トリオ・ザ・ヨーロッパ

猫兎さん、さなぎさん、そして私、ろむうさぽ。
私たちは三人は、なぜか今、美術館にいる。
プチオフと称して、趣味の近い女同士、はるばるヨーロッパまで来ていた。
美術館に来たといっても、それほど絵に情熱があるわけでもなく、
陸路でのトランジットタイムを有効に過ごそうと、寄ってみたに過ぎない。

あまり興味も無くブラブラ歩いていたら、フランツリストの肖像画があった。
稀代のプレイボーイ。その曲は、ピアニストにとって限界を超える指さばきを要求する。
しかし、描かれたその白い指は、思っていたほどは長くない。
鍵盤の上をその指が軽やかに舞うシーンを想像しているうちに、
いつしか妄想があらぬ方へと向かい始める‥‥‥

その右手が私の胸の上でゆっくりとメロディーを刻んでいる。
やさしく、注意しないと分らないぐらいの、弱さで。
突然反対の胸に移動して、強めのパッセージ。そして元に戻ってゆっくり。
その間も乳首に触れることはない。じらされている?

左手はすでに敏感な場所に置かれていた。5本の指は、別々の動きをしている。
薬指が入り口のあたりでスタッカートを刻む。
小指は4拍子の頭打ちで、中指はひだの中を絶えず上下にグリッサンド。
親指と人差し指は、クリトリスの両サイドをつまんで延々とトリル。
そのあまりに強烈なコンビネーションに、
思わず膝が抜けかける。そして我に返った。

恥ずかしくなってそっと隣を見た。二人ともなぜか絵を見つめたまま動かない。
「行こう?」
そのことばに目が覚めたように、やっと二人ともこちらを見た。
「あっ! う、うん。そうだね」
濡れたショーツが気持ち悪いので、私は化粧室に向かった。
猫兎さんもさなぎさんも一緒。

‥なんか、みんな変な歩き方だった‥‥