そう、
別にSMとか犬とかペットとかっていう、変態の意識は全く無く、
所有物の証、という気分。
それでも自分の心臓の音がゴンゴン耳に響くほどドキドキしまくってて、
周囲の様子などまるでわからなくなっていた。

「もう、出るか」
「…うん…」
夢遊病者のようにぼんやりと頷き、
全く味のしない、冷めた焼き鳥を口に頬張った。
残ったビールでゴクンと呑み下し、席を立つ。

首輪は自分が意識してるほど目立ってはいないようだ。
肌色に近いベージュ色だし、
周りはみんなヨッパライだし、
後ろからは髪の毛に隠れて見えないし。
だが脳にドクドク血が昇り、頚動脈が拍動するたび、
首輪はその血の流れを少しせき止め、息苦しさでその存在を誇示している。

足元がフラフラしてしまって、靖之の腕にすがるようにして歩く。
ショーツは股がぐちょぐちょになってて気持ち悪く、
早く脱いでしまいたい。

靖之の部屋に入るなり、
「ああ…」
って声が出た。
何の意味も無いんだけど。
「ほら、そんなに焦らないで。 今までのおさらい。 まずキスからだ」
バッグとコートを投げ出しただけで、
そのまま居間のど真ん中で立ったままキスされた。

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