夜風の・・・


(まったくもう、なんでこんなことしてるんだか…)

あたしはコンビニに買い物にきている。正確にはこれからお泊まりなのでホテルに
行く前に飲み物とか食べ物を調達にきてるんだけど…彼氏がレジをすませているのを
待っている間、落ち着かない気分で入り口に立っていた。
お気に入りのスカートのひらひらと足にまとわりつく生地が今は恨めしい。

「どうした。もう降参?」
ペットボトルのお茶やらパンやらの入ったビニール袋を片手に提げてあたしの腰に
手をまわして歩きはじめた彼氏がからかうようにささやく。
「そんなことないもん」
あたしは素知らぬカオをして歩き続ける彼氏の顔を軽くにらんで、きっと前をみつめて
歩く。

そう、なにも起きていないかのように。

−−−−−−

コトのおこりはホテルのお泊まり時間までの時間つぶしで立ち寄ったマンガ喫茶だった。
軽くお酒を飲んでいい気分だったあたしはカップルシートに座るとそのまま軽く居眠り
してしまったのだ。だってチェックインできる時間まではまだ1時間以上あったし。


「おい、おきろよ」
ゆさゆさと彼氏に無理矢理おこされて指さされた備え付けPCのディスプレイからは
なんだかいかがわしい単語が読みとれる。んー、と眠い目をこすりながらディスプレイに
顔を近づけると、それは女性の、いわゆる告白投稿サイトだった。
「読んでみてよ」
背中から彼氏に抱きかかえられるようにして、ついうっかりあたしはその文章を読みすすんで
しまった。

「…えー。うそぉ」
しばらく読み進んであたしはそんなつぶやきをもらした。だってそのサイトに投稿してる
女性は−文章によれば、だけど−下着をつけずにお尻が丸見えになりそうなミニスカや
きつきつのタンクトップで出かけては、たくさんのヒトに見られるのが大好きで気持ちいい…というのだ。
「お前もこういうの、興味ない?」
背中からまわされた手がいつのまにかやわやわと胸を揉みしだいている。軽く酔ってる
せいかいつもより身体が敏感に反応してしまう。
「やめてよ…」
「いいじゃん。どうせ誰も見てないって」
するすると指がスカートの中にのびてくる。
「ちょっ…ちょっと…」
「でも声出したらバレるよ?」
耳元でそうささやかれては黙るしかなかった。


コリコリとした突起をもてあそばれ、達しそうになった瞬間、彼氏の手がするりと下着か
ら引き抜かれた。
(えっちょっとちょっと寸ドメーーー?)
「下、脱いでよ」
あたしの愛液で光る指を舐めながら、彼氏は小声で言った。そしてあたしが抵抗する
のも気にせず、パンツと…キャミだからってブラまではぎとってあたしのハンドバッグに
押し込んだのだ。
「そろそろ時間だからでるぞ。途中で買い物もしないといけないしね。」

あたしは反論することもできず、そのままエレベーターに乗ってしまった。
エレベーターにはあたしたちの他には誰もいない。

「言っておくけど、変なそぶりしたらバレバレだからね?」
エレベーターが一階について、降りる段になって彼氏はあたしのおしりをひとなですると、
楽しそうに言う。

夜風がいつもよりすうすうとあたしのまわりを吹き抜けていった。

−−−end