† † †

















「奇跡なんて、存在するのかしら。」
「世界中が聖夜に浮かれている日に、そんな事言うなよな」
「普段神なんて信じてない癖に。」
「…まあな。それは否定しない。」
「でも?」
「ん?」
「でも、何か反論したそうだったから。」
「反論…ってーのかな…」
「まさか、処女懐胎や尽きぬ酒食や手かざしで癒えた病人なんかを信じてるの?」
「さあ?2000年も前の出来事まで俺は知らないし。…でも」

「…例えば、地球と太陽の距離が、今より遠かったり、或いは近かったりしたら、今現在の地球は存在しない。
もし、地球の質量が木星並みの大きさだったら、逆に月のように小さかったら。」
「…。」
「或いはそれは本当にただの偶然の積み重ねかも知れない。だとしたら、それは多分奇跡と言っていい。
今此処に、俺達が存在しているのは、結構な奇跡的な確率なのかも知れない。」
「…そう?そこに神、もしくは悪魔の意思があったりするかもしれないわよ?」
「だからそこまでは知らねえよ。
ただ、俺に確かに言えることは、当たり前のことが当たり前のようにそこに存在することを、奇蹟って言うんじゃないかって事。
それに感謝する日が年に一度くらいはあっても、罰は当たらないだろ?」
「何の罰が当たるのよ一体。」
「お天道さんじゃないか?」
「何で?」
「だって元々は冬至のお祭だろ?太陽の復活する日。」
「…そうなの?」
「だんだん短くなっていった昼の長さが、この日を境にまた少しずつ長くなっていく。つまり、太陽が力を取り戻していく日、
もしくは新しく生まれ直す日だから。」
「救世主はそれに便乗したの?」
「皮肉な言い方をすれば、そうなるのかな。
夜が終わって朝になって、また日が昇る、そう言う当たり前のことが当たり前に繰り返すことに、感謝する日なんだろ、多分。
新しい一日が始まって、自分が昨日と同じように生きていることが嬉しいって、思ったこと、ないか?」

「…miracleではなくてProvidence、と言う事。」
「そこに神の意志が働いているのかただひたすら偶然と必然が絡み合ってるだけなのかは兎も角として、な。」





「今此処にある奇蹟をお祝いしたって、構わないだろ?」








I wish you a merry Christmas and thank your existence.
(…妙な英文だ………(^_^;))
1999.12.24.
Kawatari Tohru



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クリスマス限定でしたがカウンタ破壊(…)とかの関係で
一体どの位の人がご覧になれたのか非常に疑問だったので。
敢えて恥を晒してみました…なんなんでしょう、これ…(遠い目)