毎日のことば抄    Daily abstract

11月30日(木曜)

ワークショップが終わった

  11月20日に書いたワークショップを終えた。久々に脳がストーム状態。参加者の内発的気づきを促進するのが役目なものだから、参加者個々の発言や表情や本音を耳と目と第六感でキャッチしながら、「ことば」でガイドする。

 この状況把握(インプット)と新たな質問(アウトプット)とを三日繰り返すのである。どれだけの労働が脳に求められたかを想像してほしい。

 そして、脳はストーム。

 そこで、おすすめは、脳科学からの提言
人が輝いて生きることのできる社会

 

11月20日(木曜)

思想家、三上紘司

この書籍が出版されたのがちょうど10年前。

出版10年目にあたる今年10月、ある経営者からメールをいただいた。

いまはその会社の変革をお手伝いすべく、準備に集中している。

11月28日から二泊三日のワークショプである。

私は自分を哲学的な人間だと思っていたが、どうも、縁ある人々は私を思想家とよぶ。よって、今日は自分を思想家と書いてみた。しかし、哲学家と思想家の区別は曖昧なままである。

 

11月16日(日曜)

写真家、大石芳野

なぜ、こんな写真が撮れるのか?

それ以前に、なぜ、アフガニスタンまで行くのか?

この理由が想像すらできないので、しばし、脳内に保留した。

そして、新しいクライアントの仕事が始まるのでアイコンで満杯のデスクトップを整理しだした。そのアイコンの中にマザー・テレサ語録というものがあり、ふと読みふけった。そして、ふと納得した。

あ、大石芳野さんの中にはマザー・テレサが存在していたのだと。

そして、この写真集のショルダーフレーズがさらに大石芳野さんの仕事を的確に描写していた。

戦争の傷跡を超えて生きる人々の魂を、透徹した眼差しで浮き掘りにする

 

11月12日(水曜)

舞踏家、熊川哲也

  昨日、NHKスタジオパークでこんにちわ」にダンサーというか演出家でもある熊川哲也が出ていた。日本の代表するというよりも世界をリードする熊哲。特に、これといってコメントすべきことでもないのだが、視聴者の質問に対する答が面白かった。

視聴者:熊川さんがほっとするときって、どういうときですか?

熊川氏:公演がうまくいったとき。いまは、そわそわしてる。次の公演のことで。だから、バレースタジオに入ったらほっとする。

 あくまでも推測の域を出ないのだが、視聴者の質問が期待していたことと熊川氏の答はかみ合っていないのでは?と思えた。

 だから、熊川哲也は世界の熊哲なんだな〜と思った。チャイコフスキーがどういう思い出その曲をつくったかに思いを馳せながら踊れる。という意味ではプロではなく、天職だね。(口の利き方とか、あれ、この人非常識という表面的感想は全て吹き飛んでしまうのである。)

 

11月8日(土曜)

六本木ヒルズを創った森ビルの理念

  ここ「毎日のことば抄」は、ほとんどが引用なのだけれど、この森さんの生き様および最後の四行にぐっときてそのまま引用させていただきました。

■森ビルの歴史

1978年"ラフォーレ原宿"[仏語でLa foret=森ビルの"森"]、民間による 国内初の大規模都市開発"アークヒルズ"(1986年)の他、都心に数多くの 商業施設を建設。都市開発のリーダーとして大きな役割を果たす。

■森ビル創業者 森 泰吉郎(もり たいきちろう)1993年没

現在"六本木ヒルズ"の開発でも其の名を知られる「森ビル」の創業者。 横浜市立大教授として大学で教鞭を取りつつ、貸しビル業を営んでいたが、55歳で大学教授の職を辞し、事業に専念する。

森ビルにとっての『地上げ』の真の意味

創業者は森泰吉郎。横浜市立大学の商学部長をつとめながら貸しビル業を営んだ異色の経営者です。泰吉郎が特に心を砕いたのが「地上げ」。バブルでイメージの悪い地上げという言葉ですが、本来は、複雑な権利関係を解きほぐし、土地の価値を高めるという意味を持っています。ビル建設には地元住民との信頼関係が重要と、六本木のARKヒルズでは住民たちと交渉を続け、着工までに14年という歳月を費やしました。

真のデベロッパー森ビルの生んだアークヒルズ

大家と店子の関係は、共存共栄でなくてはいけない。店子にとって一番メリットのあるやりかたをすることが、けっきょくは長い目で見て、大家にとってもプラスになる。この、古いが本質をついた考えかたが大きく花開いたのが、アークヒルズである。あの一帯は都心の一等地であるにもかかわらず、交通がちょっと不便なこともあり、うらびれた住宅地のまま残っていた。森ビルは、そこを金の力だけで地上げすることなく、長い時間をかけて地権者の合意をまとめ、あのビルを建てたのだ。今でも、古くからの住民の多くが住居棟の中に住んでいるという。事業は金儲けのためでなく、世のためヒトのためにやるという信念が、長い時間をかけて都会のゴーストタウンを東京の名所にしたのだ。

