キャビア日記 2003年 1月
1月29日
●先月のSFマガジン、バクスター特集はどうもイマイチであり、プランク・ゼロも買う気が失せてしまったのれすが(代わりに買ったのが青春鬼)、今月のSFマガジンもチャン以外どうもダメな感じ。「ルイーズのゴースト」はわけわかんねーし、「主任設計士」は地味で盛り上がらずガカーリ。なんか次号予告に毎回騙されてるような気がするけど、来月号の予告も面白そうなんだよな、のじりん版タウ・ゼロ?とかコニー・ウィリスの短編とか。秘裂卑劣なり。

【キモ】キモゆき・グロゆき総合スレ【グロ】その5
AAの技術ここに極まれり、というか感動したのでマカーの人のために一番激しいのをスクリーンキャプチャーしてみますた。
1月27日
■菊池秀行「青春鬼 魔界都市ブルース」(NON NOVEL)【3】
ものすごく久しぶりに読んだ秋せつらシリーズ。だって「青春鬼」ですよ。なんですかそのタイトルは。そんなのが目の前の棚にあったら買わずにいられない。で、中身は「僕らの高校に、せちゅら君が転校してきたYO!」という話れす。もちろん新宿の高校なのでエログロバイオレンスなんでもアリ。”私”誕生秘話、っつーか続きもあるの?もういいよ別に。もう満足しますた。

●どーでもいいことだが、エロ小説家のワープロは「卑劣」と変換しようとすると第一候補が「秘裂」になってしまったりするのかしら。

●テッド・チャンの短編がものすごいらしいので、SFマガジン3月号購入。で、その作品「地獄とは神の不在なり」は主流文学とファンタジー/ホラーの境界線みたいな作品ですた。こりゃたしかにスゲえ。一刻も早く短編集の翻訳きぼんぬ。既出作品上等。

●つーかテッド・チャンというと、こまわり君のキメポーズ「死刑」を連想してしまうのれすが。吹き出しの中はもちろん「理解」で。
1月25日
■バリントン・J・ベイリー「時間衝突」(創元SF)【4】
本当に時間が衝突する話でビクーリ。あらすじは略。おもろかったけど、萌えとか燃えが足りないのでやや減点。ベイリーは大森望訳でも珍しく肌に合うます。

●ムーンライトマイルの5巻購入。4巻のミゲールに続き、ものすごく不自然な73分け中国人のツラが激しい。谷甲州の軌道傭兵を思わせる人類初の宇宙空間の戦闘は腰が抜けるほどカコイイれすよちょうチェキ。それにしても、アボットとキャロラインのカプールはビジュアル的に強力すぎだな。

●史上最強の弟子ケンイチの3巻購入。まとめて読んでもおもしれー。理屈抜きでおもしれー。

●鋼の錬金術師の4巻購入。おまけだけで180P描いてYO!アルのスネ毛ワショーイ。本編も外伝もおまけ漫画もカバーの下も相変わらず堅実にしっかりおもしろいれす。師匠に会って自信をつけたころに中佐の訃報が届いてどん底に、みたいな展開が待ってるのかしら。容赦無いな。それにしてもこの調子だと5巻は丸々箸休めみたいな感じかしら。

気持ち悪いくらい爽やかな人たちが集うスレ
ヤルッキャナイ! ヤルッキャナイ!
1月22日
■井辻朱美「エルガーノの歌」(ハヤカワJA)【4+】
タニス・リーっぽい耽美な短編集。お好きなひとにはたまらないのではないかと思われ。

■バリントン・J・ベイリー「ロボットの魂」(創元SF)【5】
ロボットのジャスペロダスが、起動された直後に自らを生み出したロボット師夫婦のもとを出奔し、殺人、盗賊家業、王位簒奪などを通し自分を捜し求める話。やーおもしろかった。波瀾万丈な冒険物語れすよ。テーマ的にはイーガンの短編集「祈りの海」みたいな感じ。萌えどころとしてはクリー少佐との友情がこうたまりません。続編「光のロボット」も読みたいけど、見つかりそうも無さげな予感。

