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サンタクロースのものがたり |
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| とおいとおいむかし、サン夕の国の守り神は、エルバハ−ル・オルウンエム・バァハール・メルエルムつまり、水の女神の仮身あたたかい水(つまりお湯だね)の神と呼ばれていた。長いのでここではかんたんにあたたかい水の神と呼ぼう。 あたたかい水の神は、父である大地の神と母である全天の神の第四子で、もともと女神であったのがなぜ仮の姿で、しかも男の神として現われたのかは、北方神話の中で語られているが、それを話しただけで本が−冊できてしまうので、その話はまた別のときにしよう。 |
| あたたかい水の神は、サンタの国の人々(つまりサンタクロースのことだね)だけじゃなくて、草や木や動物たちそして自然の細々したことすべてを愛していた。特に幼いものや年老いたもののことを大切にしてくれた。みんなあたたかい水の神のために、さまざまなプレゼントをした。なぜならば、あたたかい水の神の教えが、おたがい贈り物を通して、心を通い合わせるようにというものだったからなんだ。 サンタたち、それからサンタの国の自然のすべてのものがこうしてあたたかい水の神の教えのもと、みな幸せに暮らしていた。それはそれは幸せな時代だった。何か困ったことがあれば、かならずあたたかい水の神がやって来て助けてくれた。あたたかい水の神のもと、畑の作物はたわわに実り、嵐や大雪の備えも十分につくられて、何一つ困ることは無い時代だった。 |
| あるときのこと、南の国から竜使い達がやって来た。竜使い達は黒竜を飼いならしているといっていた。黒竜を使って、サンタたちのできないような工事でも鍛冶仕事でもなんでもこなしてくれた。最初サンタたちも竜使いのことをありがたいと思って、歓迎していた。しかし、時代が過ぎるにつれて、次第に竜使い達の数が増えていった。みんな南の国からどんどんどんど仲間を呼び寄せたんだ。それと同時に、竜使いたちはサンタの国でしだいに自分たちの好き勝手なことを始めた。自分たちで法律や警察を作り、竜使い達に少しでも意見するようなサンタはどんどん捕まっていった。最初のうちは、警察署に呼び出されて注意されるだけだったのが、ちょっとしたことでも牢屋に閉じこめられるようになっていった。だんだんとサンタたちは竜使いに文句をいう勇気もなくなってしまった。みんないつでも竜使い達のことを気にして、言いたいことも言えず、やりたいこともできなくなってしまった。こうしてサンタの国は竜使い達に乗っ取られてしまった。サンタたちは竜使いのいいなりになって、いいように使われてした。たいへんな仕事や苦しい仕事はサンタたちに押し付けられて、竜使いは好き勝手なことをしていた。たとえば、サンタが1年間苦労して育てた畑の作物も、竜使い達があらかた持っていってしまった。サンタたちに残されたのは、その年食べていくのにやっとな量しかなかった。来年のための種も竜使い達から買わなくてはならなかったが、そのお金に困るサンタもたくさんいた。 |
| ところで、知っていると思うが・・・ああそうだなぁ、サンタたちの国の竜と東洋の龍は似ていても違う種類だから、知っているかどうか分からないが、黒竜というのは決して人には慣れないんだ。竜使い達は自分たちが使っている竜が危険な黒竜だと言っていたが、本当違ったんだ。ある日のことあたたかい水の神がネズミに姿を変えて竜使い達が飼っていた竜のすみかに忍び込んだ。黒竜はネズミなんか怖がらないが、竜使いの竜たちはその姿をみてひどく怖がっていた。なぜならば、それは黒竜ではなくて、おとなしくて心のやさしい赤竜たちだったからだ。あたたかい水の神はネズミの姿から神様の姿にもどって、竜たちの話を聞いた。すると竜たちは、竜使いにおどされていやいや働いていたと言ったんだ。それであたたかい水の神は赤竜たちのすみかの鍵をこわして、竜たちを逃がしてやった。そして竜使いたちを捕まえて、ちょんぎってしまったんだ、つまりそのヒゲをな。竜使いたちは、サンタたちをおどすのに使っていた竜には逃げられるし、自慢のヒゲはなくなるしで、みんないばるのをやめてしまった。そして、あたたかい水の神は兄神である光の神の国へと竜使いたちを送ったのだ。この光の神というのは、あたたかい水の神たちの一番のお兄さんの神様で、この神様がどういう神様だったかということを話すと、これまた本が何冊も書けてしまうので、ここでは省くことにするが、つまり光の神の国は、どこもかしこも光に包まれていて、影というものがどこにもできない。まぁ、竜使いたちのように、心の中に暗い影を持つ者たちにとっては、そこはつらい所だったろうな。なぜって、いつも心の中を照らされて、自分のしてきた腹黒いことを反省しなくてはならなかったからね。でも、きっといつか全ての影が照らし出されて、まっとうな人になったことだろうよ。 |
| 竜使いたちがつかまってから、サンタたちはあたたかい水の神といっしょに、いっしょうけんめい働いた。いままでの10倍も20倍も働いた。そうして、やっと竜使いが来る前のような豊かなサンタの国がもどってきた。若くてたくさん働くことのできるサンタは、いつのころからか年寄りや竜使いによって働く力をなくしたサンタたちに、自分たち作った野菜や取ってきた魚や肉を分け与えるようになっていた。そう、あたたかい水の神に贈り物をしていたようにな。こうして、贈り物をすると不思議なことに贈り物をあげたほうももらった方も、心の中が不思議と暖かくなることに気がついたんだ。こうして、サンタたちの間では自然と贈り物をする風習が戻ってきた。 |
| それから、何十年も経った頃。何百年もたってからという言い伝えもあるのだが、サンタたちは不思議な日を迎えた。あるものは、それを実際に見たといい、あるものはそれは夢だったという。サンタたちの国の境を流れる大河を一そうの小舟が下ってきた。その小舟には一人の乙女が乗っていた。みなその乙女のことを知っていたが、その名前はだれも知らなかった。小舟は朝日の中をゆっくりと流れ下り、海へと漕ぎ出していったという。 |
| 実は、今までにたった一人だけサンタに会ったことがある人がいる。その人は今から地球の時間で1800年ぐらい前の人なんだけど、その人もこんな話を聞いたのかもしれないね。その人は、年取ってからセント・ニコルスと呼ばれるようになった。その人がどういう人かは、きっと何かの本に書いてあると思うよ。 |
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