変革と創造の理論 : 知の3領域
「知」には、3つ領域がある。
@認識の知
読んだり聞いたりして知ること。
A経験の知
実際に体験することによって知ること。
B創造の知
何らかの現実に直面したときに、「それが何か、どういう意味があるのか、なぜ、それが起きているのか」等の解釈を自ら創造することによって知ること。
- 「認識の知」と「経験の知」が全く違うように、「経験の知」と「創造の知」も全く違う。
- 自分がどんな信念体系を形成しているかは、自分ですら意識できていない場合が多い。
- 人は、自分の信念体系を「普遍的真理」であると信じている。
- 指示、命令、動機づけで人の信念体系を変えることはできない。
- 論理的説得で人の信念体系を変えることはできない。
- ある信念体系が間違っているということを、客観的証拠の提示や論理的説得によって納得させることはできたとしても信念体系を変えることはできない。なぜなら、信念体系は、「認識」のレベルではなく、「経験」と「創造」のレベルで形成されているからである。 論理的説得(論理性)は人に強いプレッシャーを与える。よって、論理的説得を用いてある信念体系を変えようとすると、人間の内部に大きな葛藤が生まれる。葛藤が大きい場合、アイデンティティーの喪失、自己崩壊を招く危険がある。
- 強いプレッシャーの下では、人間は信念体系を変えるどころか、ますます自分の信念体系にしがみつこうとする。
- ある信念体系を変える(取り払う)ことができるのは「自分自身」だけである。
- 信念体系発生の原理を理解することで、信念体系を変えることが容易になる。
- 人や集団は、自分の目で見たものを信じる。人は誰しもある状況を見、ある状況を経験し、信念体系を形成する。
こうすればうまくいく。
こうすれば間違いない。
こうすれば安心だ。
自分の仕事はこれだ。
自分の役割はこれだ。
これはしても良い。
これはしてはならない。
仕事とはこういうものだ。
会社とはこういうものだ。
マネジメントとはこういうものだ。
人生とはこういうものだ。
等々...
- 信じていることが見えてくる。
- 信じていることしか見えなくなる。
人生とはこういうものだ、
仕事とはこういうもんだ、
会社とはこういうもんだ…
- 会社が成長、発展、成功しているときに、信念は強固に結晶する。
- 一旦「ある信念」が形成されると、人はその信念を通して物事を見るようになる。
- 経営の原則、仕事、働き方、人の使い方、生き方、話し方、人間関係、世界、他人、自分…
- 人の「行動」は、その人の「信念」に一貫している。
- 「信念」からはずれた「行動」をとることはできない。
- 新たな行動、あるいは今までにとれなかった行動をとるためには、行動を制限している枠組み「信念」を取り払わなければならない。
- 「既存の信念」の上に既存の信念に合わない「新たな信念」を重ねることはできない。
- 「行動」だけではなく、「思考パターン」、悲観的・楽観的といった 「感情パターン」、ものが何色に見えるかといった「認識パターン」、これらの結果としての「経験パターン」も、その人の「信念」に一貫している。
- 人は自分の「信念」からはずれた「思考」、「感情」、「認識」を経験することができない。