キャビア日記 2001年 1月 |
▼司馬遼太郎「幕末」 幕末が舞台の短編集。薩摩とか長州の人はセリフがお国訛りなのに、会津藩の人はセリフが標準語でアレだ。九州の訛りは調べても東北の訛りは調べる価値無しってことかい?つーか、近代日本の礎はすぐに人殺ししたがるドキュソによって築かれたのかと思うとなんだかアレだわ。井上馨は野グソしまくりだし。ザッツ乱世。 ▼陳舜臣「マルコ・ポーロ」読みちゅう。マルコ・ポーロは元のフビライのトコで何をしてたのか、っていうテーマでの連作短編。おもしろいのになんでこんな地味な売り方してるんだ、カバーといいタイトルといい。 ■粉と原価 2chのパスタとかうどんに関するスレッドを見ていたところ、小麦粉を材料とする、いわゆる「粉モノ」は原価率が異常に低いって話が。はぁ、なるほど粉はボロ儲けなのか。他にはフライドポテトとかチキンナゲットなんかもスゲえ暴利を貪ってるらしい。 ▼粉ねえ。粉かぁ。粉つったらパンか。パンだ。パンねえ…パン工場?パン工場は粉だな。ありゃあ粉だ。紛うことなく粉だ。そうだ、ふれあいショップあおぞらへ行こう。● ■鉄甲機ミカヅキ 雪だよ寒いよ道路が滑るよ最低。と思いながら膝を抱えてテレビを見てたら、昼間っからあやしげな特撮ロボットモノが。小学生の男の子と女子高生らしい美少女がブリキのおもちゃみたいな巨大ロボットに乗り込み、ゴジラみたいな怪獣と闘ってた。全体的にものすごくヘタレっぽく感じるんだけど、特に無駄なCG使いまくりなトコとか。いやさ、そんなのよりも美少女の大根っぷりが。アレですか、作品の出来を美少女で底上げですか。 ●食料買いに出かけようとして部屋のドアを開けようとしたら、開かない。開かないよママン!ドアの前に積もった雪がつっかい棒になってるわけね。ウチのアパートは廊下に屋根が無いから困るわ。つーか近所の道は全然雪かきされてないから歩きにくすぎ。そもそも雪なんて1シーズンに1度降れば充分だっつーの!ちょうムカ。 ●どうやら僕の好きな漫画家ランキングはふくやまけいこ永野のりこで鉄板ワンツーフィニッシュらしい。 ■2chおすすめしたいスレッド 過激な恋愛板 よし、すっげー過激なこと書くぜ!! ハァハァボクたんにはチョット刺激が強すぎるョ☆ モナー板 がいしゅつモナー プーアナスレッド シャイなラテン系 フェラーチョさいこう。ヴェ、ヴェニス… |
読書傾向が海外SF&ミステリに偏っているので、ここらでひとつ正反対な傾向のものを読もうと思い、秀さんから陳瞬臣と司馬遼太郎を借りてみた。今のところ司馬遼太郎の短編集「幕末」読みちゅう。 ▼それにしても人物名がさっぱり覚えられねえええよ!つーか漢字多すぎ。ヤバいよ脳みそがすっかり海外小説仕様になってる。リハビリせねばならん!と無理矢理読み進めていたところ、半分くらい読んだあたりでようやく時代小説脳が活性化してきたらしく内容が理解できるようになってきた。おお、おもしろいじゃん。日本史には疎いから、史実に忠実っぽい筋立ても興味深いし。 ▼しかしちらほら知らない単語が出てきてちょっぴり恥ずかしいわ。ボキャブラリー増やさないと。とりあえず莫逆は調べた。ってこんなの知ってても使い道無えや。てゆうか俺様の知らねえ言葉を注釈も無しに使うな(逆ギレ)。 ●サイゴーさんの幸せはかなり前に友人宅で読んでたんだけど、先日購入して3回ぐらいうっとりしながら読み返してたら、なんで銅像がいきなり人間になったのかがわかってびっくりした。全然気付かなかったYo☆銅像の台座に貼り付けられた夥しい量のエレキバンが放つ何万ガウスという磁力が銅像をナニしたわけだね!なんだ、きっちり伏線が生きてる話だったのか。ていうか今まで僕はこの漫画のドコを読んでたんだ(主にうっとりしていただけです)。 |
