ちゅく。
ちゅく。
ちゅく。
煙草の紫煙と焼き鳥の煙の立ち込めるカウンターで、淫らな音を
立てて唾液を交換する。背中に刺さる痛いほどの視線。いくら飲み屋
でもハメを外しすぎだ。唇を吸われながら、背中や腕が総毛立つほどに
人目に晒されていることを自覚する。
ちゅく。
ちゅく。
ちゅく。
ぷあっ。
「はあっ!はあっ! いったい何考えてるのよぉ!!」
「いやあ、オレ、公衆の面前でキスしたの初めてだ」
「あ!あたしだって! ……ばか!!」
真っ赤になりながらコソコソと周囲を見回す。物見高い連中はもう
視線を外してしまっている。とりあえずホッとした。
「なんでこんなことするのよぉ!」
「うーんと、キスだけに集中すると、性感が高まるんだってさ」
「なによそれ! あ。あたしちょっとお手洗い。 口拭いておきなよ」
唇にベットリ私の口紅付けている靖之に、ポケットティッシュを投げ
つけてカウンターを立った。
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