天使は夢を見た。『あの時』の夢を―


大切な友達がいた。その時は羽も二つあって"天使"と呼べるのにふさわしかった。

天使と同じくらいの年齢な少女がいた。とても親しい仲だった。

少女は、天使にプレゼントだと2oほどの透き通ったピンク色のピアスをあげた。

天使はそれを大事に右耳へとつけた。天使にはそれがとても似合っていた。姉妹のように仲が良かった。

けど、それから少女の様子がおかしくなっていった。

「死にたい」

と狂い叫ぶようになった。

そして、少女は自殺をはかって、死んだ。

目の前で死んだ。

天使は泣き叫んだ。

泣いて泣いて、自分を憎んだ。

何もできなかった自分を。何もしてやれなかった自分を。何もしてあげれなかった自分を。

自分を責め続けた。

こんなにも近くにいたのに。少女の苦痛を気づいてあげれなかった。

ごめんなさいごめんなさい。

と何度も何度も少女のまだ暖かい体、少女に謝った。

そして天使は思いついた。


―生き返らせてしまえば…


けど、それは違反な事だった。羽を一つ少女に宿す事。自分を苦しませる事s。

でも、天使は少女に生きて欲しかった。

本人は望んでいないかもしれない。勝手だと思う。

けど、私の意志は

――生きて下さい


 二つの羽を失いし天使は…―――――――

右耳にうっすらと丸い透き通ったピンクのピアスを付け、何処かを歩き続けていた。

それは、明るくて…――