●ななななんですとー!?松田洋子「薫の秘話」が絶版になってたなんて知らなかったわ。つーか河出書房から復刊だそうだ。1500円。どうしよう単行本未収録の短編も載ってるらしいしここはひとつガーンと買っておくか、と思って書店へ直行し手にとって1500円という値段を改めて確かめるに及び、くじけた。やっぱ高いよ1500円。もし八重洲書房でデビットカードが使えてたらついカッとなって欠格さんオススメの「濃爆おたく先生」と一緒に購入しちゃうところだったよ。2000円もあったら米が買えるのに。贅沢は敵だ。 ■漫画 ▼ふくやまけいこ「サイゴーさんの幸せ(全二巻)」(大都社) 上野、サイゴーさんの銅像が突然動き出して人間に。行き場の無いサイゴーさんは、航空機博物館を作ることを夢見るアキラ少年のアパートに転がり込む。ところがマッドサイエンティストのトシさんと悪徳地上げ屋の争いに巻き込まれ…。 ▼古本屋で見かけて、ついつい購入。かわいい!かわいすぎるよ助けて!読みながら悶えまくりですよ。やっぱふくやまけいこサイコーだわ。ちなみに1989年から90年にかけて新書館で出たものを、98年大都社が復刻したやつを買った。ライラック物語は復刻してくれないのかしら。 2chふくやまけいこスレッド SFオンラインふくやまけいこインタビュー ●あ、オゲさんのサイトが一般公開だって。祝。 |
▼クラーク「太陽からの風」(ハヤカワSF) 短編集。太陽の光を帆に集めて航行する宇宙ヨットのレースを描いた表題作が萌え。宇宙ヨットカコイイ。 ▼リンダ・ナガタ「極微機械ボーアメーカー」(ハヤカワSF) ナノマシンとバーチャルリアリティーが発達した未来の話。人格をコード化してネットに潜ったりクローンの体に人格をダウンロードさせたりとか、こーいうのをサイバーパンクっていうのかしら。話の素材の割にはものすごくわかりやすく、かつおもしろいです。つーかスゲえよおもしれえよ読まなきゃ損だっつーの。それにつけてもこの腐ったタイトルつけた奴は死刑。そういえば解説が冬木蛉さんだった。
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昨年暮れの話なんだけど、電車に乗っていたら近くに座っていた大学生風男子二人組が、フランス語だとかスペイン語だとかロシア語なんかを比較する話をしていた。彼らの周りの乗客は僕も含めてその二人の話を興味深げに聞いており、その周辺だけなにかアカデミックな雰囲気になっててちょっといい感じだったんだけど。 ▼なにかの拍子に彼らの片方が「そういえばパンチョ伊藤の『パンチョ』ってなんでパンチョなのか知ってる?」と言い出した。 「はぁ?なんかアレって謂れがある名前なのか?」 突然そんなことを言われた方が、不思議そうに訊くと、言い出しっぺの彼が、肩をすくめて「やれやれ」とでも言わんばかりに答えた。 「パリーグの審判長だったんだよ。だからパンチョ」 ▼いやたしかにそんなの初耳だし非常におもしろい話だがしかしアンタ話の流れからてっきり外国語関連の蘊蓄を絡めた話題になるのかと思ってたら審判長かよ!まぁオチがついたから爽やかな気分で電車を降りられたけどさ。 ●セブンイレブンで「ラーメン六角家」なる袋入りインスタントラーメンを買ってきた。120円。作ってみたらマジ家系な味でちょうビックリよ。これで家系の店まで行かなくてすむようになったわ。 ●そういえば先日の熟女ボンバーなSPAMの文章も名文だったけど、2chで見かけたこのコピペも心臓鷲掴みなくらいにステキだったわ。 お前の欠点は先生をお母さんとよく呼び間違ってしまうところが |
