齊秦は1979年デビュー、彼もまた台湾の老歌のカバー・アルバムをリリースしており、これはその一枚。
台湾の“老歌”は直訳すると古い歌、懐メロということですが、私が知るかぎり日本の懐メロと呼ばれる歌ほど過去の歌、お年寄りだけの好む曲にはなってないような気がします。それは私が台湾の音楽を聴くようになって非常に面白いと思ったことです。その老歌と呼ばれる曲の中には日本の歌も沢山あるのでなおさらそう思うのかもしれません。
このアルバム、台湾語の歌の社会的な背景をも非常に意識しているのですが、楽曲自体は非常にクールなんです。もっとも懐メロが爺さん婆さんの音楽な日本人の感覚の抜けない私は四曲目の『温泉郷吉也』(『湯の町エレジー』ですかねえ?)だけはなんだか可笑しいよーな気もしてしまうんですが、思わぬ魅力も発見したりして。 |