1999年1月のFMWファンクラブ会報に、やっと雁之助のインタビューが掲載された。
せっかくだから全文転載させてもらいますわ。



久しぶりに雁之助選手の話を聞くんですけど、あまりにもイメージが変わっちゃって何を聞けばいいのか…。 聞き手
雁之助 いやどうぞ気を使わずに何でもお聞きください。私が答えられる範囲でお答えしますから…。
いやーそう言われてしまうと…。以前「ウイーッスッ!!」と挨拶してくれた雁ちゃんはもういないんですか? 聞き手
雁之助 …そんなこともありましたか。
ありましたか…って毎日やってたじゃないですか! 聞き手
雁之助 私は自分の過去を否定するつもりはありません。すべてはこの私自身が歩いてきた巡礼の道なんですから。
10・24川越で会場から帰る時に車の前で合掌したらドアのロックが開きましたよね。あれは驚きましたよ。 聞き手
雁之助 そうですか。すべてはお大師様の御心の成せることでしょう…。
でも手にはリモコンが握られていたこともバレてますよ(笑)。 聞き手
雁之助 …。そ、それは…。
あの辺が非常に雁ちゃんらしいなと嬉しくなったんですけど。 聞き手
雁之助 あのですね、俺はね…。
アッ、今、俺って言ったでしょ! 聞き手
雁之助 …。言いました!言ったよオラ!俺って言って悪いわけ?アー、めんどくせえ!
ウワー、やっぱり雁ちゃんだー(笑) 聞き手
雁之助 本当に何だかなー。あのね、ぶっちゃけた話さ、本当の俺は何も変わってないの!確かに俺は四国八十八番札所を巡礼して、いろいろと考えるところがあったんだよ。その点ですごく心が開いたというかさ。でもね、俺はやっぱりプロレスラーなんだよ。だから以前の俺も今の俺も本質は同じミスター雁之助なんだよな。
つまりプロとしてのキャラクターをガラリと変えたということ? 聞き手
雁之助 ウン、プロとしてだね。それに仏門に足を踏み入れたわけだけど、俺は俺。俺は新崎人生みたいに悟り切ることができねえんだよ。
でもそうやって”俺”と”私”とどちらで修行するんですか? 聞き手
雁之助 …すべてはお大師様の御心の成せるままです。自分では決められません。
アーまた入っちゃった。 聞き手
雁之助 ”俺”の言葉で言えばありのままに修行していくってことだよ。まだ修行は足りないんだろうけど、ハッキリいってもう羊の皮をかぶってリングの上がるのはまっぴらなんだよ。リングに入場する時の作法だって、俺は人生みたいなクソ坊主じゃねえんだから。やりたい時はやるし、やりたくない時はやらねえってこと。ただね、今まで俺がやってきたことは間違ってなかったよ。
というと? 聞き手
雁之助 別に俺が声を掛けたわけじゃないのに俺と組みたいっていうレスラーがドンドン出てきたろ?それはやっぱり俺に何らかのパワーを感じているからなんだよ。
なるほど。今後も巡礼の同行者が増える可能性はあるんですか? 聞き手
雁之助 それはわからないなー。俺は来るものは拒まず、去る者は追わずだから。別に誰と組んでも助けてもらおうとは思わないし、逆に俺に頼られても困るしさ。ただ俺にケツをまくるようなことをしたら容赦しねえよ。
仏門に入った人が”ケツ”なんて言ったらダメじゃないですか(笑)。 聞き手
雁之助 だ・か・ら!俺はもうありのままで生きるの!お大師様に背いてでもプロレスラーはリング上で結果を出さなくちゃいけねえんだよ。
ありのままにまた「ウィーッス!」をやってくれることもある? 聞き手
雁之助 ねえよ、そんなもん!!大体ああいうものは人がもっと見たいと思っている内にスパッとやめちゃうのがいいんだよ。入場の作法だってそうだしな。それがプロってもんだから。
ウーン、やっぱりプロだ。でも見たいっスよ。「ウィーッス!あれ、どうしたのかな元気がないぞ」って。 聞き手
雁之助 うるさい!やらないの!
「恥ずかしいのかな?恥ずかしいのは俺だよ」って(笑) 聞き手
雁之助 うるせえんだって!もうインタビューは終わり。最後はちゃーんと合掌してくれよ。お大師様の話も出てたんだから。
ハイ。 聞き手