●故宮は、故宮は、故(もと)の宮城=紫禁城のことである。東西750メートル 南北960メートル、面積72万平方メートル、部屋数9000以上という巨大な城である。 一部屋に一晩ずつ、泊まっていくとすると20年以上かかるというのだから、その巨大さも 半端ではない。 故宮の中にはいくつもの宮殿があり、その建物のうちいくつかが、そのまま青銅器や陶磁器 や絵画、書画などの博物館になっている。あまりにたくさんあるので、ゆっくり全部見て まわるならば、1日はかかるだろう。 故宮は、明代の14人の皇帝、清代の10人が、合わせて491年間中国を統治した居城 である。この故宮の最後の皇帝が「溥儀」で、彼を取り上げた映画「ラストエンペラー」 が、アカデミー賞を独占したのは有名な話である。
★故宮に行きたいと思ったのは、やはり、ではあるが映画「ラストエンペラー」を見た ことが一つの理由になっている。一番最初の門は、午門(ウーメン)である。 さすがにでかい。圧倒される。チケット売り場から門まで行くのにもかなり 歩かなければ行けない。
とにかく、広くてでかいことに圧倒されるが、逆に言えば、それ以外は「?」 とも言える。つまり、同じような建物ばかりで、少し飽きるし、人もめちゃくちゃ 多くて、やや興ざめだったということ。あまりにでかすぎて、見るものが多くて、 何がなんだかわからなくなってしまった。 故宮博物館は、中から見るよりも外から見た方がいいかもしれない。下の写真は、 故宮博物館のすぐ北側にある景山公園からみた故宮。その整然と作られた様子が、 一目瞭然。故宮だけでなく、北京の町並みが一望できてとてもよかった。
97年8月 小松 一郎