【女性側の検査】
1. 基礎体温の測定
まず婦人体温計で基礎体温を測っていただきます。これにより、排卵があるか?黄体機能不全の可能性があるか?おおよそ推測できます。基礎体温で排卵日はなかなか予測できませんが、低温相最終日から基礎体温上昇期の3日間に排卵することが多いと言われています。また、基礎体温高温相が10日以下だと黄体機能不全が多いのです。
2. ホルモンの基礎値の測定
月経の始めに、採血してホルモンの基礎値を測定します。排卵障害があれば、これでおおよその障害部位がわかります。
3. 卵管の疎通性検査
月経終了後(月経開始から9〜11日目頃)に、卵管の疎通性検査を行います。超音波を使った通水検査をして、卵管の通りを検査します。この結果が不良な場合、子宮卵管造影を行います。
4. 超音波検査とフーナーテスト
排卵が近づくと、超音波検査をして卵胞が成熟しているかを診ます。排卵が近づく頃には、卵胞の直径は約20mm位になり、この時期には子宮内膜が厚くなります(通常10mm以上)
。
また、同時に頚管粘液や尿中のLH(ホルモン)を調べます。卵胞が発育し、排卵直前になると、卵胞ホルモンの影響で頚管粘液が増え、精子を子宮に受け入れる準備をします。そのため、頚管粘液の検査を行います。また、下垂体から出るLHがピークになると、17〜24時間以内に排卵すると言われているので、LHが増えているかどうかを尿検査で調べます。
排卵が近くなると、夫婦間適合性検査(フーナーテスト)を行います。フーナーテストを2回行い、2回とも運動精子が見つからない場合、抗精子抗体を調べる必要があります。
5. 黄体ホルモン検査
排卵後1週間目、基礎体温が高温相になったころに、超音波検査で排卵しているかどうかを検査し、妊娠維持に必要な黄体ホルモンが出ているか(正常値は10ng/ml以上)を採血して調べます。
*当クリニックの場合、来院される患者さんの約7割は他の医院からの紹介なので、一通りの検査や治療は終了している方がほとんどです。そのため、場合によっては、すぐに体外受精や顕微授精を行うことも少なくありません。
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