ガチャ。

「お待たせ」
「有ったぁ?」
 ガサガサとコンビニの袋をまさぐり、
「こんなのしか無かったけど」
 とショーツを見せる靖之。
「良く買えたわね」
「他にスキンとか野菜ジュースとか買ったからな」
「野菜ジュースがどう関係あるのよ」
「あははは」

「あ、オレも飲ーもうっと」
同じく冷蔵庫からビールを出して飲み始める。
 私は勝手に袋からショーツを取りだして風呂場で穿いた。

ソファーで2人でぐびぐびとビールを飲みながら、
なんだかいつもと雰囲気違って、ちょっと落ち着かない。
「あたしさぁ、今日は帰るわ」
「エッ!? 嫌だった?ねぇ」
「……」
 無言でうつむく私。
「ごめん」
 急に真顔になる彼。

 ストッキングも穿きなおし、スカートを直してから、ちょっと勿体つけて、ニコーッと笑い、
「ばか。 ……気持ち良かった。 さんきゅ」
 と言って軽くまたキスをした。 唇に靖之のビールの苦さが残った。

 自分のマンションに戻ってからも、ちょっと悶々としてしまったが、いつものように オナニーする気にはならなかった。なんだか、普段雑に扱っているものが、急に 大切なものに思えてきた。
 シャワーを浴びながら、さっきの感覚を確かめるように、中指でそっとクリトリスを 皮の上から押してみて、全身がお湯に浸るるような、甘い痺れに酔った。自分で 触れるだけでは決して行くことのできない、甘美な甘美な世界。
 キスだけであそこまで気持ちいいなら、もし入れたらどうなるの?
 ドクドクドクドクドク。
 ああ、いけない、いけない。
 シャワーをぬるめにして頭を冷やす。セックスに関する一つ一つのことがすべて 大切に思えてきた。何かを自分でだけで勝手にするのがすごく勿体なく思えてきた。
 次に靖之が何をするつもりなのか、それが楽しみになってきた。高鳴る心臓をなだめ つつ、私は浴室を出た。

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