果、より賢くなり、対話によって深く結びついているということに気がつかない企業は、最高のチャンスを逃している。 19. 企業は今こそ、市場と直接対話ができるのだ。そうしなければ、あとは無い。 20. 企業は、しばしば市場から笑われているのだということに気付かなければならない。 21. 企業は、明るくなってもっと気楽になる必要がある。ユーモアのセンスが必要だ。 22. ユーモアのセンスとは、企業のWEBサイトに冗談を載せることではない。むしろ、大きな価値を持ちながらほんの少しの謙遜の心を持ち率直な会話をする、本物の視点が必要である。 23. 企業がある地位に居ようとするなら、それを実践しなければならない。最適なのは、市場が実際に関心を持っている何かを実践するということだ。 24. 「わたくしどもは、これこれなになにのプロバイダーとして卓越した存在となっています」というような言葉は大言壮語の自慢以外の何物でもない。言葉だけでは何の地位もなさない。 25. 企業は象牙の塔から降りて、関係を築きたいと思っている人々に話しかけなければならない。 26. 広報活動(パブリックリレーションズ)は公衆とは関係ない。企業は市場を非常に恐れているのだ。 27. 企業は、よそよそしく心を惹きつけない尊大なことばで話すことによって、自ら壁を築き、市場をよせつけない。 28. マーケティング活動のほとんどは、企業内で実際に起こっていることが市場にわかってしまうのではないかという恐怖に基づいたものである。 29. エルビスがそれを最もよく言い表している。「僕たちは疑う心を持っていては一緒にはやってゆけない。」 30. ブランドロイヤルティーというのは、企業版ステディな関係といったところだろうか。だが、別れは必ず、しかも早くやってくる。情報化された市場は賢いので、目の眩むような速さでお互いの関係を再調整することができるからである。 31. 情報化された市場では供給元を一晩のうちに変えてしまうことができる。情報化された知識ある労働者はお昼休みに雇い主を変わることもできる。いわゆる「リストラ」(従業員数の縮小)がわたしたちに教えてくれたのは、「忠誠心?それが何になる?」ということだ。 32. 賢い市場は、自分自身のことばで話す企業を見抜くであろう。 33. 人間の声で話すことを習得するというのは、お座敷芸とは違う。ちょっとした上流階級気取りの会合で偶然に手に入れることができるようなものではない。 34. 人間の声で話すには、企業はその社会の関心事を共有しなければならない。 35. しかしその前に、まず社会の一員にならなければならない。 36. 企業は自分自身に、自分たちの企業文化の限界はどこなのかを問わなければならない。 37. もし、企業文化の終わりが社会の始まりより早いなら、その企業には市場はない。 38. 人間社会は対話、すなわち人間の関心事についての人間の会話に基づいている。 39. そのような対話社会が市場である。 40. 対話社会に属さない企業は死んでしまう。 41. 企業にはセキュリティ信仰のようなものがあるが、これが間違いの元である。ほとんどの企業が競合他社に対するセキュリティを確保するのではなく、自分たちの市場や労働力に対して壁をつくってしまっている。 42. 人々は情報化された市場と話すのと同じように、企業内でも直接お互いに話をしている。しかも、単に規則・規定や重役会議の指令や企業収支に関してのみ話しているのではない。 43. このような企業内での対話は、今日では企業のイントラネット上でおこなわれているが、それは、企業がそのような対話を促進しようとしているときのみである。 44. 企業は一般的に、トップダウンでイントラネットを整備し、人事方針やその他の企業情報を配布しようとするが、労働者はそういったものを極力無視しようとしている。 45. イントラネットは当然のごとく退屈なものになりやすい。最も良いのは、ただのイントラネットではなく、はるかに素晴らしい付加価値 ― 企業の対話 ― を築こうと積極的に協力しあう個々の人々によってボトムアップでつくられたもので、つくられたものだ。 46. 健全なイントラネットはさまざまな意味で労働者を組織化する。その影響はどんな労働組合の議題よりも過激で根源的だ。 47. このことは企業を怖がらせ、分別のつかない状態にしてしまうが、その一方で、企業はまた、運命を左右するような重要な知識をつくりだし共有する術として、開かれたイントラネットに大きく依存してもいる。企業がしなければならないのは、このような情報化された対話を「向上」させたい、すなわち管理したいという強い衝動を抑えることだ。 