フェイク
監督:マイク・ニューエル
出演:ジョニー・デップ/アル・パチーノ
・・・・マイケル・マドセン/アン・ヘッシュ
ジョニー・デップ
▼あらすじ
1978年、ブルックリン。場末の酒場で一人の初老のマフィアが、若い男にダイヤの
指輪を差し出し、鑑定を依頼した。男は、それを一瞥しただけで「偽者(フェイク)だ」
と見破る。異なる世界に生きる二人の男の出会いだった。
FBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は、おとり捜査官として、
マフィア組織に潜入することを命じられた。彼の潜入名は、ドニー・ブラスコ。マフィア
との組織を狙っていたドニーに最初に近づいたのは、末端のレフティ(アル・パチーノ)
だった。
当時、レフティが所属するマフィアファミリーは、二つの組が対立して存在していた。
リトル・イタリーを拠点するソニー・レッドの組とブルックリンを居奠都するソニー・
ブラック(マイケル・マセドン)の組である。後者に属していたレフティは、忠実に
仕事はこなすものの、運にはまるで見放されていた男だった。ボスへの上納金に
四苦八苦し、出世とは縁がない。そんなしけた暮しの中に現れたのがドニーだった。
レフティは、聡明で行動力にあふれるドニーとの出会いに、あきらめかけていた
昇進の夢を再び抱くようになる。また、誠実な彼に、ドラッグにおぼれる息子の姿を
重ねあわせ、単なる弟分を超えた愛情を感じはじめた。
レフティは、ドニーを組の上層部に紹介したり、ことあるごとにマフィアの掟を
盗聴機やビデオテープ教えるなど親身に世話を焼いていた。そんなレフティを
足がかりに彼が仕掛けたは定期的にFBIに渡され、作戦は着実に成果をあげていた。
一方で、マフィアとして暴力団に加担するなど、ドニーとジョー、二人の人間の
境界線はあいまいになっていた。たまに家に帰っても娘たちは口もきいてくれず、
妻のマギー(アン・ヘッシュ)とは口論が絶えない。仕事の重責の中、彼の私生活の
歯車は徐々に狂いはじめていた。
さまざまな活動をしていくなかでついにドニーにも危機が訪れる。ドニーの身の危険を
案じたFBIはマフィアからの撤退を勧告した。しかし、今捜査を抜けることは
レフティを危険にさらすことでもあった。自分を信じ、愛してくれるレフティを
見捨てることは、彼には出来なかった。
抗争に巻き込まれた彼が、まさに敵にめがけて引き金を引こうとした瞬間、FBIが
突入した。引き裂かれるドニーとレフティー。6年に及ぶドニー・ブラスコとしての
生活にピリオドが打たれた・・・。
▼コメント
アル・パチーノが演じる落ち目のマフィアとおとり捜査官として葛藤を感じるジョニー・
デップの演技は、とても自然で上手かった。ストーリーも魅力的だったが、ラストが
ややあっけなかった感じがする。また、もう少しFBIとしてのジョーを描いたほうが
ジョーとドニーとの間で揺れ動く気持ちを表せたのでは・・・?