今年の調査予定
『希少ウミスズメ類の現状と保護1』報告書完成!
シンポジウムのお知らせ
事務業務の一時移転について
長谷川さん、受章!



今年の調査予定

 日本ウミスズメ類研究会(事務局・東邦大学理学部海洋生物学研究室)は、(財)日本自然保護協会のP.N.ファンド助成をうけ、昨年に引き続いて今年も『希少ウミスズメ類の現状と保護』に関する調査を行います。
 今年度は、昨年十分に調査できなかったカンムリウミスズメ繁殖地の現地調査を継続して行うとともに、新たに寄せられた情報をもとに、未知の繁殖地についても現地調査を行います。
 また、カンムリウミスズメ以外のウミスズメ類に対しては、特別調査チームを結成して重点的に調査を行なう計画です。とりわけ、日本でのマダラウミスズメの繁殖については、従来の記録が海外で疑問視されており、保護の観点からも早急に繁殖の状況を調べる必要があります。この調査では、パシフィック・シーバード・グループ(アメリカの西海岸を中心に、環太平洋の海鳥研究者らで構成される団体)と合同で、北海道での調査を予定しています。
 調査時期、調査予定地、調査種については、つぎのとおりです。
【カンムリウミスズメ】3月〜5月
繁殖の確認がとれていない場所…徳島(橘湾周辺の島など3ヶ所を予定)、隠岐星神島
継続調査場所…福岡県烏帽子島、宮崎県枇榔島、豊後水道  ほか
【ウミスズメ、ケイマフリ、エトピリカ等】6月〜8月
岩手県三貫島、青森県尻屋崎、青森県大間崎、北海道天売島
北海道ユルリ・モユルリ島、北海道大黒島、知床沿岸 (いずれも調整中)
【マダラウミスズメ】7月上旬〜中旬
北海道知床周辺(ボートによる海域での調査を含む)

これら各調査に関し、研究会では調査者(原則として経験者に限る)、およびボランティアの方々を募集しています。ボランティアでの内容は、現地での調査補助、データ整理、外国人のお世話、などです。詳細は、メールにてお問い合わせ下さい。


『希少ウミスズメ類の現状と保護1』報告書完成!

 (財)日本自然保護協会の第5期P.N.ファンド助成の成果報告書として、昨年より編集を続けてきました報告書が、ついに完成しました。当初、100ページほどの予定でしたが、大幅に内容が増え、合計180ページ、とかなり厚いものになりました。
 前号で、会員のみなさんには無料配布、とお伝えしたのですが、印刷費が予想以上にかさみ、現在の会の財政状況ではとうてい無料配布できなくなりました。調査参加者とアンケートにお応えいただいた方々には無料配布いたしますが、会員のみなさんには割引価格にて頒布することとなりました。どうぞご理解下さい。頒布価格は会員1000円(送料込み)、非会員1500円となっています。航路での出現全種は、すべてデータベースに登録されています。パソコンをお持ちの方で、データを活用されたい方には、フロッピーでの提供をいたします。フロッピーとのセットは送料込みで会員1500円です。フロッピーのみの購入はできません。利用に際しては、個人的な目的に限り認められます。詳しくは付属の説明書をお読み下さい。
 報告書の印刷に当たっては、第5期P.N.ファンドより10万円の助成を適用しました。また、中外テクノス(株)の高松 保 様には多くの便宜を図っていただきました。厚くお礼申し上げます。
 編集に当たっては、大槻都子、橘田久美子、久保田幸雄、佐々木英代、佐藤道子、佐藤美穂子、赤間剛夫、佐々木由美子、の各氏の協力をいただきました。休日返上、しかも手弁当でお手伝いくださったみなさんに、深く感謝いたします。
 オンラインでご注文の方は、こちらをクリックして下さい。
【内容】

