波が岩にあたってくだけちり、大きな音が鳴っています。 ひなたちはあまりのこわさに、また陸の方へもどろうとしました。 「さあ、早く!」お父さんが海から叫びます。 「おもいきって飛び込むのよ!」お母さんの声もします。 銀色に輝く夜の海に、勇気をふりしぼってひなたちは飛び込みました。 目の前が白い泡につつまれます。 気がつくと、ひなたちはお父さん、お母さんのそばにいました。 「ふぅーっ、こわかった」 「この海が坊やたちの新しい家なのよ」 月がやさしく照らします。