「まず、儲けようとは思わない。
いい計画を立て、いい建物を建てる。
そうすれば、必ず社会に受け入れられ、
結果として儲かるというのが基本。」森 泰吉郎(森ビル創業者)

出典http://netry.no-ip.com/archives/cat_venture.php

 

11月5日(水曜)

衆議院議員選挙に関連して

  11月9日の選挙まであとわずか。自民対民主という二大政党対決が鮮明になってきた。日本国民の意識を知る上でも楽しみなイベントであるが、気がかりはひとつ、安易に武力行使をする軍事大国・米国との関係および軍事政策のゆくえである。米軍の空爆によってイラク市民が自由になったという結果だけを捕らえると、米国は善を為したように見えるが、問題はその手段である。米国は安易に武力行使をする、特にブッシュ政権になってからこの感は否めない。

 サウスウエスト航空というアメリカの会社は社員を大事にするとても良い会社で、企業文化の模範的存在なのだが、そのトップサイトにもこんな映像が。なかばジョークだろうが、どこまでがジョークかわからないところがアメリカのこわいところだ。古い話では、十字軍でも聖地エルサレムを武力制圧しようとしたのは歴史的事実である。どうもその種の魂が今は米国にあつまっているのではと思えてしまう。

 私は小泉純一郎氏を支持してきたほうなのだが、「他の国がイラク復興支援のために人を送り込んでいるのに、日本だけがお金だけで済まそうとするのはおかしい」という趣旨の発言をされたと思うが、この論理のつくりかたは危険だとおもう。

 みんなが出してるのに、なぜあなただけ出さないの。みんなが参加してるのに、なぜあなただけ不参加なの。これは会社でも学校でもよくきかれる強烈な論理・理屈である。この理屈の前に多くのひとはごまかされてしまう。

 ここには問題のすり替えが行われている。みんながという論理を使う限りみんなが武力行使するからうちも武力行使するよというような愚かな判断、意思決定が生まれてしまうのである。

 出すのも自由、出さないのも自由。参加も自由、不参加も自由。しかし、武力行使は自由ではない。どんな理由があったにしろ武力行使は正当化できない。問題は武力行使をしたという事実なのである。米国は武力行使や武器供与という間違いを犯し続けている。

 

11月4日(火曜)

フリーエージェント [free agent]

  会社を出ていく従業員が増えるにつれて、人材の流出を防ぐための取り組みを強化する企業が増えている。しかし、その結果打ち出される戦略は、間違った前提に立っているために失敗に終わる場合が多い。「権限委譲」という言葉には、組織が権力を握っていて、その一部をご親切にも個人に分けてやるというニュアンスがある。しかしフリーエージェント経済では、個人が組織を必要とする以上に、組織が個人を必要としている(「今日は会社に行って、GMの力になってやるぞ」という考え方をしてもおかしくない時代なのだ)。従業員への「権限委譲」を図ろうとする企業は、恩着せがましいばかりか、いまや物笑いの種でもある。人材を「つなぎ止める」という発想も同じだ。会社はフリーエージェントに刺激とやる気を与えることはできるが、彼らを「つなぎ止める」ことはできない。
出典:フリーエージェント社会の到来

 ところで、この本に「在宅教育の革命」という節がある。あ、そうだな。自分だけフリーエージェントとしての自由を謳歌しながら、子どもは今の学校へ行けというのは、一貫性に欠けるな…。ということで、意図したわけではないのですが、下の娘(8歳)は学校に行かず、家で学んでいるのです(^^;

 

11月3日(月曜)

ネットワークで知識を得、修正する

 ネットワークは、情報を分かち合い、連絡を取り合うことを主要な目的としているけれども、データから知識を生み出し、その知識を交換するという程度でとどまることはない。ネットワークに属する人は、それぞれに新しい情報を入手すると、その情報を総合して、別の新しい考えを出す。こうして新たにつくり出された思想なり考えなりを、ネットワークは分かち合うことになる。

 ウィラード・バン・デ・ボガートは、この過程をフューチャーライフ誌で次のように説明している。
「新しい思想が生まれるたびに、それは総合されて別の思想を生み、その都度、人間性と、われわれが住んでいる世界についての認識が改められてゆくのだ。このようにして生まれた新しい精神構造は、世界各地で新たに開発されたネットワーク組織の中で、分かち合われている」
出典:メガトレンド

 

11月1日(土曜)

やればわかる やればできる

これは宅急便をはじめたヤマト運輸の小倉昌男(おぐらまさお)氏の著書の題名。

これを手にし、ふと思う。
この著書とは関係なく、わかることは大切、できることも貴重、
だから、この世では「わかる」ことや「できる」ことの重要性が説かれているとおもう。

そして、この書では「やれば」と条件が付く。
やればわかる、やればできる。

また、ふと思う。
これは、社長だから言えたことではないかと。
そして、さらに思う。
社員がこう言える環境を整えた会社が生まれ始めている。