すごかったよCART!
Fedex チャンピオンシップ第5戦 inツインリンク茂木 5.14
「CART」って言うのは簡単に言うとアメリカのF1みたいなやつです。
ゴーカートのカートは「KART」、これとは違います。「CART」は、「Championship・Auto・Racing・Teams」の頭文字を取った、いわば主催する団体名です。
国際自動車連盟(FIA)主催のF1と異なり、アメリカで独自に発展を遂げたシリーズで、79年からCARTシリーズをスタートさせています。最初はヨーロッパサイドからかなり異端児扱いされていたが、最近ではF1とドライバーの交流があり、もはやアメリカ国内だけのレースではなくその実力は世界トップレベルに成長しています。
カーNO.1をつけられるのは、前年度チャンピオンの証。写真はもちろんファン・モントーヤ選手。本年度はトヨタエンジンを積んで参戦。
☆CARTからF1に転向したのはジャック・ビルヌーヴ、その逆にF1からCARTに転向したのがナイジェル・マンセル。この2人はCART・F1両方でチャンピオンを獲得している。日本の中野信治もF1からCARTに転向。
オーバルコースはめちゃめちゃ面白い!
今回のCART第5戦決勝は栃木県のツインリンク茂木で5月14日に行われました。もちろんオーバルコースです。
オーバルというのは、競馬場のような楕円形のコースのことを指し、アメリカ独自で、かつアメリカの代表的なレースコース形態です。(その昔、本当に競馬場で自動車レースを行っていたのがその発祥となった)
アメリカ人はオーバルコースが好きで、よくテレビでも見かけます。しかしテレビで見る限り、同じところをぐるぐる回るだけで、あまり面白いものではない。
しかし、実際にライブで見ると……!!なるほど、こりゃおもしろい訳だ!たとえばF1のサーキットだと、周回数は55周前後、つまりマシンが目の前を通り過ぎるのは55回程度。一度通り過ぎると車は1分30秒ほど戻ってこないし、その間どこでどうなっているか、観客には見えない。
その点オーバルコースは、競馬場と同じくどこの席に座っても、コースが全て見渡せる。しかもコースが約2.5kmと短い上、マシンのスピードが出る(350km!)から一周25秒程度で目の前に戻ってくる、今回は周回数200周だったから目の前をマシンが200回通るわけです。
191周目、トニー・カナーンのマシンがエンジンブロー、白煙を上げた!観客は総立ち、歓声が巻き起こる。このようなシーンもオーバルコースならどの席にいても見逃さない。
それで実際見てみると、すごい!時速350kmでマシンが目の前を通り過ぎる時は、音の洪水で吹っ飛ばされそうになる!写真撮ろうとしても、速すぎてファインダーの枠の中に入らない。
音は凄いですね。とくにオーバルコースは、目の前の車だけでなく向こう側にいる車の音が混じってこだまするので、「ゴオンゴオン」と音が渦巻いてる感じです。オーバルの楽しさをもう一つ挙げると、観客同士の一体感でしょう。これは野球場なども同じですが、どの席に座っても同じように楽しめ、「みんなで盛り上がれる」事でしょう。CARTはアメリカのレース、自由と平等の精神
レースが始まる前、「ただいまから国歌を斉唱しますのでご起立の上脱帽願います」とアナウンスが流れた。当然君が代かと思ったらいきなりアメリカ国歌だ!(もちろん君が代はその後唄った)。さらにその後、安全祈願に牧師さんが出てきて、「カミノゴカゴヲ。アーメン。」と祈りを捧げ、いやあこれはアメリカのレースなんだとつくづく感じた。
アメリカっぽいのはそれだけではありません。
ヨーロッパのF1では、歴史的な背景もあってか、自動車メーカー間競争の色が濃い。メーカーはマシン開発にかなり費用がけており、資金力の差がマシンの性能差に現れてしまいます。資金力のないチームは、フェラーリやメルセデスのマシンに絶対に勝つことはできません。
それを「平等でない」と考えるのがアメリカで、CARTではF1と違い既製のエンジン・シャーシを使用する事で、マシンにかかる費用を抑えています。他にも部品のコスト上昇を防ぐため様様の工夫がされており、チームとドライバーは比較的同じ土壌で争うことができるようになっています。
また、F1と違いCARTでは、「パドックパス」チケットさえ購入すれば、誰でも自由にパドックに入れ、車やドライバーに近づくことができます。ドライバーが特に理由もなくファンのサインを断ると、審判から注意を受けるほどです。これは、主催者が権威的な態度をとるF1では考えられない事ですが、観客もドライバーもみな平等に扱い、「みんなで楽しむ」事を大事にする、アメリカ的な発想です。