5 天使は夢を見た。『あの時』の夢を―
大切な友達がいた。その時は羽も二つあって"天使"と呼べるのにふさわしかった。
天使と同じくらいの年齢な少女がいた。とても親しい仲だった。
少女は、天使にプレゼントだと2oほどの透き通ったピンク色のピアスをあげた。
天使はそれを大事に右耳へとつけた。天使にはそれがとても似合っていた。姉妹のように仲が良かった。
けど、それから少女の様子がおかしくなっていった。
「死にたい」
と狂い叫ぶようになった。
そして、少女は自殺をはかって、死んだ。
目の前で死んだ。
天使は泣き叫んだ。
泣いて泣いて、自分を憎んだ。
何もできなかった自分を。何もしてやれなかった自分を。何もしてあげれなかった自分を。
自分を責め続けた。
こんなにも近くにいたのに。少女の苦痛を気づいてあげれなかった。
ごめんなさいごめんなさい。
と何度も何度も少女のまだ暖かい体、少女に謝った。
そして天使は思いついた。
―生き返らせてしまえば…
けど、それは違反な事だった。羽を一つ少女に宿す事。自分を苦しませる事s。
でも、天使は少女に生きて欲しかった。
本人は望んでいないかもしれない。勝手だと思う。
けど、私の意志は
――生きて下さい
6 二つの羽を失いし天使は…―――――――
右耳にうっすらと丸い透き通ったピンクのピアスを付け、何処かを歩き続けていた。
それは、明るくて…――