48. 企業のイントラネットは、恐怖とお役所的な規則に縛られていなければ、情報化された市場での対話ときわめて良く似たタイプの対話を促進できる。 49. 組織図というのは古い経済で機能していたもので、それは非常に鋭く尖った先端を持つピラミッド型の人事構造になっており、トップからの計画が十分に理解され、上層部から具体的な仕事の指示がおりてくるような仕組みになっていた。 50. 今日では、組織図とはハイパーリンクされたものであり、階級的なものではない。抽象的な権威より、実践的な知識の方が重要視される。 51. 命令管理型の経営スタイルは官僚主義から生まれ、官僚主義や権力の追求と執着、偏執狂的な文化を助長する。 52. 偏執狂は対話を殺してしまう。そこが問題なのだ。しかし、開かれた対話が欠如すると企業は死んでしまう。 53. 現在行われている対話は2つある。ひとつは社内の対話。そしてもうひとつは市場との対話だ。 54. ほとんどの場合、どちらもあまりうまくいっていない。その理由は、ほとんど必ずといっていいほど、命令と管理という時代遅れの概念にあると言える。 55. このような概念は、方針としては有毒であり、手段としては壊れている(機能しない)。命令と管理はイントラネットで情報化され知識のある労働者には敵意をもって迎えられ、インターネットで情報化された市場では不信感を生み出す。 56. 社内対話と市場との対話という2つの対話はお互いに交流したがっている。そこでは同じ言語が話され、お互いをその声で認識しあっている。 57. 賢い企業というものはその邪魔にならないように道を譲り、結果として必然的に起こることがより早く起こるようにする。 58. 邪魔にならないように道を譲ろうとする意志でIQを測るとすると、まだほんの少数の企業しか賢くなっていない。 59. 現時点ではどんなに深い意識下にあるとしても、ネットワーク上の何百万人もの人々は、企業のことを、お互いが対話しようとするのを積極的に妨げている奇異な法人くらいにしか思っていない。 60. これは自殺行為である。市場は企業に話をしたがっているのだ。 61. 悲しいことに、企業のうちでも、情報化された市場が話したいと思っているまさにその部分(部署)は、たいていの場合売らんかな主義の嘘っぽく聞こえる ― 嘘であることが多い ― 言葉の煙幕の後ろに隠れてしまっている。 62. 市場は広報宣伝担当と話したいのではない。その企業のファイアウォールの向こう側でおこっている会話に参加したいのである。 63. 重いコートを脱いで、ひとりの個人に!このわたしたちが市場なのだ。わたしたちは、あなたと話をしたい。 64. わたしたちは、企業のあなたの情報、あなたの計画と戦略、あなたの最高の意見、あなたの本物の知識にアクセスしたい。4色刷りのパンフレットや、人目を惹くカラフルな、けれど実態は何もないWEBサイトに甘んじたりはしない。 65. わたしたちこそがまた、あなたの企業を動かす労働者でもあるのだ。わたしたちは、原稿にかかれた決まり文句ではなく、自分たち自身の声で直接お客様に話をしたい。 66. 市場として、そして労働者として、わたしたちはリモートコントロールで自分たちの情報を得るというのにはもううんざりだ。お互いを自己紹介するのに、どうして顔のない年間報告書や第三者による市場リサーチが必要なのだろう? 67. 市場として、そして労働者として、あなたがどうして聞く耳を持とうとしないのか不思議だ。まるで違う言葉を話しているようだ。 68. 報道や記者会見の場で撒き散らしている傲慢な自己中心的な業界ことば。それがいったいわたしたちと何の関係があるというのだ? 69. 自社の投資家やWall Street は感動するのかもしれないが、わたしたちの心を打つものは何もない。 70. わたしたちの関心を引くことができなければ、投資家たちは大損をしてしまうだろう。投資家たちはこのことがわからないのだろうか?わかっていれば、企業にあんな話し方はさせないだろうに。 71. 企業の言う「市場」ということばにはうんざりだ。企業の示す計画の中にはわたしたちの姿は認められない。それは多分、わたしたちには、自分たちがもうそこにはいなくて別の場所にいるのだということがわかっているからだ。 72. わたしたちは、この新しい市場がますます好きになっていく。事実、わたしたちがこの市場を創っているのだ。 73. あなたがた(企業)をご招待しよう。だが、ここはわたしたちの世界だ。中に入る前にくつを脱ぎたまえ。わたしたちと取り引きしたいなら、お高くとまっていないで謙虚になれ! 74. わたしたちは広告には影響されない。