わしのつぶやき]>[講演会の報告]07夏・長島訪問記

【報告】 わく星学校2007文化祭 講演企画

「瀬戸内の原風景・長島の自然を守る」

11月10日(土)pm5:30〜8:00

京都市障害者スポーツセンター 2F 会議室3(和室)にて

お話: 長島の自然を守る会から
岡野友紀さん、 島田淑子さん

 山口県の東南、室津半島の南部地域を長島と いいます。ここに中国電力が原子力発電所の新規建設を予定しています。しかし、この地域には瀬戸内の原風景ともいわれる貴重な生態系が残っています。かつ て瀬戸内の海辺にあった自然は今ではそのほとんどが失われ、限られた地域に残されているに過ぎません。長島の自然を守る会はこの地域の貴重な生態系を記録 しながら、その保護を訴えています。

 この夏わく星学校は長島を訪問し、守る会 の調査に参加させていただきました。危機にひんした自然の風景に接し、この事実をぜひ多くのみなさんに知らせたいと思いました。そして、文化祭の日程の中 で講演会を企画させていただきました。その報告をさせていただきます。長島の自然について知っていただくための一助となれば幸いです。



岡野さん島田さんご夫妻

【 岡野さん、島田さんのお話 】

 長島の自然を守る会が発足したのは99年秋。原発建設予定地周辺の自然を記録しながら、中国電力や山口県への申し入れなども行ってきました。

 この地域には自然が残されているというだけではなく、動植物が独特の生態系を構成してきたことにも特徴があります。よって、ここでしか見られない生物種が数多く存在します。---(スライドを使って紹介して下さったものの内ごく一部を下に載せています)

 05年、建設に向けたボーリング調査にあたって、中国電力は掘り出した泥をそのまま垂れ流しにしていました。守る会の告発によって違反を知った山口県はさすがに怒り、一時中断を命ぜざるを得ませんでした。


計画に違反して垂れ流された泥

 この他にも発覚したことがいくつもありますが、問題となるたびに示される中国電力の対応はその場しのぎに過ぎず、本気でこの地域の自然を守ろうというものではありません。

 漁業権や用地取得の手続を問題とするいくつかの裁判によって着工を阻んできましたが、効力にも限界があり、最近はどんどんボーリング調査が進められています。

 一方で、良心的な研究者の方たちが何人も守る会の活動を支えてくださっています。そういった人との出会いにはとても恵まれています。おかげで、新たな発見や貴重な記録が続けられています。

 私たちは限られた時間の中で調査に入ることしかできませんが、そんな私たちの目に、ちゃんと見つけてほしいとでもいうかのように、貴重な動植物が飛び込んできます。

 それは、とても偶然とは思えません。生き物 たちはきっと、この地域を守って欲しいと訴えているのだと思います。でも、まだその声は多くの人のもとに届いていません。もっともっとたくさんの人たちに 長島の自然のすばらしさについて知ってほしいと思います。(文責:kosa)


長島の桜の老樹


対岸にある鼻繰島のハヤブサ


ボーリングやぐらに占拠された浜


クサフグの産卵地を確認


ジョウビタキ


ノビタキ


ミサゴ


オオハムの群れ


ヤマザクラ


オドリコソウ


スダジイ


コクラン

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