●「カエアンの聖衣」はあんまツボじゃなかったけど、「ロボットの魂」は非常に良かったので引き続きベイリーの「時間衝突」を読もう。
1月21日
●ゴーゴリ「外套」(筑摩書房 世界文学大系80 ゴーゴリ)を読みますた。該当スレ及び該当日記過去ログが見つからないけど、2chの文学を要約しようみたいなスレで紹介されており

シーン1 思い切って買っちゃおうかな
シーン2 盗られた

って感じで非常に面白そうだったのでかなり前から探してたのれす。以下ちょうネタばれ。

書類を清書することしか生き甲斐のない役人アカーキー、おもしろみもなく風采のあがらない彼は役所でも嘲笑の的であったが、ある日寒さが骨身にしみるようになったことに気がつき、ボロボロになった外套の新調を迫られることになる。半年ほど切りつめた生活をし、ようやく新調した外套を着てウキウキ気分で夜の街を歩いていたら追い剥ぎに遭ってしまい、警官に泣き付いたが相手にされず、偉い人に口添えしてもらおうとしたら叱り飛ばされショックのあまり熱病にかかりあぼーん。その後、街で人々の外套を剥ぎ取る役人の幽霊が大評判に。アカーキーを叱り飛ばした偉い人も幽霊に遭遇し、外套を脱ぎ捨てて逃亡したところ幽霊の噂は途絶えたとさ。

かわいそうすぎるっ!スゴいやロシア文学。
1月20日
■アシモフ「小悪魔アザゼル18の物語」(新潮文庫)【4+】
どっか別の世界からやってきた身長2cmの悪魔アザゼルが、困った人々のために力を貸したことで起こるトホホな出来事をダメ中年ジョージおじさんが作者に語る、って感じの連作短編集。ジョージおじさんのダメっぷり萌え。レストランで釣り銭くすねたり小金をせびったりするみみっちさがたまりません。ベストエピソードは、一番最後の「雪だるまのフロスティーをバカにする奴は許さない」っていうのが信条の無神論者なタクシー運転手の話かしら。たしかに雪だるまはかわいいにゅ。

■ロバート・アスプリン「お師匠さまは魔物!」(ハヤカワFT)【3+】
マジカルランド第1作。内容は省略。表紙のオゥズとスキーヴの身長比が本編と逆なのがサギ。まあ絵師の気持ちはわかるけど。つーか萌えが足りないのでイライラしますた。もう一押しなのに。

女でボロアパート住んでる人
スゴいよ!ブチ切れたハガキ職人のようなテンション。
1月19日
■谷甲州「天を越える旅人」(ハヤカワJA)【4】
チベットの寺院で育った主人公が、雪山で凍死する夢を毎晩見るので「これは前世っぽい!」と旅に出て雪山で凍死する山岳SF。途中で悪霊払いロードムービー的な展開になったりして、どうなることかとハラハラしますた。

●今週のチャンピオン、「ORANGE」はキた。もうコンビニで立読みしてて涙腺直撃れすよ。

●漫画喫茶でなんとなく「新鉄拳チンミ」を読んだ。まだやってんのかよという気がするけど、やっぱおもしろいにょ。古臭い少年漫画な絵柄がこうたまらなく萌えるンですが、それにしてもいまだに通背拳が必殺技でありインフレとは無縁な世界感がスゲえや。

●おお、ダンクたん萌え仲間が。ハッチさんには魔術探偵スラクサスもおすすめしたいというか、これで萌えないなんてことはありえないと思うます。
1月17日
■グラント・キャリン「サターン・デッドヒート」(ハヤカワSF)【4】
どんな話だったか忘れた。たしか土星の衛星上で発見された異星人の手によるものと思われる物体を手がかりに、コロニー住まいの人たちと地球人が異星文化の遺産を探し争う活劇っぽい話?主人公がコロニーで考古学の教授をしている40男で、全く未知な異星言語などを解読するのに適任っぽいと抜擢されたが、なにせ考古学者だから作中のハードSFな設定はちんぷんかんぷん、ってところが斬新かもしれないと思ったが後半はなんだかアレな感じの人に。
▼あー書いてるうちにだんだん思い出してきた。クリアス・ホワイトディンプルだっけあの主人公は。で、土星の衛星やリングの中にあると思われる異星人の残していったナニを回収するのに力を借りた、宇宙線の影響で奇形だけどちょう天才なジュニアっつー醜い小人がまた怪しくてあからさまにクリアス×ジュニア誘い受けであり、不意打ちでそんなもの見せられるとドキドキするからやめてくらさい。ジュニアはクリアスの瞳をじっと見つめすぎです。
▼とにかく、タイトルに反してあんまデッドヒートっぽくない話ではあったけどおもしろかったれす。しかし、意外と内容覚えてるもんだな。