■厭な記憶 テレ東なんかでよくやってる「各駅停車の旅」みたいな番組が好き。出演者の落ち目な芸能人とかしみったれた内容が心にジャストフィットするから。しかし先日、口半開きでボンヤリ旅番組を見ていたところ突然厭な記憶が蘇ってきた。トリガーはナレーターの声。ドクロベエ様の声を演じたことで有名な滝口順平のナレーションが… ▼中学生の頃、休み時間にはよくトランプをしてたんだけど、その輪の中にいつのまにか入りこんでいたT君。彼は今風に言えばガリオタ(今風なのか?)な容姿で、もう少し具体的に言えばホーキング博士発病後みたいな、もしくはリアルのび太君な感じというのか。勉強も運動も苦手でアニメとゲームが大好きなT君にも一つくらいは取り柄があるもので、その取り柄というのがドクロベエ様の声真似だったわけだ。 ▼実際彼の「おしおきだべえぇぇぇ」って声真似はアニメのソレと寸分違わぬ素晴らしいクオリティを誇っており、といってもソレが得意だからって何もイイこたぁ無いんだけど彼にはそれくらいしか取り柄が無いので何かというと「おしおきだべえぇぇぇ」ってセリフを聞かされていたわけだ。
▼高校生の時、自転車で行ける距離の会場で同人誌即売会が行われるという噂を聞きつけ、3,4人でひやかしに行ったことがあった。会場内を3,40分見て廻った後、げんなりしながらみんなで友人宅へなだれこんだところ、中の一人が「そういえば帰り、オレたちの後ろからTがついてきてたよ」と言い出した。なんでも、声をかけるでもなく一定の距離を置いて追走していたらしい。「あーオレも気付いてたよ」「オレもオレも」って僕以外の全員が気付いてたらしい。 ▼なんつーか、声をかけなかった僕たちと、歩み寄ってこなかったT君の複雑なアレを滝口順平の声は鮮明に呼び起こすので、テレ東の旅番組はできるだけ見ないようにしなきゃならないことになったわけだ。 |
先だっての大雪がよりによって実家から横浜へ戻ってくる前日〜当日に直撃しそりゃもうおおわらわだったんですが。仙台市の北部郊外に位置する僕の実家のあたりでは積雪が2〜30cm程にも達しており、戻ってくる当日も一日二回、家の前の道路を雪かきしなければならないほどでした。しかしそんな努力も降りしきる雪の前には全く無力であり、買い物から帰ってきたパパンの車が車庫入れの最中に立ち往生。 ▼後輪駆動の車なんですがその後輪がチュイーンと金属的なけたたましい音を盛大に立てながら雪面をいたずらに掻き毟るばかり。後輪にダンボールを敷いてみたり熱湯をかけてみたりしているうちに向かいの家のお姉さんがスコップ持って応援に駆けつけ5人がかりくらいで懸命に雪をかき出しようやく脱出できたと思ったらその30秒後に再びハマり、「チェーン巻かないとダメだよチェーン無いの!?」「無い」などと虚しい会話が飛び交った末、後部座席に二人ほど乗り込み後輪が接地するようにすればいいのではないかという非常にお手軽な解決法が得られたわけなんですけど。
▼なんつーか雪ってイイですネ☆ ■読書 ▼ブリジッド・オベール「マーチ博士の四人の息子」(ハヤカワHM) マーチ家の住み込みメイドのジニーは、ある日殺人を繰り返している人物の日記を発見した。その日記によると、書いてる人間は四人の息子のうちの一人らしい。途中でネタはわかっちゃったけどなかなかおもしろかった。 ▼クラーク「楽園の泉」(ハヤカワSF) 軌道エレベーターを作る話。スゴいよ軌道エレベーター!萌え!建設だけでなく、ちゃんと土壇場でアクションも用意されていてさすがクラークって感じ。 ▼で、今のところクラーク「太陽からの風」とリンダ・ナガタ「極微機械ボーアメーカー」読みちゅう。 ●珍しく僕の心に深く食い入るSPAMが。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 熟女ボンバーって言われましても…。 私信:オデオンビルの空きフロアには身元不明の死体が2,3体転がってるような気がしてならないんですが。浮浪者がシャッターに閉じ込められて餓死してたりとか。カラスっつったら死体よね。ステキ。 |