希少ウミスズメ類の現状と保護1
── 航路調査報告およびウミスズメ類繁殖地仮目録 ──
日本ウミスズメ類研究会、発行
(JAS Special Publication No.1)
航路調査
 はじめに
 調査方法と概要
 今回の航路調査の問題点と、一般化への試み
  Appendix 1. ノギスを利用した300mバンドトランセクト範囲の測定法
 調査結果《東京〜釧路航路》
  各月の出現種(1994年12月〜1995年10月)
  各月の出現種(トランセクト内)と個体数
  ウミスズメ類および主な海鳥についての出現状況(グラフ)
ウミスズメ類(ケイマフリ、ウミスズメ、エトロフウミスズメ、コウミスズメ、ウトウ)、ウミガラス類(ウミガラス、ハシブトウミガラス)、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、オオミズナギドリ、アカアシミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ、トウゾクカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ミツユビカモメ
 調査結果《隠岐航路》
  隠岐航路(七類〜西郷間)を利用した海鳥のセンサス

ウミスズメ類繁殖現状調査
 はじめに
 調査の概要
 目録の見方
 ウミスズメ類繁殖地仮目録
静岡県神子元島、伊豆諸島新島早島、伊豆諸島式根島、伊豆諸島三宅島大野原島(三本岳)、伊豆諸島神津島祗苗島、三重県耳穴島、高知県幸島、福岡県筑前沖ノ島小屋島、福岡県烏帽子島、宮崎県枇榔島、岩手県三貫島、北海道天売島
 繁殖地仮目録以外の調査地と調査結果
 ボートセンサス(渡船・小型船による繁殖地周辺の海鳥出現結果)
伊豆諸島鵜渡根島、伊豆諸島鵜渡根島と新島根浮岬、伊豆諸島三宅島大野原島 、大分県豊後水道北西部、宮崎県島浦、熊本県天草、鹿児島県甑島
 烏帽子島のカンムリウミスズメの生息状況
 隠岐諸島星神島における新しいカンムリウミスズメ繁殖地の可能性
 天売島におけるウミスズメ類の繁殖現状


シンポジウムのお知らせ

日本における海鳥の保護現状と国際協力(仮称)
日時  1996年7月15日前後
場所  東邦大学理学部(千葉県船橋市、最寄り駅はJR津田沼駅か京成大久保駅)
講演者 長谷川 博
    Anthony J. Gaston
     ほかは未定
主催  日本ウミスズメ類研究会
共催  パシフィック・シーバード・グループ日本海鳥保護委員会

 研究会では第6期P.N.ファンド助成を受け、今年7月に国際シンポジウムを開きます。当初、北海道での開催を予定していましたが、場所等のセッティングが難しく、東邦大学での独自開催となります。講演者は、現在のところ長谷川 博、アンソニー=ガストンの各氏で、さらに数名が講演する予定です。シンポジウムといっても、今回は一般講演に近いかたちをとりますので、お気軽にご参加下さい。
 講演者の一人、ガストンさんは、ウミスズメ類の研究者として世界的に有名で、著書に『Ancient Murrelet』(T & AD POYSER)などがあります。
 詳しいことは6月中に追って連絡いたしますが、開催日はほぼ確定しています。どうぞカレンダーにいまからマークをつけておいて下さい!なお、シンポジウムのお手伝いが可能な方は、事務局までご一報下さい。


事務業務の一時移転について

 事務局担当の小野は、2月下旬より5月下旬頃まで、宮崎県門川町枇榔島に、長期のフィールド調査に出かけます。そのため、事務業務を一時的に会計の大槻さんに併任していただくことになりました。なお、小野宛の電子メール( kojiono@gol.com)は、調査期間中でも受信しています。お急ぎの方は、こちらにどうぞ。研究会のホームページに、島から「無人島日記」を発信する予定ですので、お楽しみに!


長谷川さん、受章!

 アホウドリの保護と研究に長年携わっている長谷川 博さん(東邦大学理学部講師、本会会員)が、このたび、東京都より平成7年都民文化栄誉賞を受賞されました。おめでとうございます。

会報の一部抜粋で、オンライン用に編集し直してあります(今号はほぼ全文掲載)。繁殖地情報等の貴重な情報を含むことがあるため、会報そのものを必要とされる方は 会員登録(住所、氏名は原則公開)をして下さるよう、お願いします。

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Compiled by Koji Ono kojiono@gol.com
Revised: 15 Feb. 1996
URL: http://www2.gol.com/users/kojiono/