■ジョン・ヴァーリイ「ミレニアム」(角川文庫)【3+】
目撃者無し、生存者無し、といった大規模な事故現場に現れ、被害者というか被災者というかそーいう人たちを未来へ拉致していく「救奪」。未来人は度重なる戦争などで遺伝子が損傷し、子孫を残していくことができなくなったので、過去からタイムパラドックスを起こす心配の無い人々を攫ってくることにしたのだが、ある救奪現場で未来の製品を紛失してしまう。それが原因でほころび始める時空をなんとか繕おうとする未来人と、振り回される現代人って感じの時間SF。話の原形は「残像」(ハヤカワSF)に収録されている短編「空襲」。
▼んー、なんかイマイチっつーかヴァーリイは中短編だけ書いててくれればいいのに。つーかハリウッドとかどうでもいいからガツンと小説書け書きまくれ頼むから。

●漫画喫茶でハロルド作石「BECK」1〜13巻ぐらい?をまとめ読み。完結してから読もうと思ってたのに。斎藤さん萌え。つーかスゲえおもしろかったんだけど、ふと快感フレーズを思い浮かべてしまい、作者とファンの方々には非常に申し訳ないという思いにかられたりかられなかったり。

●今月もガンガン購入。鋼の錬金術師は肉屋萌え。荒川たんの肉屋観ってどーなってるのかしら今回の店長といい66といい。つーかむしろ店長よりもメイスンさんだな。あの何も考えてなさそうというかデリカシーに欠けてそうというか、そんな佇まい萌え。出産ネタはわりとどーでもいいけど、女豹はステーキれすね。それはそれとして、今月はパプワはヤバすぎ。柴田亜美に笑わされるのはなんだかこう敗北感をおぼえずにはいられないが、今月は負けた。ウマ子美ジョンさいこう。御法度ヤロー呼ばわりはズルすぎると思うますた。
1月11日
●忙しくて本が読めないというか、うっかりDQ7をやりなおしてしまい、ゲームやってると本当に本が読めない。あらくれのドット絵は胸が微妙に揺れており、それはどーいう意図のもとになされたデザインなのか妄想するだけで辛抱たまりません。この萌えともなんともつかない微妙な気持ちをどうにかするためには、とりあえずブクオフでDQ4コマでも漁ればいいのかしら。

●グラント・キャリン「サターン・デッドヒート」読みちゅう。「どーでもいいことなんですけどね」って感じを醸し出しつつも、延々とコロニーやらトロリーやらなにやらの外観、スペックなどを書き連ねまくるのはちょっとダルい。話はおもしろいんだけど。それはそれとして、解説のカタカナ語が気持ち悪い。ボエジャーII号…
1月2日
●賀正。今年も夜露死く。というわけで2003年初萌えは、コンビニで売ってる廉価版コミックス、999の車掌さんなわけですが人外さいこう。

■ニール・スティーブンスン「ダイヤモンド・エイジ」(早川書房)【4+】
ナノテクで様変わりした社会を例によってどーでもいいようなところから念入りに描写したり、「若き淑女のための絵入り初等読本」で幼女がものすごい人物になったりと、いかにもニール・スティーブンスンな饒舌で調子の外れた中身がギッシリ詰まった話。スノウ・クラッシュからほとんど間をおかずに読んだせいか、ちょっとゲンナリしたので減点。つーか読んでも読んでも終わらなくて疲れますた。

●次は「サターン・デッドヒート」を読もう。

●2chSF板マーティンスレによると、「放浪の騎士」がアメリカで漫画化されるらしい。