湿地性植物
山野草栽培と同じに栽培できます。用土、肥料、管理とも。 又、たいていの湿地性植物  
はドロ植え、ヒタヒタの水で抽水性、浮葉性植物と同様の栽培で楽しむこともできます。

抽水性(植物の下部は水中、上部は空気中に出るもの)。浮葉性植物(スイレンなどのよ
うに植物体は水中にあり、水面に浮かぶ葉を出すもの)。

用土
専用の用土として荒木田土(昔からスイレンの植込みなどに使われている粘土質の土)が
販売されていま すがどこででも入手できないので通常は庭土、あるいは市販の黒土(こち
らの方があとで雑草が出ないの で管理が楽)を少しずつ水をかけながらよくこねて用土と
します。パン職人になったつもりで何度も何度もよくこねて手にねっとりとつく状態がベストで
す。農場内では最近芝目土(赤玉土の細粒)を主な用土として利用しています。黒土のよう
な面倒な土作りの必要がなく、植替えのときの土落しも楽です。湿地性、抽水性、浮葉性い
ずれの植物にも適。土はホ−ムセンタ−で販売されている。

肥料
水生植物はほとんどが多肥を好みますので肥料の使い方は重要です。マグアンプKなどの
やわらかい肥料より市販の発酵油粕+骨粉(あるいはそれに類するもの。必ず発酵処理し
てあるもの)が適当です。容器 の大きさに合わせた量を植込みのとき鉢底に入れるか(根
に触れないように)、葉が伸びだしてから土の中に埋めこんでやるかします。
肥料は通常年1回。スイレンは元肥の他梅雨時に追肥をやるとよい。

容器、土の深さと水深
容器は水のたまるものならたいてい利用できます。カップラ−メンの容器でミズアオイを満
開にする人もいます。入手しやすいのは発泡スチロ−ルの箱で、深さ15〜20cm位を利用
します。用土は半分の深さまで入れます。水草を軽く押込むようにして植込み、基本的には
浅植えです。それから静かに満水にします結局土の深さと水深はそれぞれ7.5〜10cm位に
なります。大型の水草は土の深さがこれより深くないと納まらないこともあり。そのときは深
い箱を用意。鉢植えの場合もこの位の深さの発泡スチロ−ルの箱に入れ満水にします。水
深はこれより深くなってもかまいません。池で水生植物を栽培している人は水深30〜40c
m位が多いでしょう。ヒタヒタの水で小型の水生植物も、コウホネ、ヒツジグサ、オニバスな
ど大型の水草も充分栽培できます。唯、寒冷地の場合は冬期氷が張るのはかまいません
が用土を凍結させると水生植物は腐ってしまうので水深を深くした方が安全です。

植えつけ、植替えの時期
晩秋〜早春を除いて1年中大丈夫です。適期ではありませんが小社では真冬でも植込みを
しています。一番の適期は充分暖かくなってから。東京なら4月下旬から梅雨入り頃まで。
湿地性は、通常の山野草と同じ2月〜4月頃。

病虫害
特別病気はでませんが、虫の害はときにでますので(葉をちぎって食べる虫の害がたまに
でる)、水面にでている葉に薬剤散布します。小社ではオルトラン水液あるいは粉剤(浸透
移行性なので水中や葉の裏などの散布できない部分まで薬効が効く)を葉がちぎられたと
き散布しています。

浮遊性植物
ウキクサなど。水面に浮かべるだけです。水中に肥料分が少ないとだんだん小さくなつて消
えてしまいますので、ハイポネックス等水肥を少量(60×30cm位の発泡スチロ−ルの箱
で5〜10cc位)あるいは化成肥料ひとつまみを元気がなくなったら与えます。

沈水性植物
いわゆる藻。抽水性、浮葉性に準じます。水深は深くても大丈夫ですが浅水でよくできま
す。