広告なんてどうでもいいことだ。 75. わたしたちに話しかけて欲しいなら、わたしたちに向かって何か話しなさい。何か面白い変化を生み出してみなさい。 76. あなたがた(企業)に対してわたしたちにも良いアイディアがある。わたしたちが欲しいと思う新しい道具、よりよいサービス。進んでお金を払おうとするようなもの。ちょっと耳を傾けてくれないか? 77. 「仕事」が忙しくてわたしたちからのE-mail に答える暇がないだって?ご愁傷様。後でもう一度話すことにするよ。もう二度と話しかけないかもしれないけどね。 78. わたしたちにお金を払って欲しいって?わたしたちは、あなたがた(企業)に注意を払って欲しい。 79. あなたがた(企業)には、自分勝手な自己中心的行為を止めて、神経症的な自己陶酔から脱けて、わたしたちの仲間に加わって欲しい。 80. 心配しなくて大丈夫。それでもなお、お金を稼ぐことはできるのだから。お金もうけがあなたがた(企業)のたったひとつの関心事でない限り。 81. お金自体、ある種一次元的でたいくつなものだということに気づいているだろうか?他に何について話すことがあるだろう? 82. 製品が壊れたら、なぜなのか、わたしたちはその製品を造った本人に尋ねてみたい。企業の戦略が何の意味もなさないとしたら、その企業のCEOと話をしてみたい。今席にいないって、どういう意味だ? 83. あなたがた(企業)には、Wall Street Journalの記者一人に対するのと同じくらい真剣にわたしたち50,000,000人のことを考えてほしい。 84. わたしたちは、あなたの会社の人を何人か知っている。彼らはネットワーク上でかなりいい線いってる。もっと隠していることがあるんじゃない?そういういい線いってる彼らは、表に出てきて遊べないの? 85. わたしたちは、尋ねたいことがあれば、まわりを見回してお互いに答えをさがす。あなたがた(企業)が社員に対してそんなに厳しい制限をしていなければ、わたしたちが尋ねる相手の中に社員も入っていたのに。 86. わたしたちは、あなたがた(企業)の言う「目標市場」でないときには、そのほとんどが企業の一員である。時間を気にして時計を見ているより、ネットワークで友達と話す方がいい。その方が、何百万ドルもかけたWEBサイトよりよっぽど企業の名前を広めるだろうに。しかし、あなたがた(企業)は、市場に対応するのはマーケティングの仕事だと言うのだ。 87. あなたがた(企業)に、ここで何が起きているかがわかればいいのに。そうすればどんなにいいだろう。だが、わたしたちが待っていると思うのは大きな誤解である。 88. わたしたちには、あなたがた(企業)がわたしたちとのビジネスに間に合うように変われるかどうかを心配するより大事なことがたくさんある。ビジネスは、あなたがた(企業)にとっては全てのようだが、わたしたちにとっては生活のほんの一部でしかない。考えてもみたまえ。誰が誰を必要としているのか? 89. わたしたちには本物の力があり、それがわかっている。あなたがた(企業)がきちんと見ないのなら、もっと魅力的でもっと興味深く、もっと面白くていっしょに遊びたくなるような何か他の仲間がやってくるだけだ。 90. 少なくとも、わたしたちが新たに見つけた対話は、試写会より面白く、どんなテレビのコメディーよりも楽しく、そして今まで目にしたどんな企業のWEBサイトよりももっと現実的である。 91. わたしたちは、自分自身 ― わたしたちの友人、新しい盟友や知人、さらに議論を戦わせている相手 ― に対して忠誠心を持つ。このような世界に参加しない企業には未来はない。 92. 企業はY2K対策に何十億ドルも費やしているが、どうしてこの市場の時限爆弾の音が聞こえないのだろう?この市場に勝てばはるかに大きい勝ちが得られるのに。 93. わたしたちは会社の内と外の両方にいる。わたしたちの対話を隔てているのは今日ではベルリンの壁のように思えるが、実際はただのいらだたしさだけだ。壁はさがってきているというのがわたしたちにはわかっている。わたしたちは壁の中と外の両方から、その壁を下げようとしているのだ。 94. 伝統的な企業にとっては、情報化された対話というのは複雑に見え、複雑に聞こえるのかもしれない。が、わたしたちはそのような企業より早く組織化してきている。わたしたちにはより優れた道具と、より新しいアイディアがあり、わたしたちの成長を妨げるような規則は何もない。 95. わたしたちは、目をさますとすぐ、お互いにリンクしあっている。そして、目を光らせて見ている。わたしたちは決して待ったりしない。