●万里の長城は、今から約2200年前、かの有名な秦の始皇帝よりも前の 春秋・戦国時代に7つの大国が、それぞれ自国の北の国境に北方の異民族を 防御するために建築しはじめたのが始まり。 以後、秦の始皇帝、漢の武帝等により新築・増築され、現在は、全長が 約6000キロの巨大な建築物となった。月から見える唯一の人類建築物 なのである。
★北京市街から北北西へ約80キロ。現地案内人の張さんと運転手の劉さん そして中西と私が乗った車(AUDI)は、舗装されているからいいが、 結構ガタガタくる山道を登っていた。午前中は、明の時代の皇帝の墓 (明の十三陵のうちの定陵)を見学してきたので疲れていて、張さんも 中西も寝ている。 この景色を見ている限り、日本の田舎の風景とまったく変わらない。 蔵王のスキー場へ行ってる道と同じだ。周りは山ばかりなので、みんなが 寝てしまうのはよくわかる。明の十三陵を出発してから30分くらいたった ころだろうか、山の尾根を伝っている城壁が、いよいよ見えてきた。 中国が観光用に公開している万里の長城は、いくつかあるが、私たちが いくのは、公開されているなかでは結構険しいらしい「八達嶺」 というところだ。到着してみると、来る途中は車をほとんど見なかったのに、 駐車場は、バスや乗用車であふれかえっていた。観光客は、多くが中国人 のようだ。たまに日本人かなと思うと韓国人、というケースが多く、 日本人は少ないようだ。 券を買って入場。登ってみると高さ8メートルだけあって、結構高い。 そして左右を見渡してみると、長城がずーっとつながっている。 晴れているが、スモッグがかかっているため、残念ながら景色は絶景!! というところまではいかなかった。 中西と私もとりあえす歩きはじめる。結構、坂がきつい。階段状になっている ところはいいが、そうでないところはすべりそうでこわい。
大体、1時間ほどぶらぶらしていたが、所々にある、兵士が寝泊まりを する「トーチカ?」では、中国人がトランプや将棋をしており、「?!?」 と思った。昨日、北京に到着し、夜、街をぶらついたときも老若男女 みんながゲームをしていたが、ほんと好きなんですね。 さて、景色がすばらしいので、私のカメラで中西に写真を撮ってもらう ことにした。ポーズを決めて、撮ってもらったまではいいが、なんと 中西君は、不覚にもフィルムの入れ替えするボタンを押してしまい、 「カパッ」と開いて、光がカメラ内に入ってしまった・・・。 せっかく撮った写真、真っ黒になったんじゃねーだろうな。 相変わらず、間抜けなことをやってくれるぜ。
97年8月 小松 一郎