ゴジャース!!ゴジャース!!ゴジャース!!ゴジャース!!ゴジャース!!ゴジャース!! ●読んでも読んでも読みたい本は尽きないというか、読めば読むほど読みたい本が増えていく読書無限地獄。というわけで、プロレス熱が冷めてしまって以来読書量が飛躍的に増えているわけなんですが、古本屋ワゴンで文庫本をまとめ買いすることを覚え購入量もタガが外れたように増大しております。秀さんは僕よりもタガが豪快に外れてるらしく、年末年始100冊くらい買ったらしい。僕は40冊くらいしかしか買ってないからまだ大丈夫だネ☆ ■エレベーター ひさしぶりに伊勢佐木町のオデオンビルに足を踏み入れた。目的は5Fの古本屋、先生堂書店だったんですが、ビルの外側に設置されているエレベーターに乗ってビックリ。乗り込んだ正面にも扉が!1Fの外側から乗り込み、上層階で内側へと出る構造になってるわけね。 ▼ドアが4方向にあるトイレの個室。必ず2方向くらいカギが壊れていて、用を足してる間中気が気じゃない恐ろしいトイレ。どの方向のドアを開けてもどこまで行っても延々と個室。なんだか僕がよく見てたそーいう悪夢を思い出しちゃって死にそうになった。オデオンビルはテナントも少なく内部はガラガラでありただでさえ悪夢っぽいのに、更にこの上エレベーターまでトラウマ系なのか。 ●シャーロット・マクラウドのミステリ、シャンディ教授シリーズは登場人物の8割方中年又は老人なんですが、書店でシリーズの5作目を手にとって裏表紙のあらすじを読んでみたところ主人公であるシャンディ教授が中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまう話らしい。タイムスリップってアンタ、ミステリじゃなかったんですか!?いやミステリじゃなくたって一向にかまわないんだけどしかしそうするとなんだかライトノベル臭え!まあ別にライトノベルだって全然OKではあるがしかしキャラの年齢層を考えたらちょっとソレは…。 |
●年頭の更新ということで、2000年を振り返ってみようかとも思ったんだけど振り返りたくもないってことに気付いたのでやめた。真っ暗だああ真っ暗だ。 ●21世紀最初の年である2001年は自虐的に攻めてみよう、ってわけで「家族に疎まれるわたくし」というテーマで突っ走ろうかとも思ったんだけど突き詰めて考えると本気で死にたくなるかもしれなくて危険。いままでできるだけ考えないようにしてたのに。 ■読書 実家に帰ったものの雪でろくに身動きが取れなかったので本ばかり読んでました。以下メモ。 ▼光瀬龍「百億の昼と千億の夜」(角川) 中学生の頃読んだもののつまらなかった。本当につまんなかったのか気になってたので再読。わりとおもしろかったかも。中島梓の解説は珍しくマトモだ。 ▼シャーロット・マクラウド「猫が死体を連れてきた」(創元推理) シャンディ教授シリーズ4作目。トールシェルド・スヴェンソン学長さえ出てればそれで満足です。それ以上は望みません。 ▼J.P.ホーガン「星を継ぐもの」(創元SF) ちょうおもろ。月で真紅の宇宙服を身につけた死体が発見された。死亡推定時刻は約5万年前。この死体は何者なのか、という話。ハードSF+ミステリって感じで良かったわー。 ▼「ガニメデの優しい巨人」 星を継ぐもの、の続き。おもしろいけどややバカっぽい。 ▼「巨人たちの星」 ガニメデの優しい巨人、の続き。きっとバカSFなんだろうと思う。ルナリアンがミネルバを破壊してしまったことの真相が特にバカ。たまんねえ! ▼アシモフ「宇宙気流」(ハヤカワSF) 時間軸ではファウンデーションシリーズとロボットモノの間ってことになるのか、トランターが銀河帝国を確立する直前くらいの話。そこそこ。 ▼アシモフ「木星買います」(ハヤカワSF) 短編集。多分そこそこおもしろかったんじゃあないかしら。 ▼ジョージ.A.エフィンジャー「重力が衰えるとき」(ハヤカワSF) 近未来の中東を舞台にしたサイバーパンク。頭につけた端子にソフトを差し込むと、ジェームスボンドとかネロ・ウルフの人格になれたり語学やなんかのスキルを使えるようになったりする、ってガジェットがイイ感じ。作品の舞台も物珍しくて良かったわ。 ▼ジョン・ヴァーリー「残像」(ハヤカワSF) 中編集。おもしろかったような気がする。 ▼エルロイ「ブラックダリア」(文春) 主人公と相棒の名前が似すぎててアレだ。 |